“Stay Home” 中に変わった「おへそ」について聞いてみました Vol.4

暮らしのおへそ
2020.12.17

今まで当たり前だった生活が、当たり前でなくなったとき、きっと新たなおへそが生まれているはず。6人の方に、この状況を体験して考えたこと、感じたことをうかがってみました。

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どんなときも人は寝て
起きて食べるのだと実感

西胤真澄さん


「夫はサラリーマンなので、決まった収入があったのですが、自営業の息子は、仕事がまったくなくなりました。そのため急きょ、近所に住む一家がご飯を食べにくることに。夫婦ふたりの食卓が急に6人になり、当然家計を圧迫。お金のありがたさが身にしみましたね」

それでも、孫たちと一緒にギョーザを作ったりお好み焼きを焼いたり、いちご大福など手のかかるおやつを作ったりと、楽しく食べる工夫をしていたそう。


「友達とライングループで今日の晩ご飯の報告をしたり、作り方を写真入りで説明したり。そんな交流も楽しかったですね」

寝て起きて食べるという生活や家族の絆など、大切なことは何も変わらなかったそう。「互いに干渉しない時間の使い方を見つけ、定年後の予行演習ができたかな」と西胤さん。お金、家族、友達。いろんな角度から「いつも」を見直した時間はかけがえのない経験だったようです。

 

「たった30分」の余裕を知る

サルボ恭子さん


「ステイホームは、ある意味私にとって理想の過ごし方でした。ふだんからできるだけ『家にいたい派』なので」と語るサルボさん。

変わったのは朝のルーティンだったそう。いつも飲んでいた白湯を、以前よりも時間をかけてゆっくり飲み、そのあと20分ほどかけてストレッチをするのが習慣に。


「ここまでで、たった30分しかかからないことを知って愕然としました。たった30分を、今まで確保することができなくて、慌ただしく家を出ることを優先していたんですよね」

さらに、仕事とは別に自分が食べる料理を時間をかけて作る楽しい時間も生まれたのだとか。「料理を仕事にしていて、いつもキッチンにいるのに『自分のため』という余裕がなかなかもてなかったんです」

料理教室はお休みし、もちろんこの期間中の収入は減ったそう。

「それでも私の生活レベルはほとんと変わりませんでした。だとしたら、今までが明らかに働きすぎでした」

少し歩みをゆるめれば、これからの生活のなかに、新しい「30分」を発見できるのかもしれません。

 

『暮らしのおへそ Vol.30』より
text:一田憲子


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Profile

西胤真澄

Masumi Nishitsugu

幼稚園や保育園で働いた後、子育て支援施設でお母さんたちの相談係を。今は子育て支援センターで、保育士として働く。夫とふたり暮らし。

 

サルボ恭子

Kyoko Salbot

パリで料理と製菓を学び、帰国。料理家のアシスタントを経て独立。現在は、料理教室、テレビや雑誌などでレシピを紹介している。

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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