大人のおしゃれアーカイブ 銀粉蝶さん Vol.2

大人になったら、着たい服
2021.05.27

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短大卒業後に、企業の内定をもらっていたものの、「アンダーグラウンド・シアター自由劇場」のオーディションを受けて合格。なんと入社式の日に退職し、劇団に入団したそう。さらに「自分たちで好きな芝居をつくりたい」と、生田萬さんとともに「ブリキの自発団」を結成しました。

「そこはすごく頑張りましたね。おもしろいと思ったことを、どう芝居にするか、ふたりで考えて、台本は生田が書いて、どういう舞台美術にするか、どういう衣装にするか、一緒に仕事をしたいデザイナーにコンタクトをとったり、全部やっていました。自分がキラキラなんてしなくていいのよ。舞台全部がキラキラすれば。演劇って、時間の芸術です。お客さまと私たちで、もう戻ってこない、目には見えない2時間をつくるんです」


左/雑誌『スタジオボイス』のグラビア。30代の頃。 中/娘さんと。水玉のワンピースが大好きだった。 右/「ドラマ×ドキュメンタリー」の手法で描くシリーズ、NHK『京都人の密かな愉しみ 月夜の告白』。2015年に出演した際のオフショット。

 

芝居を続けながら娘さんを出産。そのころから、テレビや映画の仕事も始めました。その後の活躍ぶりは、多くの人が知る通り。

そんな銀さんは、次の日に仕事があったら、前の晩に着ていく服を用意しておくのだと言います。

「服を選ぶときに、自分の状態がわかるんです。パッと決まると体も心も元気なんですよね」

長年着続けているアイテムに、時折ピピッとアンテナが反応したものをプラスするのが今のスタイル。「人の目なんて気にしたことはないですね」ときっぱり。


左上/「今、自分の中でピンクが流行っているんです」と銀さん。「コム デ ギャルソン」のもの。デニムなどに合わせることが多い。 左下/10年以上前に「ユニクロ」で買った「プラスJ」のパーカは、お気に入りアイテムのひとつ。 右/薄いグレーのワンピースはパンツに合わせて。こちらも「コム デ ギャルソン」。

 

今回コロナ禍での活動自粛の間いろいろなことを考えたそう。

「この一年はつまらなかったですね(笑)。ただ人間が生きるって案外こんなものなのかな、と思いました。でも、人は『人生なんてそんなもの』と思ったとしても『生きる』んですよね。その中で、希望を持つんだと思います」

「コムデギャルソン」のジャケットを着ても「ユニクロ」のパーカを着ても、銀さんは銀さんでした。悩んだり、ジタバタしたり。自分らしさというものは、そんな時間の中で立ち上がるものなのかもしれません。

少女の面影を残した、格好よさ……。そんな銀さんの佇まいが、自分を淡々と引き受ける強さを教えてくれた気がします。

 

photo:古谷昭洋 hair & make-up:長谷川弘美(ESPER) text:一田憲子

 


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Profile

銀粉蝶

Guin-Poon-Chaw

1980年代初頭、劇作家・演出家である夫の生田萬さんとともに劇団「ブリキの自発団」を設立。数多くの舞台、テレビドラマ、映画に出演。第18回読売演劇大賞 優秀女優賞を受賞。現在、映画『あのこは貴族』が公開中。待機作として、ドラマ『#コールドゲーム』(東海テレビ・フジテレビ系にて2021年6月5日スタート)、舞台『Home, I’m Darling~愛しのマイホーム~』(シアタークリエにて 2021年10月~11月上演予定)がある。
https://nfbnfb.co.jp/actor/guin_poon_chaw/

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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