“片づかない” もやもや やまぐちせいこさん Vol.1
そこにあるものをとりあえず段ボール箱に入れて棚ひとつ、拭くことからなら始められる。
大事なのは、自分がダメなところを受け止めて、「今、できること」を見つけることだと思います。
押し入れは、ふすまを外して出し入れのアクションを少なくすれば、もとの場所に戻すのが億劫(おっくう)でなくなる。自作の棚を組み込み、かごや木箱でリビングで使うものの定位置に。掃除がしやすいようソファは処分し、必要なときだけ折りたたみ式の椅子を運んでくる。
築80年という古い一軒家に家族4人で暮らすやまぐちさん。玄関を入ると、艶やかなあめ色の廊下が続きます。リビングに入ると、その〝すっからかん?っぷりにびっくり ! ふすまを外した押し入れも、半分以上がからっぽ。
「インテリアが大好きで、かつては北欧雑貨など、あれこれ買って飾っていた時期もありました。子どもは、朝になると、しょっちゅう探し物をして癇癪(かんしゃく)を起こすし」
そんな時期があったなんて、今の暮らしからは想像もつきません。いちばんもやもやしたというのが、息子さんを出産したあと。
「子どもを産むと、寝られないし、本も読めない。あとからわかったのですが、発達障害があり、人一倍手がかかったんですよね。仕事をしたくて、外へ出て行こうとすると、子どもの具合が悪くなったりと、ブレーキがかかってイライラ。育児に家事に仕事。どれも自分の人生にフィットしない。どんどん自分が嫌いになっていきました」
当時は、掃除も苦手で、テレビボードの上にはいつもホコリがたまりっぱなし。そこで、まずは、箱1個を用意して棚の上のものをしまってみました。
「無印良品」のワイヤーかごの中には、頻繁に使う綿棒や爪切り、やまぐちさんのメイク道具などを収納。薬は用途別に分けて、上面にラベルを貼り、すぐに取り出せるようにしておく。
カメラやパソコンの電源コードや充電器、電池などは、それぞれケースに分けて。家族にもわかりやすいしまい方にすることが大事。電池などのストックも最小限にして持ちすぎない。
ゲームソフトやコントローラーなどは、木箱にざっくり収納。ここは、定位置に戻せばよし、と割り切る。テレビ台は木の板で手作り。長さを調整すれば、どんな場所でも収まる。
「暮らしのもやもやを、整える」より
photo:亀山ののこ text:一田憲子
Profile
やまぐちせいこ
ミニマリスト。夫、16歳の長男、14歳の長女と大分県に暮らす。片づけが苦手な長女の助けになりたいと、整理収納アドバイザー、ライフオーガナイザーRの資格を取得し、収納サービスを開始。ブログ「少ない物ですっきり暮らす」。
http://yamasan0521.hatenablog.com
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