「誰のため?」を忘れない ― 麻生要一郎さん Vol.4

『家事のしくみを、整える』
2021.11.04

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母親が亡くなる少し前
あんなに好きだったパンとコーヒーが
喉を通らなくなりました。
毎日ご飯を食べるのは当たり前。
でも、それができなくなる日がやってくる……。
だから、今は、毎日「これが最後の食事でもいい」
と思えるように作っているかな。


一緒に暮らすパートナーの帰宅時間に合わせ、1時間ほどかけて夕飯の準備を。冷たいものは冷たく、熱いものは熱く出せるよう段取りをしっかり考える。「今日もお疲れ様でした」と食べはじめる夕餉のひとときを何より大事にしているそう。


家事の工夫と聞くと、手間を省き、効率よく……と考えがちです。でも、麻生さんが教えてくれたのは、「一緒に食べる人を思いながら作る」という、至極まっとうなのに、つい忘れてしまいがちなことでした。生きていれば、いろんなことが起こるけれど、毎日「今日もお疲れ様!」とご飯を食べられればいい。そんな小さな幸せを思い出すことが、日々のご飯作りの力となります。


仕事がたてこんでいるときなどは、料理を始める前に、A4の紙にざっと作業の流れを書き出しておくと安心。

 

photo:馬場わかな text:一田憲子

 


『家事のしくみを、整える』より
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Profile

麻生要一郎

Yoichiro Aso

茨城県出身。実家の建設業、知人のカフェの手伝い、宿の運営を経て、現在は養子縁組をした姉妹の介護をしながら、お弁当のケータリングをする。
Instagram@yoichiro_aso

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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