これぞ一生ものの‟名品” 木工作家・柏木圭さんの「栗懐中 箸入れ」

今日のひとしな
2021.08.07

~「HJ GALLERY」より vol.7 ~

暑い日が続きますね。アスファルトがフライパンで、私はもう目玉焼きにでもなったのかなと思ってしまうほど、毎日焼かれています。でもあと一ヶ月ちょっとすれば、夏の終わりを感じて少し寂しくなるのです。きっと。

今日は、私のお気に入りの箸入れのお話。

ほっそりとした木の棒のような形状に藤の輪を通した、木工作家・柏木圭さんの「栗懐中 箸入れ」。硬さと耐湿性に優れ、素直で割りやすいという性質がある栗の木。それを鉈で割り、中を四角く鑿で彫り込んで、上下を合わせて籐を編んだ輪で留めてあり、中には細めの竹の箸が入っています。

素材の栗の木は、地元産のもの。木の状態が落ち着いている11月から12月の新月の期間のみに限定して、柏木さん自ら伐採されて、一年以上乾燥させています。種類は3種あり、拭漆槐(エンジュ)とアンモニア処理(オイル仕上)、白木(オイル仕上)。

この品に出会ったのはもう15年前ほどに遡ります。まだ20代で結婚したばかりの頃、お弁当のために私と主人用の箸入れを探していました。本当にいいものがなくて。プラスチック製のものはどうしても嫌で、布で包むのもなんか違うと思いながら、探す日々が続いていました。

そんな時に見つけた圭さんの箸入れ。「やっと見つけた!」とはやる気持ちで、面識もないのに圭さんに連絡を入れさせていただいたら、丁寧に送ってくださったのです。そこから15年、今でも変わらず愛用中。溺愛しています。私としては、これ以上の箸入れはないと思っています。一つ一つ微妙に違うのもなんかいい。自分が使っていても、主人が使っているのを何回見ても嬉しくなってしまう。私たち夫婦がシワシワのおばあちゃんとおじいちゃんになっても、いつまでも使い続けていたい名品です。

実は、圭さんはとても料理上手で作るものがどれもおいしい。素敵なキッチンツールもたくさん作られています。そのお話はまた別の日に。

なんでもない日に、ぜひ冷蔵庫のあまりものをちょこちょこ入れて、お弁当を。お昼の時間がいつもと違って、楽しい時間になります。今日も良き日に。

栗懐中箸入れ:φ約2cm x 長さ約23cm. 竹箸付き (21.3cm) 
(上から)拭漆 槐(エンジュ)箸付 ¥13,200、白木オイル仕上 竹箸付 ¥8,800、アンモニア処理 オイル仕上 竹箸付 ¥9,350

*本日8月7日(土)まで、三重県「トンガ坂文庫」とのイベント企画を開催中。
期間限定の本屋さん「HJ BOOKS」として、 ジャンル問わず、魅力溢れる本たちが勢揃いしています。

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営業日:木曜・金曜・土曜
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