60代でヘアメイクを切り替え! 厚化粧&白浮きは禁物ですよ(前編)【小さなヘアメイク相談室】

小さなヘアメイク相談室
2024.11.18


こんにちは、藤岡ちせです。40代まで東京やN.Y.でヘアメイクアーティストとして活動していましたが、50代で地元の高知にアトリエを開き、マンツーマンのヘアメイクレッスンを行っています。この連載では、お肌の曲がり角を何度も曲がってきた方々にはきっと、お役に立つであろうお話をしていけたらと思っています!


 

さて、この連載に前回登場した、60代でおしゃれにリトライを決意した奥様が、3か月ほど経った頃に再度メイクレッスンにやってきました。

↑そうです、この方です! お鼻がいちごちゃんだった方です。

ところが……

ん? ん、ん? なんか変わってる! ちょっ、ちょっ! すごい! 同一人物ですか??? シミは残るものの、くすみがすっかり消え、艶のある健康的なお顔になっていました。しかもちょっと痩せてないかい? なんだかすごくキレイになっている! こりゃ相当マジメに取り組んだに違いない。そこで、この3か月間どのように過ごされていたかお尋ねしました。気になるその答えは最後に書きますね。

なにはともあれ、2回目のレッスン。実際にメイクをしていきながら、選び方や方法をお伝えしていきます。ただ、長年ノーメイクだった人が急にフルメイクをすると自分も周りも違和感が激しいので、まずは最小限のメイクからスタート。

今回のメイクのポイントはこちら。

01
ベースメイクはカバーよりも
肌色補正が大事


02
ポイントメイクは1色に統一


03
ヘアスタイルのバランスまで
考えて仕上げる

では、さっそく始めてまいりましょ~。

 


01
ベースメイク
(肌色補正)

60代でメイク迷子の方が再出発するときは、ベースメイクを薄~く仕上げるところから始めるのがおすすめです。長年のケア不足でできてしまった頬いっぱいのシミを隠そうとするとメイクが濃くなるので、あえて隠すことはしません。シミのカバーよりも、肌の色を整えるほうをメインに考えます。



●ファンデーション
まず、“やや艶あり”のスーパー薄づきファンデーションを使い、素肌が透けるくらい薄く塗ります。ほんの少しベールをまとった程度にカバーして、自然な艶を出すのです。奥様の肌にはシミだけでなく赤味もあったので、色ムラを補正するイメージで塗ります。

ちなみにファンデーションは明るすぎない色を選ぶのがコツです。肌より明るい色だと浮いてしまい、厚化粧と同じレベルの違和感が。それならいっそ暗めのほうが馴染みます。塗る面積が広い分、印象に大きく影響するので色選びはとても重要なのです。

塗り方は、まず頬のシミが多い部分にファンデーションをのせ、そこから軽いタッチで伸ばします。カバーしたいシミの部分が一番濃く、顔の外側に向かって薄くなるようにグラデーションをつけるイメージです。これで立体感も出ますよ。

●フェイスパウダー
仕上げのパウダーは、パフよりもブラシを使うほうが薄く自然に仕上がります。つけすぎると粉っぽくなり、せっかくの艶が消えて老けてみえるので要注意です(←このパターンの人多いです!)。ブラシがない場合は、パウダーをつけたパフをもみもみして馴染ませ、余分な粉は落としてから軽~いタッチでフワッとのせれば、素肌感のある自然な艶肌に仕上がりますよ。

 


02
ポイントメイク

次に各パーツをメイクしていきます。慣れないうちは、ポイントカラーは1色に統一し、1パーツ1~2工程でシンプルに仕上げるのがおすすめ。身だしなみを整えるため、健康的に見えるようにするためのメイクをするといったイメージです。

●アイブロウ
眉毛がしっかりあるなら、明るめのブラウンのアイブロウパウダーをふわりとなぞるくらいでOK。眉毛が不揃いなら、ペンシルで毛のない部分を埋めて形を整え、その上からベージュか明るめのブラウンのパウダーを全体にのせて、ペンシルで描いた部分と毛のある部分の色の差を馴染ませます。パウダーの色が濃いと眉毛が強調されてしまうので注意。アイブロウメイクはとても難しいので、まずは色ムラを整え、自然な仕上がりを意識することから始めましょう。

●チーク
チークとアイカラーは同じ色を使って統一感を出すと失敗しにくいです。今回はファンデーションが薄づきで、頬や小鼻の赤味をカバーしきれていなかったので、ピンク系ではなくオレンジ系をチョイス。

チークをのせる位置は、ニッと笑って盛り上がるところより少しだけ上。小さくポンポンとつけてくださいね。大人世代は笑顔から真顔に切り替わると、盛り上がった部分もけっこう下がるので、チークを若い頃と同じ位置につけていると、想定以上にチークが下のほうにいってしまうのです。

あと、汗ばむ時期はチークがにじんで広がったり位置が下がってきたりするから、それを見越しておくことも大事。にじみ具合は人によって違うので、まず自分のメイクの変化を観察してみましょう。夕方にけっこうチークが広がってしまう人は、より“上のほう&小さく”を意識するといいですよ。

●アイシャドウ
チークと同じ色を、まぶたにポンポンとのせていきます。一気に塗らずに少量を少しずつ。時々目を開けながら、好みの範囲と濃さに仕上げます。つけ終わったら、最後に目の際にもう一度同じ色を重ねづけ。そうすると、下から上にグラデーションができるのでキレイに見えますよ。これだけで顔が明るい印象になるので、今回はアイラインやマスカラなどは省きます。

●リップ
唇のくすみは消したいけれど、「口紅を塗りました感」が出るのはNG。ということで、今回は色つきのリップクリームを使いました。チークとアイカラーに合わせて、ほんのりオレンジ系に。リップクリームは口紅ほど発色が強くなく、グロスほど艶感が出すぎないので、自然に唇の血色を明るくできます。

 

 


 

さて、続きは明日の【後編】で。実はヘアスタイルもとっても大事!というお話です。

 

illustration:大賀美穂
photo:藤岡ちせ
撮影協力:戸梶建設

 

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Profile

藤岡ちせ

Chise Fujioka

ヘア&メイクアップアーティスト。テレビ、CM、広告、雑誌、ミュージックビデオを中心に活躍し、1998年から3年間、ニューヨークでも活動。美への探求心からハワイのボディトリートメントロミロミとフェイシャルを学び、自宅サロンを開くなど活動の分野を広げる。東京、鎌倉と移り住み、2019年に故郷の高知へ。住宅街の一角に、ヘアメイク、写真、オーガニックコスメなどを楽しめるアトリエ「APARTMENT102.」をオープン。
https://www.apartment102.net/
Instagram:@apartment_102_

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