「暮らしの生活必需店」を目指して

～「soup. 」「soup. Life Store」より　vol.31～

８月の一ヶ月間、お付き合い頂き誠にありがとうございます。
最終回となります今回は、松本が担当させて頂きます。

これまで毎日取り上げさせて頂いたモノやコト。
主に家具や日用品など、暮らしにまつわるモノがほとんどではありますが、私たちが運営するショップでお取り扱いさせて頂くほんの一部に過ぎません。
世の中には本当にたくさんのモノで溢れ、何を選ぶにも選択肢があり過ぎる時代です。
私たちのフィルターを通したセレクトが、モノを選ぶ一つのキッカケにでもなれば嬉しく思います。

これまで私たちは様々な場所に赴き、時にはつくり手の工房や家具の工場まで伺い、自分たちの目でたくさんのモノを見てきました。自分たちが良いと思ったモノを通して、暮らしをより豊かに心地よく感じて頂きたく紹介をし続けています。

単にモノを紹介したり販売をするだけではネットショップでも可能ですので、実店舗だからこそ出来る事の一つとして、人と人とが実際に対面するワークショップなどを開催し、つくり手や講師の方に学びながらものづくりの体験をする。すると、つくり手とのコミュニケーションから、モノに対する愛着や意識までも変わってきます。

私たちの役割は、つくり手とつかい手であるお客様を結ぶ「つなぎ手」であり、つくり手の想いをつかい手へ伝えることでもあります。そして、地域のお客様の暮らしに必要とされるお店であり続けること。
その地域に無くてはならない「暮らしの生活必需店」になりたいと思っています。
家具やインテリアを選ぶ時、暮らしのアイテムが必要になった時、気軽に安心して相談できる存在でありたい。
また、暮らしについての悩みや相談事があれば、地域のコミュニティーを生かして、解決のためのお手伝いがしたい。
生きた情報を共有し、暮らしに役立つ情報の交流の場としたい。
お店を通じて新しいモノやコトに出会い、新たな価値観や世界観を感じてほしい。
「暮らしの生活必需店」という存在になるまでには、まだまだ出来ることはたくさんあると感じています。

創業当時の店舗。

15坪の店内に、自分の「好き」を詰め込んでsoup.をスタートしました。

私がsoup.を始めたきっかけは、とにかく自分の好きな家具やインテリアを発信して、誰かに共感してほしい、必ず暮らしにこまやかな幸せを届けられると感じたから。自分の考えや思いを表現する場として、小さくても箱(うつわ)が必要で、そのことがお店を開くということに至ったのです。

お店のsoup.(スープ)という名前も、お店で取り扱うものが家具や雑貨・日用品だったので、身近で日常的に使用する言葉から選びたいと思っていました。
なぜスープ？とスープの店名の由来を聞かれることがありますが、それはお店を「うつわ(ボウル)」に見立て、その中にセレクトした家具や雑貨を「具材」とし、具材が良く見えるように陳列という「調理・味付け」をし、完成された温もりのあるスープとしてお客様へ提供しようという想いから、「soup.(スープ)」と名付けました。
この言葉を店名とすることになり、お店の役割、目的がより明確になったことを今でも覚えています。

20年ほど経った今でも根本的なことはさほど変わりはありませんが、取り巻く環境や責任、規模感など大きく変わったことも沢山あります。
暮らしにこだわりのものや好きなものを取り入れることで、暮らしは豊かになり、生活文化は向上します。
大袈裟ではありますが、お店が街を作り、文化を作り、街の魅力を作っていきます。
ただの一人の家具好きが始めた小さなお店をこの街が受け入れてくれて、お客様やお取引様、スタッフなど関わって頂いた皆様に育てて頂きました。

私たちはモノを販売していますが、作るのも使うのも人。結局、最後は人に行き着きますが、モノの魅力を伝える私たちの仕事は、非常に難しくもやりがいのある仕事だと感じています。
この人から、この店から購入したいと思って頂けるように。そして、このお店が暮らしに必要不可欠な存在となれるように。

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