【広々と心地いい部屋リノベvol.1】家族みんなが暮らしやすい間取りと収納

連載「大人の住まい替え」では、これからの暮らしを見つめ直した先輩方の住まいをご紹介します。今週お届けするテーマは「広々と心地いい部屋リノベ」。家族のライフスタイルに合わせた間取りや使い勝手のいい収納ですっきり部屋を叶えた住まい、広く感じられる設計デザインの家など。どの住まいにも共通していたのは、 “住む人の利便性をとことん考えた”というポイントでした。

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ライフオーガナイザー 瑞穂まきさんの場合

今回は「家族みんなが暮らしやすい間取りと収納」を紹介します。回遊性のある間取りによって来客時でもストレスなく過ごせたり、収納は各自のライフスタイルに基づき徹底的に使いやすさを考えたりなど、ライフオーガナイザーならではの考え方や観点がたくさん詰まった瑞穂さんの住まい。自由度が高い反面、選択することが膨大にあるフルリノベーションを終えるまで、どのような物語があったのでしょうか。

一棟丸ごとリノベーションに魅せられて

15年前に新築で購入した都内の一戸建てに住んでいた瑞穂さんですが、周辺の道路拡張工事による振動と騒音に悩まされ、住み替えを検討し始めました。希望は耐震性の高い低層マンションでしたが、100㎡以上となると選択肢は少なく、タワーマンションもしくはヴィンテージマンションの物件しかなかったそう。

諦めかけていた時にたまたま目にしたのが、一棟丸ごとリノベーションされたマンション。エントランスなどの共有部分も美しく整備されていることに加え、専有部分はゼロからつくることができるフルリノベーションが魅力的で、購入を即決しました。

家族のライフスタイルに合った、回遊性のある間取り

瑞穂さんは夫婦＋子ども２人の４人家族。それぞれの個室はミニマムに、リビングを最大限広くし、家族が自然と集まりリラックスできる雰囲気になるよう、こだわりました。リビングの先にはルーフバルコニーがあるので、より広く感じられます。

ライフオーガナイザーという仕事柄、来客も多い瑞穂さん。いつでも来客に対応できる心地よい空間づくりと家族がストレスなく生活できるように、回遊性のある間取りにしました。玄関から２つの動線に分かれており、一方はLDKへつながるドア、もう一方のドアを開けるとご主人のウォークインクローゼットが備えられてあり、その先は寝室や洗面室・浴室へと続き、個室につながる廊下へ移動できます。つまり、来客時でもお客さんと顔を合わせることなく、身支度や外出をすることができるのです。

家族それぞれの使いやすい収納

瑞穂さん宅のクローゼットは、ご主人は玄関横、奥様は寝室、とそれぞれが使いやすいように場所も収納方法も違っています。

「主人は片付けが苦手なので、動線に合わせ、玄関からつながるオープンなウォークインクローゼットをつくりました。帰宅したらすぐに着替え、うがいと手洗いをしてからリビングに入るので、物は自然と定位置に収納され、部屋も片付いた状態がキープされます。一方、整理整頓が苦ではない私の持ち物は寝室のクローゼットにまとめています。中は、パンツ、シャツ、セーター、ジャケット、アウターなどカテゴリーごとに分けて、さらに色別に並べ、ハンガーに吊り下げています。毎日の洋服選びはパンツから先に選ぶので、出し入れしやすい場所にしまうなど、使い方に合わせて収納計画を考えました」

テーマは「シックでエレガントだけど、ちょっとナチュラル」

「以前の住まいのベースとなる色が白で、少しカジュアル度が強いと感じていました。次は大人っぽいテイストにしたいと思っていましたが、エレガントすぎると緊張感のある空間になってしまう……。そこで、ベースをグレーにしながらも、グリーンを置くなど居心地をよくするためにナチュラルな雰囲気も加えました」

タイルや柄の壁紙が効果的なアクセントに

全体のトーンが統一された心地のいい空間の中で、ディテールにほどよくエッジを効かせたある仕掛けが。

「リビングの壁の一面は石質タイルを使用しています。リビングが整いすぎるとモダンになるので、やわらかい雰囲気のタイルで遊びの要素を入れて、バランスを取れればと思いました」

寝室には、部屋のトーンと合わせたグレーのボタニカル柄の壁紙を。寝室は最小限の面積でサイドテーブルなどが置けないので、壁の厚みを利用し、携帯電話や読みかけの本が置けるような収納棚もつくりました。

「素材選びのときに役立ったのが、住み替え前から趣味でつくっていた、雑誌などから好きな空間の写真を集めたスクラップブック。これのおかげで、理想とするイメージや色を明確に伝えることができ、とてもスムーズに進みました」

リノベーションを終えてみて……

「今回フルリノベーションを行うにあたり、私たち家族がどんな空間で、どのような暮らしを希望しているか、思考を整理することができました。そのプロセスはライフオーガナイズと非常に似ていたので、私にはフィットしましたね。自分の理想通りを形にすることができ大満足です」

内装も間取りも収納も、家族それぞれの暮らしやすさを叶えた、瑞穂さんの住まいはフルリノベーションによって完成することができました。

■間取り図

居住者構成：夫婦＋子ども２人
面積：約95㎡

写真：リビタ

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出典：Rebita