「誰のため?」を忘れない ― 麻生要一郎さん Vol.3

『家事のしくみを、整える』
2021.11.03

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刺身とグラタンが
一緒に食卓に並んだってOK。
だって、家のご飯だから。


この日の献立は、じゃがいものグラタン、マダイの昆布締め、菜の花のごまあえ、鶏の唐揚げ、きゅうりのぬか漬け、ご飯とみそ汁。夕食はいつも5~6品のおかずを作る。和食と洋食が交ざり合ってこそ、家庭の食卓。ふたりが大好きなものばかりが並ぶ、おいしい時間が生まれる。


そんななか、若くして両親を亡くしたそう。

「母はがんが進行し、最期はほとんど食べ物が喉を通らない状態で……。人の体は、大好きな食べ物でさえ入らなくなることがあるんだ、と思い知りました。だから僕は今『これが最後の食事かもしれない』という思いで作っている気がします」

段取りをきっちり考え、毎日夕飯の1時間ほど前からキッチンに立ちます。最初にだしをひき、葉野菜はゆでて冷蔵庫で冷やしておき、魚や肉は塩をして、常温に戻して……。すべては「おいしく食べる」ため。

→Vol.4に続きます

photo:馬場わかな text:一田憲子

 


『家事のしくみを、整える』より
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Profile

麻生要一郎

Yoichiro Aso

茨城県出身。実家の建設業、知人のカフェの手伝い、宿の運営を経て、現在は養子縁組をした姉妹の介護をしながら、お弁当のケータリングをする。
Instagram@yoichiro_aso

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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