第12回 みずみずしくて甘〜い!そして夏の果物!? ベルギーいちご事情

栗山さんのベルギーおいしいもの通信
2021.06.17

こんにちは、料理家の栗山真由美です。
みなさん、いちごの旬って、いつ頃を想像しますか? 私は4月、春を代表する果物と認識していました。日本ではそうですよね。

ですが、ここベルギーでは違います。5月から始まり、6月がいちばん甘くておいしい旬の時期とされ、その後8月、場所によっては9月まで楽しめる夏の果物なのです。
日本で夏の果物といえば、スイカや桃をイメージしますが、同時に店頭に並ぶので、はじめは不思議に思ったものです。

ベルギーはヨーロッパのまん中という立地もあって、物流が充実しています。果物は特に南欧からの輸入が多く、本当の地場産の果物は、それほど多くないと思います。

今回は貴重なベルギー産フルーツ、いちごについてお話しします。

写真は、ベルギーのいちご農家さんの出荷前のいちごです。どんな味かというと…多少の個性や産地による違いはあるにせよ、ベルギーのいちご、とっても甘くておいしいのです。
失礼ながらはじめは驚きました。ただ、品種は同一のようです。このいちご農家さんは、西フランダース地区ですが、サイズがMとLの2種類でした。この2種類のおいしさや違いについて聞きましたが、単にサイズの違いだけとのこと(ベルギーらしく、ひねりなし 笑)。

日本の農家さんの生み出す、宝石のようないちごと比べると、無骨に見えました。でも食べてみると、完熟して、みずみずしく甘く…満点のおいしさ。目が覚めた思いでした。味をしめて、今年も再訪。普通のいちごに加え、ジャム用が1kgで3€という破格でありました。もちろん購入し、ジャム作りました。簡単なので、今回レシピもご紹介します。


材料はこの3つだけ。

●いちごジャム


(材料)
・いちご 600g(約2パック)
・グラニュー糖 300g
・レモン汁 大さじ3

① いちごはヘタを取り、よく洗い、水けを拭く。グラニュー糖とレモン汁を混ぜ、ひと晩置く。

 
材料を混ぜてひと晩おく    


ひと晩おいて、水けが出てきたところ

② ①を鍋に入れ、ふたをして中火にかける。 
③ 沸騰したら、アクをざっと取り、少しずらしてふたをし、弱火にして25分ほど煮る。
④ ふたを取り、仕上げにもう一度アクを取る。あら熱が取れたら、保存瓶などに移す。

レシピは、日本のいちごを基準にした私の定番です。
今回、ベルギーのいちごで作ってみました。こちらのいちごの水分が多かったようで、粘度が低めのさらっとした仕上がりでした。瓶に詰めていって、残った水分(シロップ部分)だけを分けて使うこともできるので、ご紹介。

写真は、ヨーグルトに生のいちご+シロップ。ジャムとは違った味わいです。また、パンケーキなどにかけてもよし、炭酸で割るとストロベリーソーダになりますよ。

さて、いちごといえば、アントワープやブリュッセル近郊に住む日本人の間では、自動販売機が大人気となっています。少し郊外になるようですが、何人もの知人がトライ、リピーターも続出。私も機会を狙っています。

また、このコロナ渦で行動範囲も狭まり、今季行けるかな?と思っているのが、ウェピオン。ベルギーでいちばん有名ないちごの産地です。ワロン地方に位置するウェピオンにはいちご博物館や郷土資料館もあるそうなので、取材に行かねばですね。

最後の写真は農家ショップから。「aardbeien」とは、オランダ語でいちごのことです。



西フランダースに行く楽しみのひとつとなっている、農家ショップ訪問。野菜・果物全般、手作りのジュースやアイスも売っていますが、看板商品は写真の通り、いちごです。
車がないと行きづらい場所ではありますが、機会があったらぜひ。野菜も果物もスーパーで買うものとは違う、感動するおいしさに出会えます。

●Groenten En Fruit Roose
住所:Zomerweg 8, 8630 Veurne
電話:0472716448

 

*写真の無断転載はご遠慮ください*

 

栗山さんのベルギーおいしいもの通信⑪はこちら

Profile

栗山真由美

MAYUMI KURIYAMA

料理家、栄養士。枝元なほみさんのアシスタントを経て独立。ポルトガル料理を中心とした料理教室「Amigos Deliciosos」を12年前から東京で主宰、日本ポルトガル協会の公認講師も7年間務める。2019年より、イギリス人のご主人とベルギー・アントワープに在住。著書に『ポルトガル流 驚きの素材組み合わせ術! 魔法のごはん』(エイ出版)、『「酒粕」で病気知らずになる ゆる粕レシピ』(池田書店)など。
https://ameblo.jp/castanha/ 
Instagram : mamicastanha

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