“Stay Home” 中に変わった「おへそ」について聞いてみました Vol.3

暮らしのおへそ
2020.12.16

今まで当たり前だった生活が、当たり前でなくなったとき、きっと新たなおへそが生まれているはず。6人の方に、この状況を体験して考えたこと、感じたことをうかがってみました。

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休むことに
罪悪感を抱かなくなった

中臣美香さん


カフェも洋服のショップもクローズし、スタッフと2人でテイクアウト営業だけをしていたという中臣さん。いちばん大きく変わったのは、「休むことに罪悪感を抱かなくなったこと」なのだとか。一番のお楽しみは、夫とのオセロ。


「映画やドラマは、その内容に感情が引っ張られてしまうけれど、白と黒の陣地ゲームに没頭している時間は、主婦でも店主でもない、何者でもない自分の時間のような気がして」

変わらなかったのは、シャツを着る生活と、毎日お茶を飲むこと。そして幼い頃から好きだったという手紙を書くことでした。


「『コロモチャヤの中臣美香さん』というページを開かなくても、お店をやっていく方法を見つけたいなと思うようになりました。店主以外の顔でお客さまとつながってもいいんじゃないかなとか……。自分の声に正直に生きてもいいのかも、と思えるようになりました」

 

「作ること」の楽しさを
もっと上手に伝えられたら

島田由美子さん


4月からお店を休業し、宅配サービスを始めたという島田さん。ワイン2本とパテなどのおつまみ、そして旬の野菜をセットにした「おうちでローゼンタール」便には、島田さんが手書きでていねいに説明した、野菜の調理法が書かれたメモが添えられていました。

「仕事のスタイルは確かにガラリと変わったけれど、『おいしい』や『楽しい』をお届けするという、仕事の核となる部分は変わらないと思っています。むしろ新たに選択肢が増えたという感覚でしょうか? これからは、食べること、飲むことに加えて『作ること』の楽しさを伝えられたらいいなと思います」


以前は夜遅くまでお店に立っていましたが、朝型への仕事に変わったので、ステイホーム中は自然に早寝早起きに。

「仕事前にスイッチを入れるために、自己流でブレンドしたハーブティーを飲み、これまた自己流でピラティスをやっていました。体の調子はよかったですね」

島田さんがステイホームで得たものは、本当に大切なものは変わらない、という事実だったようです。

 

→Vol.4に続きます

『暮らしのおへそ Vol.30』より
text:一田憲子


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Profile

中臣美香

Mika Nakatomi

シャツブランド「ホーチュニアコダータ」デザイナー。カフェ&セレクトショップ「コロモチャヤ」を営む。https://www.coromo-cya-ya.com

 

島田由美子

Yumiko Shimada

東京・銀座で、ドイツワインと自家菜園野菜を使った料理を楽しめる「ワインセラーローゼンタール」を営む。http://winecellar-rosenthal.link

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