モデル・香菜子さんインタビュー(前編)「キャッチできる場所に、ミットを構える」

暮らしのおへそ
2016.01.17

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モデルのほか、イラストレーター、ご自身の雑貨ブランド「ロタプロダクト」でデザインも手がけ、高校生と小学生の二児のお母さんでもある香菜子さん。その1日は朝6時のお弁当づくりから始まります。朝食の準備をし、家族を送り出したら、っご主人と一緒に1時間ほど歩いたり、ランニングを。その後、ようやく仕事の時間です。

「ものを作ることが大好きなんです」

美術大学では陶芸を専攻していたそう。その頃渋谷でスカウトされ、モデルの仕事も始めました。

 卒業後は陶芸教室に勤めながら、モデルの仕事も続けていましたが、結婚、出産を機に辞めて専業主婦に。子育てにどっぷり浸かっていた生活が少し変わり始めたのが、7年前のことです。

「レストランを営む友人が本を出すことになって、『イラストを描いてくれない?』って頼まれたんです。ずっと社会から切り離されていたから、そんな自分にできることがあるのが嬉しくて。『何でもいいから、“お母さん”以外の何かをやっていたい』って思うようになりました」と香菜子さん。

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 子ども用のエプロンを作ったり、安心して灯せる蜜蝋キャンドルを作ったり。手探りで“できること”を探していたら、母親の立場で欲しいものを形にした雑貨ブランド「ロタプロダクト」が生まれたのだと言います。

 ふり返ってみれば、モデルもイラストや雑貨の仕事も、誰かに声をかけられて始めたこと。実は、自分から「ハイ」と手をあげたことはありません。

「自分でボールを投げられる人にならなくちゃと焦った時期もありました。でも最近、私はキャッチャーでいい、と思うようになったんです。何かがやってきたとき、ちゃんと受け止められる人になればいい。そう気づいたときから、気持ちがラクになりました」。

 でも、ただ待っているだけではないのが香菜子さんのすごいところ。

「『ここに投げて』とサインが送れるように、準備しておかなくちゃと思っています。そのためには、『私はこれが好き』と言えるようになりたい。気になるお店があれば見に行って、ディスプレイの色がきれいだなとか、空間のバランスが好きだなとか。インプットをして腕を磨いておきたいですね」

『暮らしのおへそ』Vol.17より photo:有賀 傑 text:一田憲子

Profile

香菜子

kanako

モデルとして活躍中。2005年、雑貨ブランド「ロタプロダクト」を立ち上げる。現在は『ナチュリラ』(主婦と生活社)などの雑誌で活躍。イラストレーターとしても人気。『普段着BOOK』シリーズや近著『普段着の自由研究』も好評。

http://www.lotaproduct.com/

 

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