【香菜子さん連載】vol.41 大人の学び・絵を描くということ【前編】

香菜子さんの、日々にピタリなもの
2022.06.27


雨続きの毎日ですが、皆さまいかがお過ごしですか~? 香菜子さんと一緒にお届けしている連載「日々にピタリなもの」、今回のテーマは、香菜子さんが最近「自分にとって、すごく大事なこと」だと感じているという「絵を描くこと」です。


イラストレーターとしても活躍中で、学生の頃は美大で陶芸を学んでいた香菜子さん。リビングにはいつも、シンプルなのにアートを感じさせるものがさりげなく置かれています(ちなみにこちらは、自身がディレクションするプロダクトブランド「HOTEL VILHELMS」のキャンドルスタンドの試作品)。そんな香菜子さんが最近、改めて「絵」に向き合っているというので、詳しくお話を聞かせていただきました。



「月に2回ほど、アートスクールに通い始めたんです。そこは絵画だけでなく、陶芸や金継ぎなどいろいろな教室があって、生徒たちがみんなそれぞれ自分自身のために好きなことをしに来ている雰囲気が、すごくいいなあと思って。今考えると、美大時代は課題を仕上げることに精一杯で、楽しむ余裕なんてなかったかも。大人になってやっと、ウキウキして向き合えるようになった気がします」
と、嬉しそうに作品を見せてくれた香菜子さん。大人の学び、気になります~。その面白さ、もっと詳しく教えてください!



「先生との相性も大事だと思います。いま教えてもらっている先生は、テーマや課題を用意したりせずに、毎回『今日は何がやりたい?』って聞いてくれるんです。周りの人は石膏像などを描いている中で、『“石”が描きたいです』って言ったら、『それいいね!』ってすごく面白がってくれて。幼い頃は、人とちょっと違うことをすると『変わった子だね』と言われることが多かったのですが、この先生は褒めてくれるんだ!って。大人になると、人から褒められることも少なくなるから、余計嬉しいのかも(笑)」



先生も、石をこんなにおしゃれに描いちゃう生徒がいるなんて、びっくりだったでしょうねー。

「でも同時に、選ぶモチーフが無限大にあることの難しさにも直面しています。陶芸だと、作ることのできる形や色、大きさがある程度決まっているので、その中でどう個性を出すかという感じだったのですが、絵はまったくの自由! 何をどう描くかで、私の思考とかセンスとか好みとかをダイレクトにさらけ出しているようで、ちょっと恥ずかしい気もしています(笑)」

ちなみに、この石の作品は油絵のように表面がデコボコしていていますが、どうやって描いているのでしょう?



「これはアクリル画なんです。塗り重ねても水彩画っぽく仕上げられるのがいいなと思って選びました。ジェッソという白い下地材を練ってキャンバスに塗ってから、アクリル絵の具で色を重ねていく感じです。アクリル画が面白いのは、何度でもやり直しがきくところ。変えたいところがあれば上から塗り重ねて消したり、あとから描き足したり。自由度が高いのがとても新鮮で」

 


最近の香菜子さんの作品は、線画が多いですものね。

「そうなんです。線画はある意味、一発勝負というか、勢いのようなものが大事。学生時代に作っていた陶芸作品も同じで、途中少しでも失敗したら修正がきかない。でも、このアクリル画は、あれこれじっくり考えながら描けるので、想像がどんどん膨らんでいくのが楽しくて。線画や陶芸とはまったく違う集中力を使っているような感じですね」

 


香菜子さんの創作意欲、どんどん高まっているようですね~。【後編】では、また別の作品を見せていただきますよ。「大人の学び」の醍醐味もたっぷりと。お楽しみに!

 

→その他の香菜子さんの記事はこちらから

Profile

香菜子

Kanako

モデル、イラストレーターとして活躍する傍ら、ホテル備品をイメージしたプロダクトブランド「ホテルヴィルヘルムス」を主宰。パンツしかはいていない謎のキャラクター「おぱんつ君」の生みの親。
Instagram「@kanako.lotaproduct」「@opantsukun_lota

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

ページトップ