ブレーキのおへそ ― 整理収納アドバイザー、「OURHOME」主宰・Emiさん vol.1

暮らしのおへそ
2020.01.13

家族を責めず、環境を変える

「できないこと」にイライラするより
誰でもできる仕組みに変えるほうがずっと近道。
収納をつくることは、家族をつくること。

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広々としたリビングが暮らしの中心。リフォームの際、壁紙をはがしたらコンクリートが出てきたので、そのまま生かすことに。ナチュラルさのなかにもシックで大人っぽい空間に生まれ変わって大満足。


迎えてくれたEmiさんに導かれ、リビングに一歩入って驚きました。「生活」があっけらかんと丸見えなのです。子どもたちのおもちゃはもちろん、リビング横の家族全員の洋服を吊るしたファミリークロゼットまですべてが見通せます。実は、これがEmiさん宅が散らからない秘密。どこに何があるか一目瞭然。子どもたちも夫も、自分でものの出し入れができます。

「家では、私はあんまり家事ができない人っていうことにしてるんです(笑)。だからみんな朝自分で起きて自分でご飯を作って食べるし、私が出張でいなくても子どもが洗濯もしてくれます」

どこに何をどんなふうにしまうかも、子どもたちと一緒に考えるそう。

「お母さんが子ども部屋を整理整とんするというお話を聞きますが、そうすると子どもは自分の部屋に愛着をもてなくなってしまいます。時間がかかっても一緒に考える。収納をつくることは、家族をつくることだと思うんです」

子どもの意見を聞けば「収納の形」は、親が思い描く「理想形」と少し違ったりします。でも、それも「よし」とする。Emiさんのすごさは、「私が」と主張することなく、自分の姿を小さくできる、ということでした。

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リビングは、「OURHOME」のオリジナル「国産ひのきのオープンボックス」と黒板プレート付きの「桐のはこ。」を組み合わせ、子どものおもちゃなどを収納。

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リビングの一角に息子さんの勉強コーナーを。何をどうしまうか一緒に考えた。

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文房具の分類の仕方も息子さんにまかせた。

いつでも「変えられる」収納にする

「可能性」を残しておくことが
工夫し、変化させながら
暮らしのプロセスを楽しむコツ。

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部屋の一角にスチールシェルフを並べて、家族全員の衣類の収納場所に。

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(上)スチールシェルフにキャスターをつけて可動式に。(下)シェルフとシェルフの間に専用パーツでポールを渡し、ハンガーラックに。作りつけの収納はいっさいなし。

A4サイズで揃えて
組み替え自在にする

「ああも使えるけれど、こうも使える」。
ひとつのものを、長く使い続ければ
お財布にも環境にも優しい。

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(右)書類用のレターケースはEmiさんが中学生の頃から使っているもの。すべてのアイテムがA4サイズで統一されているので組み替え自在。(左)キッチン脇の情報ステーション。書類やアルバム、家電の説明書などを収納。


→vol.2につづく


「暮らしのおへそ Vol.28」より
photo:岡田久仁子 text:一田憲子


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Profile

Emi

emi

整理収納アドバイザー、「OURHOME」主宰。2008年ブログ「OURHOME」を開始。2009年生まれの双子の母。家族を巻き込み、気持ちがラクになる片づけが得意。大手通販会社での商品企画の経験を生かし、オリジナルのもの作りも行っている。
http://ourhome305.com
Instagram:@ourhome305

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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