【後藤由紀子さん連載】普段の歩き方を変えれば体調も体型も良くなるって本当?【後編】
できればラクして体を動かしていきたいという後藤由紀子さん。ならば、人間誰しもが行う「歩く」ということが、エクササイズにつながれば時間も道具もかからない! と、「日常生活で使える歩き方」を教える藤田さゆりさんを訪ねました。美しい歩行は美しい姿勢から、ということで、【前編】では、心地良い姿勢につながる深い呼吸について教わりました。【後編】ではいよいよウォーキングレッスンに入ります!
まずは基本の立ち方から。
-かかと-
かかとを付け、つま先はこぶし1個分を開けるようにして立ちます。かかとが外を向いて内股になると、だらんとした歩き方になってしまうので、かかとは常に体の中心にあるように意識しましょう(室内でウォーキングの練習をするときは、素足か、後藤さんが履いているような5本指ソックスがおすすめです)。
-下半身-
ふくらはぎの内側、ひざ、ももの内側もぴったりくっつくように意識して、下半身の内側を使って立つようにしましょう。年を重ねると、どうしても外側に重心がいってしまうそう。自分の体の力を信じて、普段の生活のなかで上手に使ってあげることで、ちょっとした意識の継続で、より良い状態に保てます。
-上半身-
下半身の中心が決まったら、肩を下げ、あごと両肩を結ぶ三角形の頂点を高くするイメージで。鎖骨を美しく見せるようにすると自然と肩が広がります。膣をきゅっと閉めて、おへその下あたりに力を入れ、背筋を伸ばします。
-目線-
あごを少し引いて頭が上から吊り上げられるイメージで、目線はまっすぐ上よりも少し上に向けましょう。かかと、おしり、肩甲骨、後頭部が一直線になるのが理想的な立ち方です。
基本の立ち方が決まったら、いよいよウォーキングレッスンに入ります。ポイントは脚と腕を後ろに伸ばすこと。
-脚-
後ろ脚で床を押してから、前脚に体重を乗せ換えるのを意識して。このとき、ひざが曲がらないように気を付けましょう。理想は一本の線の上にかかとが少しのるイメージで。膝を伸ばし、かかとから着地します。かかとからつま先に向かって足の裏を徐々に床につけていくように。
-腕-
腕の付け根からまっすぐ後ろに引き、自然に前に振り戻すように。前に伸ばすというよりは、普段、やっていない後ろに引くという動作を意識することがエクササイズにつながります。二の腕や肩甲骨が使われていることを意識して、指先は自然に伸ばします。
ウォーキングの基本を頭に入れたら、さっそく歩いてみます!
先生と一緒に、何度も部屋を往復して、体にメソッドを覚えさせます。後藤さんの歩き方にも少しずつ変化が。
後:歩いていて、なんだか気持ちがいいです。体がまっすぐにのびている感じがするし、足をスムーズに動かせる気がします。
藤:後藤さんの姿勢、とてもよくなっていますよ! 最初から完璧な姿勢で歩くのは難しいので、外側ではなく内側(中心)に意識を向け、目線を上にあげることや、脚と腕を後ろに伸ばすようにするといいと思います。そして、堂々と、かつ優雅に楽しく歩く。最初はそれで充分なんです。
先生のアドバイス受けて、颯爽と歩く後藤さん、すっかり優雅なウォーキングに変わりました。「きれいきれい!」と先生も拍手!
後藤さんのウォーキング、レッスン前とレッスン後を動画で見てみましょう。姿勢が変わっているのがわかりますよ~。
藤:よくぞ、この短時間でここまできれいに動けるようになりましたね。後藤さんの場合、右手の振りのほうが少なかったので、もしかしたら右の肩回りが詰まっていたのかもしれません。そういう体の左右差や違和感に目を向け、気づいてあげることも大事なんですよ。
後:呼吸のことを指摘されてハッとしました。鎖骨のほうまで空気を入れるなんて考えたこともなかったですし、体の軸を意識することもなかったので、根本から考え直すきっかけになりました。だらっとしないで、普段からおしりを引き締めて、ももや膝もくっつくようにするだけでも、コアが鍛えられそう!
藤:たとえば近所のコンビニへの行き帰りに今日のことを意識して歩いたり、スーパーのレジ待ちの数分間でかかとを付けて、頭を上に吊り上げられるイメージで立っていたりするだけでも、すごくいいエクササイズになりますよ。
後:はい! それなら続けられそうです。
では、最後に美しい立ち姿で撮影してみましょう! 先生から「片足をまっすぐ前に出してポーズをとると、自然にきれいな立ち姿になりますよ」というアドバイスをいただいて……
はいチーズ。後藤さん、とてもいい姿勢で、レッスン前よりすらっと美しくなりましたね~。お疲れさまでした!
楽しい取材を終え、「ウォーキングなら気軽にできるから、私でもできる気がします。 これから私なりにまじめに取り組んでみまね」という言葉を残して沼津に帰っていった後藤さん。1か月経った現在の様子をお聞きしたところ、取材後すぐに始めた週2の早朝ウォーキングが、いまも続いているのだそう!
さらに「通勤時など普段の生活でも後ろ足を意識するようになったら、太ももの内側のお肉がとれて隙間ができたんです! お腹も少しへこんで、シャツをボトムインするのも恥ずかしくなくなってきた感じ。ちょっと意識を変えるだけで、こんなに変化が現れるなんて本当に驚きです」と、大興奮の後藤さん。この連載を通して、どんどん進化する後藤さんが見られそうですね。次回もお楽しみに~。
Profile
藤田さゆり
ポスチャースタイリスト。「ポスチャーウォーキング協会」認定講師として2011年より活動。姿勢と歩き方を見直し、腰痛や体型の悩みを改善した経験をもとに、東京・世田谷、神奈川・横浜にてレッスンを開催。レッスンの場所や日程などの詳細はHPで確認を。
https://ameblo.jp/sayuri-posture/
後藤由紀子
静岡県・沼津で器と雑貨の店「ハル」を営む。最近は「出張hal」として日本各地で期間限定の出店も。二人の子供は社会人となり、子育てもひと段落。暮らしの工夫や気づきを綴った飾らないエッセイも好評。近著に『気持ちを伝える贈りもの』(大和書房)。
Instagram「@gotoyukikodesu」
YouTube「後藤由紀子と申します」
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