粋美なガラスショーケース

令和の家具事典
2024.05.17

※Come home! webに掲載された記事を転載しています


ICCA(イッカ)」が取り扱う家具は、材質や造り、デザイン、様々な視点から選りすぐった大正時代の逸品たち。そこには、当時の名もなき名人たちの美意識や思いやりが詰まっています。

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No.16
「粋美なガラスショーケース」

 

圧巻の帯飾り装飾面


大正期に製作されたアンティーク和家具は、シンプルながらもモダンな意匠が施されたものが多いのがひとつの特徴です。

数ある装飾面(フレームなどに施されるデザイン)の中でも、ICCAを魅了し続けているものが玉飾り意匠と帯飾り面取り意匠と名付けた装飾。

こういった意匠は名前が伝わっていないものが多く、便宜上、ICCAで名前をつけています。

玉飾り意匠とは、玉のような彫刻が数珠のように連なってできたデザインのもの。
帯飾り面取り意匠とは、家具のフレームによく施されるもので、凹凸が連なりひとつの帯のような振る舞いになっている面取り意匠のもの。

この意匠があることで、印象がぐっとモダンになります。
このショーケースはそれらの意匠が縦横贅沢に施された無二の逸品です。

 

オリジナルの支柱を添え、目線を集める


これだけ豪華な意匠ですから、シンプルにまとまっているとはいえ、フレームに目線が行きやすい。一層、展示物に注目しやすくなるように、ガラス内部に見どころを造りました。

ろくろデザインの支柱。ガラスの棚板を支え、棚の強度を高めつつ、その特異な意匠から、目線を集めることができます。

中央に目線を集めることで、自然と展示物に目がいきます。
あくまでも展示物が主役で家具が脇役。
ガラスショーケースとしての特性を強化するリメイクを施しました。

 

脚元に余白をもたせる


こだわり抜かれた贅沢な装飾は、時にその重厚さゆえに、どこかよそよそしい印象を受けることがあります。この家具も凛とした印象が強く、なんとなく他人行儀な雰囲気がありました。

そこで少し可愛らしさのある脚をつけることで、軽やかな印象を添え、親しみやすい雰囲気に。高さが生まれたことで引き戸の開閉もよりしやすく、清掃もしやすくなりました。

ロボット掃除機も通りますので、ご家庭での活躍の場も広がったはずです。

「粋美なガラスショーケース」
SIZE:W147.0cm×D48.8cm×H86.0cm
MATERIAL:ラワン材

 

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ICCA(イッカ)

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TEL:047-877-9087
HP:https://icca-life.com/
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