忙しい人の家事も心もサポートする「第二のお母さん」に弟子入り【前編】

後藤由紀子さん 専門家の力をお借りします
2024.03.26

沼津の雑貨店「hal」店主・後藤由紀子さんが、その道のプロに教わりながら、大人の知恵やワザを身につけアップデートしていく連載企画。今回は、「第二のお母さんのように、家事や暮らしをやさしくサポートしてくれる!」と評判の、ご家庭支援サービス「東京かあさん」の看板お母さんに一日弟子入りしちゃいます!

 



実はこの企画、後藤さんが熱望して実現したもの。「テレビで紹介されていたのを見て、私がやりたいことはこれだ! ってピンときたんです。それですぐにインスタグラムをフォローして、静岡県にもありますか? って問い合わせちゃいました」


忙しい後藤さんですから、ご家庭サポート受けたくなりますよね……。「いえいえ、私がしたいのはサポートを受ける側じゃなくて、『お母さん』のほうですよ」

えー!? 後藤さんが、家に来て家事や育児サポートをしてくれるということですか? 贅沢(笑)。「東京かあさん」にそのことを伝えると、「残念ながら、まだ静岡県ではサービスを展開していないのですが、後藤さんに興味を持っていただいてとても嬉しいです。せっかくですから、一日『お母さん』体験してみませんか?」とお誘いいただいたのでした。

ちょうど先輩の「お母さん」が、都内在住のAさん宅でご家庭サポートをする予定があると聞いて、さっそく後藤さんが見習いとして飛び入り参加です!


「こんにちは~」とやってきたのは「東京かあさん」歴4年の早苗ママ。はんなりとした京都弁が素敵な、70代のベテランさんです。この日は、夕飯の準備をしつつ、下校後の小学校4年生の娘さんを「おかえり~」と迎え入れるのが、主なサポート内容。


後藤さん(以下、後):「はじめまして。『お母さん見習い』として、今日はよろしくお願いします」

早苗ママ(以下、早):「よろしくお願いします! 素敵な後藤さんと一緒にお仕事できるなんてうれしいわ~」

:「テレビでこのサービスを見て、私もやりたい! と思ったんですよ。子どもふたりが社会人になって、私もお母さん業を卒業したところなのですが、晴れ晴れとした気持ちもありつつ、まだまだ溢れる母性を活用したいというか……(笑)。お子さんのお世話をしたりごはんを作ったり、子育てで忙しいママさんの助けになりたい気持ちでいっぱいなんです」


:「それなら、ちょうどいいと思いますよ。『東京かあさん』は普通の家事代行とはちがって、『第二のお母さん』として、そのお宅ごとのお手伝いを柔軟にしてあげられるところが喜ばれているんです。たとえば保育園のお迎えにいったり、ちょっとした片づけをしておいたり、時には人生相談にのることも。後藤さんのように家事歴ウン十年のベテラン主婦たちが『お母さん』として在籍していて、それぞれの暮らしに根づいた経験を役立てながら働いているんです」

多くの家族から絶大な信頼を得ている早苗ママ、以前「沖縄の実家に帰るのだけど、一緒に来てほしい」と懇願されたこともあるのだとか。後藤さんも、そのやさしさとテキパキさで、あっという間に「引っ張りだこのお母さん」になりそうですね。

 



献立を考えて

近所に買い出しへ

 


さて、それではいよいよAさん宅での家事サポートをスタート。まずは近くのスーパーまで夕飯の買い出しに出かけます。

:「献立はどんなふうに決めるんですか?」

:「事前に主菜のリクエストを聞いておいて、副菜はそれに合わせて当日パパっと作ることが多いかしら。今日は、お魚料理というリクエストだったので、ぶりの照り焼きを作ろうかな。あとは酢の物や煮物を」

:「わ―おいしそう! 野菜たっぷりの和食はうれしいですね。私も、離れて暮らす息子の食事がやっぱり心配で……。便利な時代だから、コンビニのお弁当や脂っこい外食ばかりで栄養が偏らないかな? とか。早苗ママみたいな家庭的なごはんを作ってくださるサービスを利用できたら、本当にいいですね」

:「独身男性のお宅で、留守の間に料理の作り置きのサポートを頼まれる『お母さん』もたくさんいらっしゃいますよ」

 



各家庭にある道具で

臨機応変にごはん作り

 


手早く買い物を済ませ、帰宅した早苗ママ。エプロンをつけて、いざお料理スタート!


初めて伺うお宅のキッチンでは、まず調理道具や調味料をひと通り確認します。

:「子育て家族ならこれはあるだろう、単身のお宅にはこれはないだろうなど、これまでの経験で、大体、お持ちの道具や調味料は予想がつくんですよ」

:「それなら、事前に献立を考えておけますね」

 



玉子豆腐入りの

出し巻き卵!?

 


まずは、出汁巻き卵に取り掛かります。

:「玉子豆腐をつぶして入れると、滑らかになって、味もしっかりするの」

お料理のアイデアが豊富な早苗ママは、どこのお宅でも「作り方教えて!」といわれるそう。


「フライパンがテフロンじゃなくて、鉄製だから難しいわ~」と言いつつ、油多めの調理に軌道修正して対応してしまうところは、さすがベテランです。弘法筆を選ばず!


後藤さんは、端っこを味見させてもらいました。

:「しっかり出汁の味が感じられて、お蕎麦屋さんの卵焼きみたい!」

「いつも1時間くらいで調理を済ませる」という早苗ママ。手際よく片づけをしながら、どんどん料理を作っていきます。「へー、そうやるんですね」「なるほど!」を連発して、後藤さんもいろいろなことを吸収していました。【後編】では、「東京かあさん」が目指す「高齢者の生きがい創出」についても、後藤さんが伺います。

text:鈴木麻子

 

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Profile

東京かあさん

家事代行の枠にとどまらず、もう1人のお母さんを持てるサービス。熟練主婦の経験と知恵を活かした、提案型のサポートが受けられる。
サービス提供エリア:東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県
https://kasan.tokyo/
Instagram:@tokyokasan

 

 

後藤由紀子

Yukiko Goto

静岡県・沼津で器と雑貨の店「hal(ハル)」を営む。最近は「出張hal」として日本各地で期間限定の出店も。二人の子供は社会人となり、子育てもひと段落。暮らしの工夫や気づきを綴った飾らないエッセイも好評。近著は『雑貨と私』(ミルブックス)。
Instagram「@gotoyukikodesu
YouTube「後藤由紀子と申します

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