しっかり稼いで、穏やかに暮らす。勝間流おへそのつくり方 Vol.1

暮らしのおへそ
2021.03.08

仕事の時間を減らしてスケジュールをゆるゆるにすると、生産性がぐんとアップする。
一見相反することが、実は理にかなった、生きることの本質だった……。
勝間さんが危機の時代に見つけた新しいスローライフについて、教えていただきました。

習慣は、「きっかけ、ルーティン、報酬」
という3つの組み合わせからなっています。
「きっかけ」には、新しい道具や新しい知恵を
使うのがいいかなと思っています。
なるべくたくさんの「きっかけ」をつくるといいですね。


たくさんの本を出版し、テレビでもよく見かけていたけれど、勝間和代さんって、いったい何者? と思っている方も多いのでは?

その経歴は驚くほど多彩です。22歳から25歳までは公認会計士&ITのシステムコンサルタントとして働き、28歳までは外資系証券企業でトレーダーやリサーチャーを。28歳から34歳は経営コンサルタントを。34歳から37歳まで証券アナリストとして働いた後に独立しました。

その後は本を出版したり、経済評論をしたり、オンラインサロン「勝間塾」を運営したり……。

「楽しく収入アップするには3つの要素が必要なんです。①好きであること。②得意なこと。③儲かること。みんなこのうち2個ぐらい手に入れたらあきらめちゃう。『好きで得意であれば、儲からなくてもいい』とか、『そんなに好きじゃないけど、儲かるからいいか』とか。でも、私はちゃんと3つを探そうよって言い続けているんです。たとえば私の場合なら、証券アナリストやコンサルタントは、結構向いていたと思います。ただ、私自身が楽しくなかった。あれこれ意見を言っても、主役はクライアントで、やるかやらないかは相手次第。自分の力で何かが変わらないから、楽しくない。やっとこの3つが揃ったのが、今の仕事の仕方だと思っています。経済から料理やダイエットまで、自分が体験し、考え、知ったことを、YouTubeやメルマガ、書籍などで発信すること。私には会計・IT・経済・英語という4つの土壌があるので、その上に立って、今知ったこと、興味があることを統合し、少し易しい言葉に置き換えて、いろんな人に説明するのが、役割だと思っています」と教えてくれました。

まずは、「片づけ」の
おへそづくりから始まった

そんな勝間さんは「習慣」をつくることで人生を変えてきた方です。その大きな契機となったのが、2015年、ものにあふれていた〝汚部屋〟を片づけ、不要なものを徹底的に処分し、まさに人生を変える「片づけ」をしたことでした。きっかけは、親しい友人でもあった女優川島なお美さんの早すぎる死だったと言います。

「夫の鎧塚俊彦さんが『自宅になお美のものが残りすぎていてつらい。処分するのがとても大変だ』と語っていらっしゃったんです。それを聞いたとき、初めて死を現実のものとして受け止めました。そして『今の部屋のままでは死ねない。この状態で人を自分の家に入れることはできない』って思ったんです。だったら片づけなくちゃと強く思うようになりました」

一度腹落ちしたら、とことん本気で取り組むのが勝間さんのすごいところ。たった2週間で、家じゅうのものの「いる、いらない」をジャッジし、処分し、整理整とんし直して、きれいさっぱり片づけたというから驚きです。

この片づけによって得たのは、「自分にとって〝大切でないもの〟を手放す」といういたって単純なことでした。これはモノだけでなく、時間でも、人間関係でも、仕事でも同じ……。


自宅の片づけがおおむね終わった頃、勝間さんは大きな決断をします。それが19年2月を最後に、原則としてテレビ出演をやめたこと。テレビに出れば、出演料をもらえるし、講演料は跳ね上がり、広告の仕事が来る……とさまざまな報酬面での見返りがあります。でも、勝間さん自身がテレビをあまり見ないし、テレビに出ていることを楽しいと感じられない。これは「自分にとって大切なことではない」とジャッジし、手放したというわけです。

さらに片づけをきっかけに、自宅で調理をするようになりました。その際、鍋とフライパンを手放してしまった、というのが勝間さんらしさです。

調理をする上で大事なのは、時間や手間をかけることではなく、いい食材を使い、シンプルにおいしく食べること。そこで、シャープの「ウォーターオーブンヘルシオ」や電気調理無水鍋「ヘルシオ ホットクック」を使って「超ロジカル」に日々の料理をするように。「ヘルシオ」で網焼きにした鶏肉を野菜の上にのせたチキンサラダから、シフォンケーキやアイスクリームまで。その食卓の豊かなこと! ちなみに、サラダにふりかける塩は全体量の0.6%、魚にかけるしょうゆは3.5%と、「おいしさの正解」もあくまでロジカルです。


→Vol.2に続きます

photo:砂原 文 text:一田憲子

 


『暮らしのおへそ Vol.31』より
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Profile

勝間和代

Kazuyo Katsuma

経済評論家。監査業務を行う「アーサー・アンダーセン」、コンサルタント会社「マッキンゼー・アンド・カンパニー」、投資銀行「JPモルガン」などを経て独立。なりたい自分になるための教育プログラム「勝間塾」主宰。YouTubeチャンネルを開設、発信を続けている。
https://www.katsumaweb.com

 


『自由もお金も手に入る! 勝間式超スローライフ』(KADOKAWA)
労働時間を短く、自宅を世界一快適にして穏やかに暮らすには? アフターコロナの新幸福論。

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