心の目盛りをゼロにする時間を、日常に。

NHK総合テレビの情報番組『あさイチ』で”スーパー主婦”として活躍し、11月に『たった１か所を「眺める」ことで始まる！　 人生を変える片づけ』を発売した井田典子さん。50代後半となり「暮らしは身軽に、心は豊かに」をめざしたいと語る井田さんに心得をお聞きする4回シリーズです。

　2010年に私が所属する婦人団体の「友の会」でリーダーとなりました。そしてこれまでうまくいっていた人間関係が、小さな誤解からあっさり断たれてしまうという経験をしました。自宅で行っていた学習塾も日々の運営や生徒集めで忙しく、わが子3人の進路でも思い悩み、八方ふさがりのような苦しさを抱えていました。

　そんな折、友の会では毎年クリスマス礼拝をしており、牧師を招くことになりました。人選のため、近くの教会をいくつか訪ねてまわり、最後に行ったのが牧師の自宅を開放して礼拝をしている小さな教会。牧師先生とお話しし、「あ、私はここに来ることになっていたのだ」と実感したことをおぼえています。つらいことはすべて自分でなんとかしなければと思い悩んでいたけれど、「どうしたらいいのでしょうか」と神さまに聞くことができる。教会に通うことでようやく重たい肩の荷をおろすことができたのだと思いました。

　洗礼を受けてもいまだに日々の雑事で心は揺れます。でも、朝食後に聖書を読んで大きな存在に身をゆだねれば心はおだやかさを取り戻す。目盛りをゼロにできるという安心感を手に入れて生きるのがラクになりました。

朝は家事をひととおり終えたあと、聖書を読んで心を鎮めるのが習慣です。 新聞より先に聖書を読んでひと呼吸。新聞を先に読むと気が散って聖書に戻れなくなりそうなので、この順番が日課なのです。

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井田さんの最新著書『たった１か所を「眺める」ことで始まる！　人生を変える片づけ』。「人生×片づけ」をキーワードにライフスタイル全般にわたるヒントをちりばめた一冊。