私たちが大切にしている、‟お包みする”ということ
~「berkarte」より vol.10 ~
今日は品物というより、‟お包みすること”のお話です。
大切な誰かを想う気持ちや、感謝の思いを形にする、‟贈り物”。「berkarte」のテーマでもあります。記念日、お礼、時には何でもない些細なサプライズの品であったり。何にしようかと選ぶときは、普段よりも多く相手の顔を思い浮かべて、思いやりに溢れる素敵な時間が生まれます。
「berkarte」では、そんな品々をお包みする時間を沢山いただきます。
思いが詰まった品物が、何倍にも素敵になるように。
後に思い返しても思い出になるような、開ける前からワクワクする瞬間になるように。
より特別な贈り物の形になるよう、思いを込めて作業をしています。
お包みするとき、「berkarte」で主に使用するのは越前和紙とドライフラワー。和紙の独特な風合いと、季節に合わせた植物で、ひとつの形を作ります。
越前には、‟今立”という清らかな水が流れる和紙の里があります。
越前和紙は、1500年という長い歴史を持ち、雪深い山あいの小さな町で、手漉きや機械漉きの職人たちが素敵な紙の品物を作り続けています。その丈夫さや素材の特質、種類の多さから、国内外の現代美術や建築デザインをはじめ、衣類の分野にまで使用されているそうです。
私の友人も、この地に多く住んでいて、紙の仕事に多方携わっています。以前、紙漉きの現場を訪れたことがありました。1875年創業、「滝製紙所」。手漉きと機械漉き、共に行っている貴重な場所です。友人の “瀧英晃” は、今では少なくなった、手漉き職人の一人。機械漉きとはまた違う独特の風合いと、伝統を守り続けています。
コウゾ、ミツマタ、ガンピなどから採れる白皮、それからトロアオイという植物が産む、ネリという粘土のある液、これらを混ぜて出来るのが原料。紙漉きの際、ここで生まれる適度な粘り気が、ゆっくりと繊維を絡めて、美しい紙を仕上げるそうです。
この日はちょうど襖等に使用される大きなものを手がける日。紙ができていく工程は、息をのむほど美しく、2つと同じものができない逸品へと仕上がっていきます。
落水、しぶき、飛び色等の技法を経て出来た和紙は、もはやアートの域。光に透かすとその素敵さがよくわかります。
今、私たちがお包みに使用しているのは機械漉きの紙。あえて和紙の裏の粗面を利用して形を作っています。手漉きの紙はこれから、お手紙にと考えています。
こうした、‟包むこと”を大切に思っているその原点には、私がまだ学生の頃、ラッピングされた贈り物をしたことで得た感動があります。素敵に施されたラッピングがただただ純粋に嬉しくて、そして贈った相手がとびきりの笑顔になった事がとても印象的でした。
そして今は、私たちスタッフが皆様に少しでも多くの感動をお渡しできるように、ひとつひとつ丁寧に取り組んでいきます……!
「ありがとう」
という形のないプレゼントがたくさん増えるように。これまでも、これからもずっと、お手伝いしていきたいと思います。
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