海外の家事事情 Vol.1【アメリカ・ポートランド編①】

『家事のしくみを、整える』
2021.07.26

海外ではどう家事に向き合っているのでしょう? 違いを知れば、「今」を別の目で見ることができるかもしれません。



分け合う、助け合う。
自然と地域とつながって

都市でありながら大自然が身近で、小規模農業が盛んなアメリカ西海岸のオレゴン州ポートランド。人々は地産地消や環境への意識も高く、そんな志が家事への向き合い方にも随所に表れています。

たとえば、地元の農家などから生産物を直接大量購入し、近所の有志でシェアするバイイングクラブ。また、家事を一軒の家庭で抱え込むのではなく、お互いの得意分野で助け合う〝物技交換〞するなど。

コミュニティ内でうまくサポートし合いながら、日々の家事を通して暮らしと自然、両方の質を向上させているのです。

みんなで買って分ける
バイイングクラブ

地元の生産者や自然食品の卸売業者から直接大量購入し、注文を分割することで、個人や家族が有機食品などを、小売店で購入するよりもずっと手頃な価格で購入することができるバイイングクラブ。あらゆる所得層の人が健康的な食にアクセスできるようになると同時に、各自で容器を持参するので、ゴミの減少にも貢献します。


保存が利く調味料や乾物、粉類、油などをはじめ、エリアによっては、放牧牛や卵など、持続可能な農法を行う小規模生産者のものも扱い、直接、サポートする仕組みも整う。

 

ご近所さんと
ワークトレードを

それぞれの得意な家事で助け合うワークトレードという発想は、誰もが家事を満遍なくできなくてはいけない、という思いからも解放してくれます。金銭を介さないので、より近隣同士のつながりや信頼関係が深まるという利点も。また大掃除などの人手が必要なときは、〝ワークパーティ〞と称して、家事を〝みんなで楽しむ〞のも日常的です。


ガーデニングが得意なおじさんと、健康に気遣ったグルテン&シュガーフリーのヴィーガン料理のレッスンをトレードしている一例。苦手なことを克服するより、得意なことをさらに深めるのはアメリカらしい考え方。

→アメリカ・ポートランド編②に続きます

photo&text:瀬高早紀子

 


『家事のしくみを、整える』より
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