アクセサリーデザイナー・星芽生さん(前編)~大人の品格と自分らしさを添えて

”つくる人”を訪ねて
2016.11.16

雑貨からおいしいものまで、衣食住にまつわるさまざまな“つくる人”を訪ねるマンスリー連載。今回は冠婚葬祭をテーマにしたアクセサリーブランド「shuo’(シュオ)」のデザイナー、星芽生さんのお話を伺いました。

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Photo:有賀 傑 text:田中のり子

 

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アクセサリーデザイナー・星芽生さんが、友人のライター・吉田直子さんとともに手掛けている「シュオ」は、冠婚葬祭で使う小物のブランド。結婚式やパーティ、入園入学、卒園卒業など、人生の節目となる行事で身につける“ハレの日”のアクセサリーとともに、宗派を問わずに使える略式の数珠や袱紗、礼服やバッグなど、お葬式や仏事のための小物も扱っています。

 

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「このブランドを手掛けたことで、特にお悔やみの場面でのアイテムについてなんですが、まわりの友人から『人生の悩みのひとつが減った』とよく言われるんです。私自身も、30歳を過ぎたあたりから、大切な人をお見送りする機会が増え『こういう場でも自分らしく、それでいて大人として恥ずかしくないものを身につけたい』と強く思うようになりました。どうやらみなさん同じような考えをお持ちだったようで『シュオを始めてくれて、本当にありがとう!』と感謝されることが多かったです」

 

悲しみの場は、突然に訪れるもの。気に入ったデザインの数珠や袱紗は、慌てて揃えることはできないので、平時のときに大人の心掛けとして備えておきたいものです。その一方でハレの日用のアクセサリー類は、華やかすぎず普段の暮らしの中でも取り入れられるデザインがほとんど。星さんも日々の生活の中で、気負いなく身に着けているそうです。

 

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紺のニット×ベージュのスカートというヨーロッパの古着同士だというコーディネートに、赤珊瑚をていねいに編み込んだネックレスを合わせて。ウエストマークした赤のベルトとリンクさせて、小粒ながらも存在感が際立ちます。「珊瑚にはそれぞれカットが入っているので、角度を変えるたびにキラッと光ります。何気ない工夫ですが、そこが大人っぽく見えるポイントなんですよ」

 

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アクセサリーのデザインは、古いコスチュームジュエリーやアンティークジュエリーの本からインスパイアされることが多いという星さん。プライベートで着る服も、ヨーロッパやアメリカの古着がほとんど。ピンクのブラウスにニットガウン、フェルトの帽子という少しクラシックな装いには、アコヤパールのネックレスを。冠婚葬祭に幅広く使えそうなデザインではありますが、星さんは普段着にも積極的に活用しているそうです。

 

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「ほぼこれが、私の定番の組み合わせです」という星さんの手元コーディネート。左手には、小指に存在感のあるマットなシルバーのリングを。右手には、涼しげなムーンストーンのブレスレット、薬指にきゃしゃな18金のリング、小指には小粒パールが3つ並んだピンキーリングを重ねて。

 

「シュオ」のアクセサリーは、その人のキャラクターやワードローブに寄り添い、重ねづけや組み合わせによっていろんな表情が生まれ、トータルなスタイルの中で輝きを放ちます。ちゃんと存在感があるのに、それが単独で目立ちすぎることはありません。

 

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こちらは料理家・渡辺有子さんとのコラボ―レーションアイテム。「料理や家事をされる女性の生活に、ささやかな輝きを」というコンセプトでデザインされたもの。マリッジリングとの重ねづけや、ピンキーリングとしても素敵です。

 

お母さまがジュエリーデザインのお仕事をしていることもあり、昔からアクセサリー作りの現場は自然と目にしていたという星さん。グラフィックデザインを専攻していた美大時代、文化祭で友人たちと一緒に、ナンバリングを施した指輪を100人に向けて100本販売するというイベントを開催しました。それが星さんにとっての、初めてのアクセサリー制作経験だったといいます。

 

“つくる人”を訪ねて アクセサリーデザイナー・星芽生さん~大人の品格と自分らしさを添えて 後編につづきます→

 

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Profile

星芽生(ほし・めおみ)

東京生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業後、2004年に「pommier(ポミエ)」を設立。ブライダルリングやジュエリーコレクションを展開。2011年よりディレクターの吉田直子さんとともに「shuo’(シュオ)」をスタート。http://shuo.jpn.com/

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