誰かに贈りたくなる逸品 「つちや織物所」のティッシュケース

今日のひとしな
2021.08.18

~「HJ GALLERY」より vol.18 ~

愛着が持てる品々の向こう側には、作り手のきちんとした考えと想いがあります。すっと寄り添ってくれて、自分の暮らしの風景を心地よいものに仕上げてくれるのです。いつも私の暮らしの側にある「つちや織物所」の布たちは、色あせることなくずっと愛用している品々ばかり。



厚みがあって、独特な風合いの手織りティッシュケース。工房内で手織りをして作られた希少な布を使い、そこから細部に至るまで配慮を施したものです。しっかりと織られた布の風合いは、他にはない唯一無二のもの。布の重なり部分を見るたびに「たまらないな」と感じています。

使う時は、ティッシュ箱から中身を出してケースに入れます。入れる量や仕上がりの厚みはお好みで。色も数種あり、サイズも大小あるのですが、大きいのはリビングや寝室に。小さいのは鞄に入れていてもいいのですが、私は車に置いています。

このティッシュケースはなぜか人にプレゼントしたくなります。新築祝いに、結婚祝いに。落ち着いた色合いと布の質感は、和でも洋でもどちらのインテリアとも馴染みが良くて、柔らかな雰囲気を醸し出してくれます。なかなかいいティッシュケースって自分では買う勇気が出なかったりするから。その人のことを思いながら、選ぶ時間は楽しいものです。



奈良に嫁いで移り住んだ頃に、「この土地にはどんな作家さんがいらっしゃるのだろう?」と調べたことがありました。この土地のことをいろんな方向から知りたいと思っていたんだと思います。そんな時に出会ったのが、「つちや織物所」の土屋美恵子さんでした。お会いしてお話を伺い、お品を見せて頂いたのがついこの間のように感じます。当時から工房には美恵子さんの美学が溢れていて、まだ若かった私は、衝撃とともに感動したのをよく覚えています。

先日も、数年前に工房兼ご自宅として構えられた今の工房へ。そこは竹林に囲まれた、なんとも気持ちの良い場所です。静かで落ち着いた雰囲気の中で、美恵子さんの考えのもと、納得のいくものづくりをひとつひとつ丁寧にされています。一点一点全て手作業で制作された品々は、風合いが良く、置いてる様も美しく、本当にどんな雰囲気の空間とも相性がいいです。

一本通ったブレない軸。そこに「在る」と感じる、しっかりとした佇まい。見ているだけで、使っていくだけで安心感を感じます。「HJ GALLERY」では、鍋つかみやコースター、名刺入れから鞄など、様々な布にまつわるものをお取り扱い中です。

また、布を織るための糸や扱う布は可能な限り日本で作られている素材を。 出来上がったそれぞれの布のもつ風合いを吟味しながら、今の暮らしに沿うように工夫されながら生まれています。

さらに工房の近くに綿花畑を持ち、綿を育て、それを収穫し、糸を紡ぎ、そこから織り機を使って、一段ずつ織って布へと仕立てられています。その膨大な手間ひまと時間。そこに美恵子さんの着実な哲学があって、惹かれずにはいれません。お店から近いということもあって度々訪れますが、いつもいつも素敵な品々と美恵子さんの魅力に、帰る頃には背筋が伸びている自分がいます。


「つちや織物所」ティッシュケース (大)¥11,000、(小)¥5,500

 

(写真:奥山晴日)

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HJ GALLERY

住所:奈良県奈良市三碓2-4-13-2
TEL:0742-52-5000
営業時間:11:00~16:00
営業日:木曜・金曜・土曜
https://www.hj-g.jp/
instagram:@hjgallery

※ペット、10歳未満のお子様の入店はご遠慮願います
 

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