自分の人生は自分で創り出すもの Vol.2 あんざい果樹園 安斎久子さん
さらに、自宅の一角で大好きだった器の店を始めました。
今も、好きな作家さんを見つけたら会いに行き、
個展を開いたり、イベントを企画したり。
こうして、自分の居場所を自分で作ってきた久子さん。
ところが……。
あの東日本大震災で、生活がガラリと変わってしまいました。
一緒に暮らしていた次男、安斎伸也さん一家は北海道へ移住。
今は「たべるとくらしの研究所」を主宰しています。
隣に住んでいた長男一家は昨年長野県に移住。
「もちろん、小さな孫たちがいるので、私自身も早く移住しなさい、
と勧めていました。でも、いざみんながいなくなってしまうと、
急に2人ぽっちになって寂しくて。
しばらくは泣き暮らしましたね」。
そして、改めて実感したそうです。
自分の人生は自分で創り出すもの……。
「これからまた、好奇心を全開にして、
楽しんで暮らしていきたいと思うようになりました」と
語ってくれました。
まずは手始めに海外スキーへ。
「スケール感が違うのよ。
マッターホルンの脇をす〜っと滑り降りてきちゃうんだから!」と笑います。
今、果樹園の入り口には、
伸也さんが震災前に植えたりんごの木があります。
初めて無肥料、無農薬で作り始めたりんごだそう。
「当初は、周囲の畑から虫が一斉にここに集まって、
大変なことになりました。やっと7年経って、
収穫できるようになったんです」と一壽さん。
Profile
安斎久子
夫の一壽さんは家業を継ぎ、果樹園を経営。久子さんは東京都内で百貨店勤務を経て、福島県のスキー場でアルバイトを。結婚後は果樹園の仕事を手伝う。昔から器好きで、43歳の時に果樹園の一角に「うつわギャラリーあんざい」をオープン。2人の息子を育て、現在は夫婦でふたり暮らし。
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