旅館の朝ごはんのような、和の朝ごはん

器店主の朝ごはん
2017.03.05

~「宙SORA」吉田美穂子さん vol.1~

はじめまして。「宙SORA」という器店を営んでおります、吉田美穂子と申します。「ある日の朝ごはん」の連載に声をかけていただきまして、3月分を担当させていただくことになりました。

ブログ「うつわツレヅレ」は長いこと続けているのですが、単品のお惣菜の写真を載せることはあっても、まるまる朝ごはんなどの食事の風景を紹介したことはないので、緊張していますがどうぞよろしくお願いします。

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さて、わが家の朝ごはんは、旅館での朝ごはんのようなザ・和食という感じが多いです。ごはんは、土鍋でぴかぴかの白いごはん! といいたいところですが、オットがメタボで糖質の量を気にしていることから、最近は白米にもち麦を混ぜています。もち麦が入っても土鍋で炊けますよ。私はいつも3合炊き、余った分は冷凍しています。

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3合で、炊き上がりまでの時間は約30分。私は就寝前に、ボウルに入れて浸水させておきます。そして朝、点火後1分は土鍋を温める意味で弱火。それから中強火にすると10分ぐらいしてから蓋の穴から湯気が出てきます。そうしたら弱火にして10分。火を消して蒸らし10分、と約30分で炊くことができます。炊き具合はお好みがあると思うので、時間や火の強さは何度か炊いてみて調整してくださいね。

炊飯土鍋は小山義則さん作の3合炊きのもの。ざっくりした雰囲気と丸っこい蓋がかっこ可愛くて気に入っています。二重蓋というのも、うまく圧力がかかるようで、美味しく炊けますよ。

ただわが家では、ごはんが美味しく炊けても、毎朝いただくのはお茶碗に軽~く一杯まで。糖質の量を気にしている夫に合わせて、私も少なめにしているのです。その分、お腹もちが良いように、野菜とたんぱく質多めに、というのを心がけています。
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林健二さんの八角皿には、焼鮭やあじの干物などお魚料理に重宝しています。

原朋子さんの染付のお皿には、“江戸厚焼き玉子”。これは近茶流の師範免状をもつ友人の料理教室で習ったものです。長方形の卵焼き器で、卵5個(!)にダシもたっぷり入れて作ります。いつも卵3個で作っていた私としては、「ちゃんと巻けるの??」と半信半疑でしたが、何回か作るとコツがつかめてきました。最近ではこの卵5個で作るのが定番になりましたが、やはりオットのメタボが気になるので、一度に二人で食べきることはしません(笑)。

平野寅和さんの黒緑釉の平小鉢には、作り置きのものなどをよく盛ります。今日は大根のナムル。炒め煮しているので、作り立てよりも味がしみて美味しいのですよ。

清水なお子さんの染付の小鉢には、青菜の和え物など。林健二さんの楕円の小皿には、ぬか漬けなどのお漬物(これは二人分の量です)。ちょっと変形の器が入ると食卓に動きがでますね。

お箸置は上泉秀人さんで、お箸は加藤那美子さん。軽くてすべりにくく、国産漆100%というのも嬉しいです。

汁椀は杉田明彦さん。使い込んだ感じの仕上げが独特でかっこいいです。いくつか汁椀を使い分けていますが、杉田さんの汁椀はすっとした形で、背筋が伸びる気がします。

飯碗はいくつか使い分けていますが、最近は蜂谷隆之さんの漆の飯椀を頻繁に使うよ
うになりました。軽いですし、手に持った時のなめらかな肌触りが心地良く気に入っています。そして飯碗は、形も実は重要! すっとした形で浅めのものだと、ごはんの量が少なくても、あまりそうと感じさせないのです。その意味でも、この蜂谷さんの飯椀の形は優秀です。

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蜂谷さんの漆の飯椀(中央上)だけでなく、内田鋼一さんの白磁しのぎ飯碗(右上)も、少な目ごはんに心強い味方です。とはいえ、ふっくらとした形も好きなので、左上から反時計回りに、白磁しのぎとは全く雰囲気が違う内田鋼一さんのオレンジの飯碗、田辺京子さんの九谷、菊地勝さんの器なども使います。

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そして食事の後、一旦テーブルを片付けてから、コーヒーとヨーグルトを。最近カフェインの摂取量に気をつけているので、ノンカフェインのデカフェです。ヨーグルトには、チアシードとメープルシロップ。そして今日はドライのブルーベリー。

両方とも上泉秀人さんの器です。渋さと清潔感が同居するその雰囲気が大好きです。そばちょこにヨーグルト、というのはちょうど良いサイズですし持ちやすいので、よく使います。

上泉秀人さんの器は常設ではめったに入荷しないのですが、6月10日(土)〜18日(日)(13日火曜と14日水曜は休みです)に「宙」で個展を開いていただきますので、楽しみにしていてくださいね。
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こちらは、今日使った器たち。こんな感じで、白、染付、黒という組み合わせが気に入っています。白い磁器は爽やかな朝にぴったり。そこに黒で落ち着きを加えるというのがしっくりとくるのです。

食べた後は、食洗機で器を洗ってもらっているうちに支度して、店に向かいます。作家ものの器は食洗機に入れてはいけないのでは……と思われるかもしれません。私もお店では一応、出し入れ時にチップしやすいので、食洗機は避けたほうがいいとお伝えしていますが、実はここだけの話、ほぼ大丈夫と思われます。金銀彩や色絵、赤絵が施されたもの、耐熱ではないガラス、木製品は避けてくださいね。忙しい現代人には、食洗器は力強い味方。上手に付き合っていけたらといいなと思います。

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宙 SORA

毎日を楽しく、幸せにしてくれるお気に入りの器が見つかる器店。連載「ある日の朝ごはん」執筆は、店主の吉田美穂子さん。

東京都目黒区碑文谷5-5-6
TEL:03-3791-4334
営業時間:11:00~18:00
定休日:火曜、水曜(その他、夏期冬期休業あり)
http://tosora.jp
http://tosora.shop-pro.jp

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