土地探し5つのポイント!「プロパンガス物件は要注意!」「お買い得には裏がある」
※Come home! webに掲載された記事を転載しています
注文住宅を建てる場合、計画から土地選び、完成まで、少なくとも1年以上はかかると言われます。天候の影響もあるため、子どもの進学のタイミングのような期限がある場合は、ゆとりをもって計画することが必要です。では、具体的にどんな流れで、家づくりは進んでいくのか。その流れを「オレンジハウス」の船水さんに教えていただきました。
この物語の主人公は東京に暮らすOさん家族
都内下町エリアの賃貸マンションに暮らす4人家族。「いつかはマイホームを」と頭にはありつつも、仕事や子育てなどで落ち着いて考える余裕がなく、時間だけが過ぎていきました。けれど、2人目の誕生を機に、いよいよ本格的に家づくりが始動!
ママ:(スマホで土地を検索中)土地探しってあきちゃうよね。
パパ:なんで?
ママ:殺風景な土地の写真ばかりで、どれも同じような感じだし、どれがいいのかもわからないし。
パパ:たしかに。「ここを抑えておいたほうがいい」ということはありますか?
土地探しで見るべき5つのポイント
船水さん:はい、いろいろありますが、中でもポイントとなる5つをご紹介します。
①相場価格より安い土地は注意
船水さん:1つ目は、価格です。ネットで検索していると、30坪で相場2000万円後半~3000万円のエリアで、面積30坪や30坪以上なのに1000万円台というものがときどき見つかります。でも、市街化調整区域(建物を建てられないエリア)だったり、ガスや水道が通っていなかったりなど、安いにはなにかしらの理由があります。webサイトの土地検索には、住宅用地以外も出てくるので注意が必要です。
ママ:安いからってすぐにとびついたらダメなんだね。
②高低差のある土地は工事のコストがかかる
船水さん:2つ目は、高低差のある土地です。東京や神奈川はわりと坂が多く、地下車庫がついている物件を見られたこともあるかなと思います。建物が建てられないわけではないのですが、地盤が不安定なことが多くて地盤改良工事が必要になったり、建築時に重機が敷地に入らなかったりします。
パパ:あー、たまに見るやつね。
娘:私はそれがいい! カッコいいじゃん!
息子:まんま(僕もそれがいい)!
ママ:地下車庫はカッコいいなと思うけど、高低差は子どもにとっては楽しいかもだけど、老後にはしんどくなるね。
③土地に接する道路幅
船水さん:3つ目は、前面道路幅員です。ネットで土地を探していると、概要欄の規制が載っているページのところに前面道路と書かれた土地が出てくると思います。敷地に面した道路幅は一般的に4m以上ないと建築基準法に適していない、ということになります。3.8mの道路だとしたら、道路幅を4m確保するため、その分敷地を下げる必要があります。
パパ:敷地が狭くなるんですね。
船水さん:それもありますし、道路が狭い、ということがネックになります。なので、大きな車に乗られている方は要注意です。図面の数字だけ見ると駐車できるのに、実際運転してみると道路が狭くて曲がり切れない、というケースもあります。また、建築時に重機が敷地まで入らないという可能性も出てきます。そうなると、トラックで途中まで建材を運び、そこから小さなトラックに乗せ換えて運ぶことになるため、運搬コストがかかります。
④旗竿地は駐車スペースを確保できるか確認
船水さん:4つ目は、3つ目ともつながりますが、土地の形状です。旗竿地は聞いたことありますか?接道(道路に面した敷地部分)が狭く、奥に向かって細長く伸び、その先に建物を建てるスペースがある土地です。相場より価格が安いというメリットがある一方で、重機が敷地内に入りにくく、また、駐車スペースが狭いので、車のサイズによっては止められないという事態にも。その場合は、別で駐車場を借りる必要があり、余計な出費になってしまいます。
ママ:わたし、狭いとこやだ…。ストレスなく、運転したいし。
⑤プロパンガスはランニングコストが高い
船水さん:5つ目は都市ガスです。東京23区などでは基本的には都市ガスですが、八王子市とか日野市などの一部エリアでは、ガスがプロパンガスという土地が出てきます。プロパンガスだと都市ガスに比べてランニングコストがかかります。マイホームは何十年と住むので、たとえ毎月の出費がわずかに膨らむ程度でも、トータルで考えると大きな負担になると思います。
ママ:それは盲点だったわ。たしかに、たとえ月3000円でも、年間にすると3万6000円。それが30年だと…えーと、108万円!中古の車買えちゃうわ。やば。
パパ:あと、ハザードマップは確認しておいたほうがいいと、よく聞くのですが、災害という観点ではいかがですか?
船水さん:そうですね、ハザードマップはチェックポイントでもありますが、土砂災害警戒区域などの土地を選ぶと、住宅補助を受けられないとか、住宅ローンを借りられないという、コスト面に関わる問題も発生します。
パパ:すごい勉強になったね。
ママ:うん。検索する楽しみができたよ。
illustration:シホ
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