暮らしの中で“縁”を繋ぐというコンセプトから完成した【マルニ木工】EN Vol.2
※Come home! webに掲載された記事を転載しています
「日本の住文化を高めたい」そんな思いで創業したマルニ木工は2023年で95周年。
創業以来変わらず木製家具にこだわり、「工芸の工業化」をモットーに、職人の手仕事と機械加工のバランスを追求した家具を皆さまに提案しています。
「令和の家具事典」ではマルニ木工のこと、そして私たちが作る家具のことなどをお届けしていきたいと思います。
少しでも皆さまの暮らしのお役に立てますように。
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#29
縁をつなぐ形 EN Vol.2 ~keep me in the loop~
前回はENの製作背景をお伝えしました。今回はデザインをひも解きながら、ENという商品をご紹介いたします。
keep me in the loop
デザインの提案時には EN という名前はついていませんでしたが、シリーズ名が決まった後に出来上がってきたデザインを分解していくと、円とループで出来上がっていることはとても興味深いポイントの一つです。
ループは直訳すると「輪」という意味ですが、英語の慣用句に「keep me in the loop」というものがあります。意味としてはそのまま、「輪の中に入れておいてね」。EN には円やご縁という意味が含まれています。“繋がり”です。意図していたかどうかは分かりませんが、ENはデザイン段階から繋がりをとても大切にしていたといえるのではないでしょうか。
ENで見られる3つの基本型
ENは主な構成要素として単純な3つの形から出来上がっています。
線にするととても単純な円、半円、そしてループ、ENと3つのベーシックな形の関係性は、製品に重ね合わせてみると一目瞭然です。
色はデザインの一部
「ほんの少しの微妙なトーンでも何かを表現し、特定の雰囲気を作り出すことができます。これが私がここでやろうとしたことです。」とセシリエ・マンツは言いました。今までのカラーパレットにほんの少し異なる色彩を加えて、異なる張地の色が合わさったときにもうまく作用するよう考慮されています。
水平さを保つ工夫
天板は天板下側にゆるやかな曲面を取り天板を薄くすっきりと見せ、水平さを際立たせる工夫を施しています。また椅子の背もたれも水平なラインが保たれています。そうすると背中の当たり方が座り心地に影響しそうですが、3次元に木材を削り出す工夫で、背中にあたる部分は柔らかな曲面に仕上げています。背もたれの上下は水平なラインを保ちつつ実際に座ってみると背中にフィットする仕組みという玄人好みのポイントです。
EN シリーズの未来
スッキリとしたデザインの EN ですが、かなりの玄人好みのモノづくりだと思います。
一見して良いデザインというよりは、じっくり観察することで段々とその良さがにじみ出て来るように思います。
シンプルなデザインの中に込められた想いと製造の創意工夫が詰まったシリーズです。
日常に色を加え、またそれぞれの輪郭が柔らかに溶け込み、時とともにソフトに変化していく家具「EN」。前回の投稿でもお伝えした通り、テーブルを囲み中心を眺め語らい新しい創造が出来る。使う人たちを一つのループの中に囲い円を繋いでいく、そんなコンセプトの「EN」です。皆さまの暮らしの中で少しでも「縁」を繋ぐ役割ができますように。
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