しっかり稼いで、穏やかに暮らす。勝間流おへそのつくり方 Vol.2

暮らしのおへそ
2021.03.09

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やってみたいことは
「グーグルキープ」に貼りつけておきます。
私は自分の意志をまったく信じていないので。
人って「やるといいな」じゃ絶対やらないんです。
「やらなきゃまずい!」と思わないとやりません。


勝間さんが、ガラリと習慣を変えようと決意するのは、いったいどんなときなのでしょうか?

「痩せたいとか、部屋を片づけたいとか、みんな思っていますよね。たまたま何か『きっかけ』があったとき、『じゃあ、やってみようか』となるんだと思います。習慣は『きっかけ』『ルーティン』『報酬』という3つの組み合わせからなると言われているんです。何らかの『きっかけ』を与えて、トライしてみたら、いいことが生まれる。それが繰り返されてグルグル回るようになっているんですよね。だから、習慣をつくるためには、なるべくたくさんの『きっかけ』を手に入れるのがおすすめです。私は、とにかくちょっとでもやってみたいなと思ったことは、『グーグルキープ』に貼りつけています。とりあえず書いておくことが大事」

そんな「きっかけ」から、実際に「アクション」を起こすために必要なことは何でしょう?

「人って『やるといいな』じゃ、絶対やらないんです。『やらなきゃまずい』って思わないとやりません。私は自分の意志なんて、まったく信じていないので(笑)。意志なんて、何の役にも立たないです。だから、手当たり次第、自分の予算と時間内でできることをやってみることですね。何が当たるかわからないので」

勝間さんの生活は、新型コロナウイルス感染症による自粛生活で、さらにブラッシュアップされました。実はその前年の19年11月には、数年間一緒に暮らしたパートナーから別離を言い渡されたばかり。

「たった一人で自宅に引きこもりながら、のんびりと暮らしている今が、人生で最も幸せを感じられています。パートナーがいて、自由に外出ができていた1年前と比べても、幸福度の水準はおそらく2倍から3倍です」(『自由もお金も手に入る! 勝間式超スローライフ』より)

コロナをきっかけに始まった新生活を、勝間さんは「ポジティブな引きこもり」と名づけ、「新しいスローライフ」を提案しています。それは、今までの「収入は低くてもいいからのんびりゆったりした田舎暮らしを」といった「スローライフ」とは違い、「現代生活のテクノロジーや利便性を駆使しながらも、忙しすぎる交感神経優位な外界から少し遠ざかり、ある程度資本をかけて装備された自宅を中心に、毎日を幸福度高く暮らす」(同著)という新しい「スローライフ」でした。

その上で最も大切なポイントは「心身ともに健康が維持できる余裕のある生活時間を差し引いた後で、適切な労働時間を割り出すこと」(同著)。

「1日24時間のうち、健全な心と体を維持できるだけの十分な睡眠時間と食事の時間、運動の時間、そして趣味の時間を天引きすると、働く時間は長くても6時間、できれば4時間ぐらいに抑える必要があることがわかります」(同著)と綴られています。

「穏やかな暮らしの基盤は、『短時間でしっかり稼ぐこと』」と語る勝間さん。最近取り入れたのが、音声入力による原稿執筆です。これで、今までの2~3倍のスピードで原稿が書けるようになり、残りの時間をゆったりと過ごせるようになったのだとか。

そんな働き方は、勝間さんだからこそと思いがち。でも、「重要なことは何かというと、自分の生産性を上げるような方法やツールは何かということを、日々貪欲に追求し続けるという姿勢です」と教えてくれました。

→Vol.3に続きます

photo:砂原 文 text:一田憲子

 


『暮らしのおへそ Vol.31』より
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Profile

勝間和代

Kazuyo Katsuma

経済評論家。監査業務を行う「アーサー・アンダーセン」、コンサルタント会社「マッキンゼー・アンド・カンパニー」、投資銀行「JPモルガン」などを経て独立。なりたい自分になるための教育プログラム「勝間塾」主宰。YouTubeチャンネルを開設、発信を続けている。
https://www.katsumaweb.com

 


『自由もお金も手に入る! 勝間式超スローライフ』(KADOKAWA)
労働時間を短く、自宅を世界一快適にして穏やかに暮らすには? アフターコロナの新幸福論。

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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