小上がりを設けてリビング内に子どもコーナーと収納を確保
※Come home! webに掲載された記事を転載しています
和室ばかりの細切れ間取りのマンションを、モルタルや無垢材を生かして武骨ながらぬくもりのある内装にリノベーションした圷さん。後半のこの記事では、3LDKから1LDKへと大胆に部屋数を減らしながらも、子ども部屋と収納を確保したアイデアをご紹介します。
圷さんのお宅をご紹介したの前半記事はこちらから
和室ばかりの3LDKをモルタル仕上げのおしゃれな1LDKに
このほかのマンションリノベーションの施工事例はこちらから
条件付き物件で施工会社を選べず、あえて夫婦でデザインを考えることに
物件購入の契約後、この家がいわゆる“条件付き物件”だったことが発覚し、施工会社を自由に選べないことが発覚しました。デザインの好みが合う会社に施工を頼めないなら、自分たちで間取りを考え、キッチンなどの設備も準備して、工事は不動産会社指定のところにお願いすればいいと、考えを切り替えました。目指すは、大好きな古家具が似合う部屋にすること。
それからは、仕事から帰った夫と間取りを考え、休日はキッチンや床材のショールームに足を運び、ネットでサニタリーのシンクなどを探す毎日に。最優先にしたことは、床に無垢材の板を敷くこと、ステンレスのキッチンを入れることです。トイレや洗面シンクは、デザインと価格が見合えばOKにしました。
問題は収納をどこに作るか。友達が多く遊びに来るので、部屋は狭くしたくない。生活感は隠したい。そこで、リビングに3畳分の小上がりを作り、床下を収納にすることを考えました。小上がり自体は娘の遊び場や客間代わりにもなるし、一石二鳥だなって。
苦労したぶん、でき上がったときはほっとしたのが本音。あきらめた部分は、おいおい作っていこうと思っています。
DKとリビングをつなぐ開口部はもともとこの形でした。壁と天井はもとの壁紙をはがしただけ。わが家のフォーカルポイントに。
リビングドアは古い建具にしたかったけれど、合うサイズを見つけるのは大変なので、「LIXIL」のラシッサDヴィンティアを採用。
照明のスイッチは、シンプルなデザインのトグルスイッチプレートに。「toolbox」で購入。上下にカチカチ動かす感触も好き。
リビングの一角の小上がりが娘の部屋代わり。広さは3畳ちょっと。来客が泊まるときは、天井につけたアンカーにカーテンを下げて個室に替えられます。
床を1段上げることで、空間にメリハリが生まれました。ベンチ代わりにもなり便利。床下に3つの引き出しを入れて、大容量の収納を確保。日用品のストック、キャンプ用品などを入れています。
寝室の元押し入れスペースをウォークスルークロゼットに改造
4畳半の和室を狭めたので、少しでも広く見えるように壁を白くペイントしました。娘が描いた絵や写真が映えます。
床材は足触りがやさしい、幅11㎝のパイン材にしました(写真奥側の床)。見た目にもあたたかいでしょ。「無垢フローリングドットコム」で購入。
寝室の押入れだったスペースを中心に収納を拡張し、ふすまがあった側の一部に壁を造作。廊下側の壁を抜いて開口部を設け、ウォークスルースタイルに。リビングや玄関からのアクセスもよくなり、とても便利。
クロゼット内は、死角を生かしたオープン収納。左・洋服はハンガー収納にして出し入れしやすく。上に棚板をつけて小物を置けるように。右・ジーンズなどは、リンゴ箱を重ねて収納。
サニタリーは脱衣場とトイレをひとつながりにして開放感を
トイレとサニタリーの間の壁を撤去し一体化。床は水に強い「サンゲツ」のハニカムモザイク柄SHM-1116を敷きました。
洗面シンクは、デザインと使い勝手のよさ、手入れのしやすさから、「TOTO」実験用シンクSK-7を選択。
サニタリーと隣接する玄関。狭かったので、トイレの一角を削って玄関を拡張。廊下の一部を取ってたたきを広く作り替え、モルタル塗りに。靴の収納用にオープンシェルフをつけ、靴箱のときのような扉の開け閉めの必要をなくしました。
部屋数を減らしながら収納を確保し、子育てしやすい空間づくりを実現した圷さんの発想力は、プロ顔負けです。マンションリノベーションでは、圷さんのお宅のように小上がりやスキップフロアなどを設けて空間を活用するのも、有効な一手です。
【圷邸のリノベーションDATA】
家族構成/妻34歳・夫34歳・長女4歳
築年数/40年
間取り/3LDK→1LDK+WTC
延べ床面積/68㎡
物件購入価格/1540万円
リノベーション費用/1000万円
リノベーション面積/68㎡
補強工事/ガス管新設、断熱材新設、床板の張り替え
施工/町の工務店
デザイン/圷さんご夫婦
圷さんのリノベーションの詳細は、こちらのムックでもご覧いただけます。
ご購入はこちらから
肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。