かっちりした箱型の外見とソフトな座り心地を併せ持つ【天童木工】Hacoシリーズ
※Come home! webに掲載された記事を転載しています
#17
Hacoシリーズ
各国の来賓を迎える箱型のおもてなし
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日本初の国際会議場として1966年に完成した“国立京都国際会館”。日本のモダニズム建築界を代表する丹下健三氏に師事し、自身もまた多くのモダニズム建築を残した大谷幸夫氏によって設計されました。かつて京都議定書が採択された場所と言うとピンとくる人も居るでしょうか。会議場、展示施設、宴会場、宿泊施設からなる国際コンベンションホールとしてつくられ、それらをつなぐロビー空間のために特注でデザインされたのが、今回紹介するイージーチェア・ソファ、通称「Haco」です。
京都国際会館竣工当時のロビーの様子
剣持勇と国立京都国際会館と天童木工
「Haco」シリーズは、日本のデザイン界を牽引し、ジャパニーズモダンを提唱した剣持勇氏によってデザインされました。
国立京都国際会館を舞台に、剣持氏は家具だけでなく、絨毯や照明、調度品、装飾品に至るまで、インテリアのほぼ全てを監修し、世界中の来賓を迎える空間をつくりあげました。
木製家具においては、そのほとんどの製作を天童木工が担当しています。この「Haco」以外にも会議場や宿泊施設などで多くの家具が納められています。
家具以外の仕事も手掛けています。会館の2階に設置されている美術家の篠田桃紅氏による巨大な木製レリーフ作品『展開』。これも当社が制作を担当しました。
特注品から、身近な空間へ
一体成形による箱型のウッドフレームで、クッションを包み込むように構成された特徴的なデザインは建築空間に合わせて考案されました。
コンクリートが多用されたモダニズム建築の硬質な空間に合わせた外側に対し、座った際に人体が触れる内側には柔らかいクッションを配するという意図で、建築と利用者いずれにも配慮したものとなっています。
後に長時間座ることを考慮した、やや固めのクッションに変更して規格品化され、現在まで販売が続くロングセラーとなるのですが、特に官公庁や企業の執務室、応接室の多くで採用いただいています。応接室の適度な緊張感の中、箱型のユニークなフォルムが程よく馴染んだのかもしれません。
現在ではその座り心地から、一般家庭のソファとしても選ばれるようになりました。
ディテールに注目、シンプルで機能的なテーブル
イージーチェア・ソファに合わせてテーブルもラインナップしています。チェアの意匠を踏襲した箱型で、天板と脚が一体成形でつくられているシンプルなデザインです。
天板の縁には「水返し」という繊細な隆起形状が施され、飲み物をこぼした時に床にこぼれ落ちるのを防ぎます。
Hacoシリーズは、国際会議場のために作られた日本流のおもてなしから生まれた家具です。やわらかなクッションを携えながら、75センチという箱型の成形枠によって、外側から見える姿はきちっとした姿が保たれています。空間の雰囲気を崩すこともなく、それでいて存在感も感じられるHacoは、剣持勇氏のデザインの中でも傑作のひとつと言えるでしょう。
Haco イージーチェア(ローズウッド):S-7008RW-ST
https://shop.tendo-mokko.co.jp/shopdetail/000000000345/
サイズ:W750 D750 H650 SH410 (mm)
Haco テーブル(ローズウッド):S-6002RW-ST
https://shop.tendo-mokko.co.jp/shopdetail/000000000317/
サイズ:W1200 D600 H450 (mm)
Haco サイドテーブル(ローズウッド):S-6003RW-ST
https://shop.tendo-mokko.co.jp/shopdetail/000000000319/
サイズ:W600 D600 H450 (mm)
Haco イージーチェア(ナラ):T-7008NA-ST
https://shop.tendo-mokko.co.jp/shopdetail/000000000346/
サイズ:W750 D750 H650 SH410 (mm)
Haco ソファ(ナラ):T-7009NA-ST
https://shop.tendo-mokko.co.jp/shopdetail/000000000347/
サイズ:W1830 D750 H650 SH410 (mm)
Haco テーブル(ナラ):T-6002NA-ST
https://shop.tendo-mokko.co.jp/shopdetail/000000000318/
サイズ:W1200 D600 H450 (mm)
Haco サイドテーブル(ナラ):T-6003NA-ST
https://shop.tendo-mokko.co.jp/shopdetail/000000000320/
サイズ:W600 D600 H450 (mm)
■剣持 勇
1912年 東京生まれ。
1932年 東京高等工芸学校木材工芸科を卒業後、商工省の工芸指導所に入所。翌年、来日したドイツ人の建築家ブルーノ・タウト氏のもとで椅子などの「規範原型」の研究を行う。
1952年 渡辺力氏や柳 宗理氏らと共に、日本インダストリアルデザイナー協会の設立に協力。
1955年 剣持デザイン研究所を設立する。
日本を代表する建築家、丹下健三氏とのコラボレーションも多く、柏戸イスの熱海ガーデンホテルや1964年天童木工が観客席を制作した国立代々木競技場の貴賓室もこのコンビによるもの。
1940年に山形県天童市で創業。無垢材よりも強く、軽く自由な形に成形できる「成形合板」を日本でいち早く実用化し、デザイナーや建築家といったクリエイター達との協同によって多くの名作と呼ばれるロングセラー家具を生み出してきました。その実績は一般家庭から、企業の上級エリア、中央官庁まで多岐にわたります。熟練の職人技と豊かなデザインは確かな品質と快適な暮らしをお届けいたします。
天童木工ホームページ
https://www.tendo-mokko.co.jp/
天童木工公式オンラインストア
https://shop.tendo-mokko.co.jp/
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