その色にはどんなストーリーが隠されている? 色の名前を知ると愛着が湧いてくる!

今日のひとしな
2024.04.17

〜「カラーワークス」より vol.17 〜


こんにちは、カラーワークスの灰野です。今回は、色にまつわるちょっとマニアックなお話を。

皆さんは、インテリアペイントの色を選ぶときにどんな選び方をしますか。パッと好きな色を選び取る方もいらっしゃれば、いま自分がどんな色が気になるのか、どんな色を塗ってみたいのか、じっくりカラーチャートをめくる方もいらっしゃるのではないでしょうか。


そんな時にふと目に入ってくるのが、それぞれの色につけられた素敵な色の名前。すぐに意味のわかるものから、想像力を掻き立てられるものまで実にさまざまです。

今回は、英国のペイントブランド「Farrow&Ball」とカラーワークスのオリジナルペイント「Hip」の中から、興味をそそる由来や物語を持つ色をピックアップしてみました。大胆な色も色の名前を知ることで愛着を感じてくれたら嬉しいです。それぞれおすすめのインテリアでの使い方と一緒にご紹介しますので、参考にしてみてくださいね^^


Hip No.7454D Souvenir Rose /FISH PHOTO


少し青みがかったピンクのSouvenir Rose。想い出のローズピンクという色とはちょっと離れたアンニュイな名前ですよね。ピンクという色はファンも多い一方、「子供っぽい」とか「あざとさを感じてしまう」とのお声もありますが、Souvenir Roseはどちらかというと女性の強さを感じるような色合い。子ども部屋はもちろん大人の女性の部屋にアクセントとして使ったり、ウォークインクローゼット内の壁に大胆に使うと着替えの時間が楽しくなりそうです。


FARROW&BALL No.74 Citron /設計ホームデザインキャスリー


カラーワークスの黄系統の中でもとっても人気の高いCitron。名前の通りフレッシュ感のあるレモン(シトロン)にちなんで名づけられた色です。明るくポジティブな印象を与えてくれる色なので、子ども部屋やリビングに使われることが多いですが、実はのようなベッドルームにもおすすめ。夜は穏やかな照明のもと、こっくりとしたオレンジがかった色に変化しますし、朝の白い光の元では爽やかで快活な印象をもたらしてくれます。


FARROW&BALL No.268 Chartotte’s Locks / 設計マスプラスデザイン一級建築事務所


実はこのオレンジ、英国の老舗ペイントブラン「Farrow&Ball」でクリエイティブ部長をされているシャーロットさんの赤毛の色が由来になっています。シャーロットさんはFarrow&Ballの新色を作り出している責任者の方なのですが、色名の中にはこんなサプライズもあったりするのは面白いですよね。

濃いめの赤みのオレンジは、インテリアに使用するとやや強そうではありますが、少し黒が混ざっていることで思った以上に使いやすいのが特徴です。写真のようにアクセントカラーとして壁一面に使ったり、キッチンカウンターの下に塗装したりするのも良いですね。他の壁がシンプルであればあるほど、空間を締める色として個性を発揮してくれますよ。


Hip No.7095D Granada Blue / 設計株式会社坂本建築設計事務所


スペイン南部アンダルシア地方の都市である“グラナダ”をイメージした目も覚めるようなブルー。南の海を連想させる少し黄みがかったGranada Blue は、伸びをして思いっきり深呼吸したくなるほど心も身体も開放感でいっぱいにしてくれます。上の写真でもサーフィンが飾られていますが、明るいホワイト系の色とGranada Blueの相性は夏っぽさを感じさせ、とてもさわやかな印象に。真っ白ではなく、南国の砂浜のようなほんのりくすみがかったホワイト系や明るめのニュートラルカラーを合わせると、より心地よさを感じることができます。


FARROW&BALL No.298 Bancha


日本のお茶の葉から名づけられたという、深い緑色のBancha。日本のお茶の名前が由来なのでとても嬉しくなってしまう反面、「抹茶じゃなくて?!」と突っ込みたくなる方もいるかもしれません。なにしろ日本では地方によっては番茶は緑色と茶色に分かれるそうなので、そういう方は茶色派ということですね。

少し黄みがかった濃厚なグリーンのBanchaは、秋が深まる前の植物の緑を連想させます。大人っぽさを感じるトーンなので、書斎などお仕事をするスペースに使うと知的でアカデミックな印象をもたらすことができますよ。


FARROW&BALL No.266 Mizzle / 設計ホームデザインキャスリー


Mizzleは造語。霧(Mist)や霧雨(Drizzle)に濡れる英国のウエストカントリーの夕方の空が由来となっています。明るいグレーの中にわずかにグリーンを混ぜたような色合いで、うっとりするほど上品な色あいのMizzle。こういう複雑な色は、窓から差し込む日差しや照明のちょっとした色合いによって、色の見え方がどんどん変わっていきます。Mizzleのような色は思い切って空間の壁全面を塗ってしまうのがいいですね。滑らかに変わりゆく部屋の雰囲気を、空間全部で感じてください。


FARROW&BALL No.276 Mole’s Breath


Farrow&Ball」の人気色のひとつに、Elephant’s Breath(象の吐息)という色があるのですが、このMole’s Breath(モグラの吐息)という名前はこの色から由来しています。初めて色名を目にした時は、象にしてもモグラにしてもなんて可愛らしい名前なんだろう、と悶えたものです。このMole’s Breathの色合いは、可愛いというよりも割としっかりとしたグレー。かと言って、グレーの冷たさを感じるわけではなく、Mole’s Breathに含まれた赤の顔料が感じられるため、ほんのり温かな、まさにモグラのような有機的なグレーなのです。

この色は、ナチュラル系のおうちを少しスマートに変えたいな、という方におすすめ。淡くて繊細な色合いの多いナチュラル雑貨も、グレーの壁の前におくとしっかり存在感をはっきりしてくれるので、存在感のある黒子のような色として使いやすい色です。


Hip AC085N Tropical Surf / 設計ホームデザインキャスリー


今回2つ目のブルーは、南国の海岸に砕ける波からインスピレーションを得た名前なのだそうです。海の色って不思議ですよね。波打ち際から少し入るだけで深みが出てきます。このTropiacal Surfもしっかりとした青い色味は感じつつ、大自然が持っているような落ち着きや深みといったものが表現されています。おうちで使うなら上の写真のようにリビングなどで使うのも良いですが、食器棚や本棚の中の色として塗ってみるのもおすすめです。食器や本の白い紙とのささやかなコントラストが美しく見えるだけで、特別なスペースに変化します。

今日の色の名前のお話はいかがでしたか? インテリアの色に迷ったとき、好きな色の中でもさらに「色の名前」からインスピレーションを感じた色を決めてもいいかもしれません。名前から、どんどん色にも愛着が湧いてくると素敵ですね。色選びもいろいろな角度で楽しむことが出来るので、ぜひ色選びも楽しんでいただけると嬉しいです。

 

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