しなやかで軽いバルーチ族 のラグ

今日のひとしな
2021.10.03

~ 「エイトデイズ」より vol.3 ~

乾燥した土漠地帯とオアシス都市を移動しながら遊牧生活を続け、「最後の遊牧民」と言われているのがバルーチ族です。現在は定住している人たちがほとんどで、ネットショップなどで見かけるバルーチラベルの多くは、定住したバルーチ族にによって織られています。今回ご紹介するバルーチ族のラグはかなり古く、遊牧生活のなかで織られたものだと思われます。

バルーチ族のラグは他の部族に比べて、暮らしの中で自家用として織られた絨毯が、比較的リーズナブルな価格で手に入りやすいです。状態の良いものも多く、遊牧民の暮らしが感じられるような絨毯が欲しい方にはおすすめです。持ち運びしやすいように、薄手で軽いのが特徴です。テントの中ではナマッドと呼ばれる獣毛を圧縮したフェルトの下敷の上に、小さいサイズのモノを何枚か敷いていきます。何世代にもわたって受け継がれてきたラグは、遊牧民にとっても大切なもので、靴を脱いで上がるそうです。日本人とおなじなんですね。


このラグは信じられないくらい状態が良く、パイルがしっかり残っています。ただよく見ると黒っぽい部分だけが経年変化で摩耗し、パイルがすり減っています。鉄を媒染剤に使うことでより濃い色をだすことができますが、酸化しやすく他の色に比べてパイルが減りやすいのです。特にバルーチ族の古いものは黒い毛の部分を見ることで、ある程度古さがわかります。ホラサーンの質の良い羊毛が使われているので、茜やインディゴ部分の艶がすばらしいです。トライバルラグの良さを判断する際に、ひとつの目安となるのがウールの質です。標高の高い所で育った羊の毛には艶があり丈夫な上、とても柔らかいのです。

こちらはすべて天然染料で染められているようですが、実際に識別するのはかなり難しく、経験豊富で沢山のラグやキリムを見てきた方でもわからない場合もあるそうです。

パイル織 羊毛  151cm / 73cm 20世紀初頭

 

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