もらったもので暮らす 「按田餃子」店主・按田優子さん vol.1
暮らしのおへそ
2019.04.08
自分好みとか、センスがいい悪いという
判断をすべて手放せば
思いもかけない世界が立ち上がる。
本棚や食器棚、椅子などは、すべて譲ってもらったもの。
バラバラな場所からやって来たのに、自然に調和するから不思議。
東京・代々木上原に水餃子をメインにした小さな飲食店「按田餃子」がオープンしたのは6年前のこと。お昼どきには行列ができるほどの人気店です。
そんな店から歩いて10分ほど。小さな路地を入ったところに、時代に取り残されたような古いアパートがありました。1階の角が「按田餃子」店主、桉田優子さんの住まいです。中に入ると、外観とは裏腹に、広々として気持ちのいい空間が広がります。
キッチンは太陽が入ることが物件選びの条件だったそう。
釘を打ってアクセサリーかけに。上からガラス入りの額縁をかけておけばホコリよけにも。
柱の間を利用して本棚を手作り。
もらった亀の剝製を飾るため、押入れ上段に石を敷いて。
キッチンの出窓にはモルタルを流しタイルを貼った。壁には、釘を打って包丁の定位置に。
「DIYが好きなんです。砂壁に漆喰を塗ったり、壁をペイントしたり。ペンキや板、この家にある家具も全部もらい物なんですよ」と笑います。
自分では到底選ばないものを他人が持ってきてくれることを「そうきたか!」とおもしろがる。それは、按田さんの生き方そのもののようでした。
「暮らしのおへそ Vol.26」より
photo:枦木 功 text:一田憲子
Profile
按田優子
Yuko Anda
大学在学中にアルバイトでマクロビオティックに関わり、その後、乳製品、卵、砂糖を使わないスイーツの商品開発に携わる。乾物料理専門店でのメニュー、商品開発を経て独立。ペルーのアマゾンで保存食の知識を生かして国際協力事業に参加。2012年、写真家の鈴木陽介氏と共に「按田餃子」をオープン。
肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。