自分の本当の状態に気付く呼吸レッスン vol.2

からだ修行
2018.11.20

今月の先生:アマミヤアンナさん(呼吸ラボラトリー)

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先にあおむけで呼吸をしているせいか、座って行う呼吸はかなりスムーズに。スムーズなぶん、「今日は少し肩が固いかも」「右鼻のほうが、通りが悪いかな?」などなど、身体のいろんな部分が気付けるようになっていきます。 

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次に「早い呼吸」。ふっふっふっふっと、早いテンポで吐く、吐く、吐くというのをくり返す。次に、片鼻ずつ行う呼吸。ティッシュペーパーを適当にちぎり、左の鼻に詰めて呼吸します。お互いの顔を見るとちょっと笑えますが、こちらは「脳を活性化する呼吸」というのだそう。右の鼻で呼吸するときは左脳、左のときは右脳がそれぞれ活性化するのだとか。フン、フン、フン、フン……。

それが終わると、もう一度あお向けになって寝転がります。今度は意識を使って、心の奥深い部分をほぐしていきます。額を軽く意識をして、力を抜く。あごを軽く意識して、力を抜く。そんなふうに身体の細部を意識し、そのつど力を抜くというのを、顔全体、頭全体、首、肩、胸、お腹、背中……と順番に降りていって、最後は足の指先まで。

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深く呼吸をしたあと、身体の各部位に「意識を向け、力を抜く」ということをていねいにしていくと、ほんのちょっとの意識の向け方次第で、身体が敏感に反応し、変化していくのがよく分かります。

もう一度起き上がり、最後にもう一回、丹田の呼吸を。

きれいになった丹田に、感謝の気持ちや何か温かいもの、美しい光、そういうものを入れていきます。ではゆっくりと呼吸を終えて、最後に礼をしてレッスンを終わりましょう」

「ありがとうございました」

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ただひたすらに、呼吸のみに集中した1時間が、あっという間に過ぎていきました。最後にみんなで感想をひと言ずつ言い合いました。

「写真を撮るときに息を止めてしまうのがクセで、今まで吐くのが苦手でしたが、今回のレッスンで吐く、吸う、の感覚がよく分かりました。呼吸って道具もいらないし、どこでもできるのがすごくいいので、朝や寝る前など、5分とかでも続けてみたいなと思いました」とフォトグラファーの砂原さん。

「レッスンに参加するのは2回目ですが、以前はまわりが少し気になっちゃったりしていましたが、今回は少人数だったのでリラックスできました。呼吸を続けるうちに、どんどん無意識になっていって、いい時間を過ごしたな~と思いました」と、編集部の森さん。

途中寝て、夢までみてしまい、完全に「お疲れモード」が露呈してしまったのは、編集長の梅田さん。「お腹の力をぬいたときに、吐いたスピードより早く空気が入ってきてしまうのだけど、これは正しいやり方なのですか?」という疑問も。

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「鼻から空気が入ってくる速度が早いかゆっくりか、どちらが正しいかではなく、それで自分が気持ちがいいかどうかが判断基準。時間はかかりますが、スピードを早くしたり、ゆっくりにしてみたり、トライ&エラーを繰り返して、自分の身体と対話をする。そうするうちに、最終的に自分が『いいな』と思える速度に着地すると思います」とアマミヤさん。

「今日参加してみて、自分の呼吸がいかに浅かったかを自覚した」とは、編集部の木村さん。「背中やお腹に空気が入ってこなくて、いつも胸ばかりで呼吸していたんだなと。吸うのは気持ちいんだけど、『吐くのが気持ちいい』という感覚が分からなかったんです」。仕事や家事に頑張りすぎて、知らず知らずのうちに、力んでいるのがデフォルトになってしまった様子です。

「私も始めた当初は『力を抜く』というのができなくて。3か月ぐらい続けて、コツをつかんだ瞬間はうれしかったです!」とアマミヤさん。「最初のうちは、力を抜きたい部分に手を置いて、抜く瞬間にそっと手を放すというのをやっていくと、力を抜くという感覚が、少し分かってくるかも。慣れていくと、手を使わなくても、そう思うだけ力を抜けるようになりますよ~」

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ちなみに田中は、普段「呼吸法」とまでは行かなくても、毎朝ストレッチや簡単瞑想などを行っているせいか、呼吸については比較的意識しているほう。けれども「丹田で息を吐く」という感じが、今回初めて分かったような気がして(!)、うれしくなってちょっと調子に乗り、途中、鼻息荒いアグレッシブな呼吸になってしまいました。最後に横になったとき、呼吸よりもバクバクした脈拍を感じてしまって、「あ~、や・り・す・ぎ・た……」と、トホホな状態に。

「気付いていましたよ~」と苦笑するアマミヤさん。「わたし自身もそうですが、がんばりやの人にありがちです。たくさん吐きたい気持ちはよく分かりますが、がんばりすぎると逆効果! そうやって呼吸をていねいに見つめていくと、そのうちに自分の性格やクセ、行動パターンなどが見えてくるんです

呼吸をすると自律神経が整う、精神が安定する、疲労感や倦怠感が減る……といった効能があるとはよく言われますが、呼吸を通して現在の身体や心の状態に気付くことで、何より『自分』というものを知ることができる。これこそ呼吸法のいちばんの役割であり、醍醐味です……と、アマミヤさん。

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「息を吐くことで、潜在意識がどんどんきれいになっていく」とは、アマミヤさんの師匠・加藤俊朗さん(後述)の弁。田中の感覚では、身体の表面からのマッサージや施術は、掃除機をかけたり、掃き掃除をする感じ、内側の呼吸は、拭き掃除をしているような感じに思えました。


photo:砂原 文 text:田中のり子


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Profile

アマミヤアンナ

「呼吸ラボラトリー」「手編み靴下amine」主宰、編集者。いくつかの出版社を経て、2011年秋『マーマーマガジン』編集部へ。2014年春、加藤俊朗さんの「Katoメソッドリーダークラス」を卒業し、講師としてレッスンをスタート。2015年春にフリーランスとなり、さまざまに活動している。現在は、呼吸ラボラトリーによる連続クラス(全3回)と不定期の単発クラスを開催。12月からは、原宿・VACANTでも新しい呼吸クラスもスタートする。
「呼吸ラボラトリー」http://kokyulaboratory.com/
「amine」http://www.amine-teami.com
「VACANT」https://www.vacant.vc/

 

田中のり子

Noriko Tanaka

衣食住、暮らしまわりをテーマに、雑誌のライターや書籍の編集を行う。『ナチュリラ』(主婦と生活社)は創刊当初からのスタッフ。構成・執筆をした『これからの暮らし方2』(エクスナレッジ)が好評発売中。

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