【香菜子さん連載】vol.41 大人の学び・絵を描くということ【後編】
香菜子さんとお届けしている連載「日々にピタリなもの」。今回は「絵を描くこと」をテーマにお届けしています。【前編】では、石をモチーフにした作品を見せていただきましたが、他にはどんなものを描いているのでしょうか?
「このモチーフをこんな感じで描きたいなというアイデアを、スケッチブックに描きためています。この中から、今日はこれを描いてみようかなと選ぶ感じでしょうか」
スケッチブックの1ページ自体が、アートのような格好よさ!ですね。
そうして香菜子さんが描き上げた作品たちがこちらです。
「抽象的に仕上げていますが、モチーフとしては瓶、天使、石、積み木、人……」
え、え? 人……?
「ふふ、そうですね、人には見えないですよね。でもこれ、実はモデルがいるんです」
あ、わかっちゃいました! 何度も香菜子さん宅を訪れている編集スタッフには、確かに見覚えがあります。モデルさんはズバリ、いつも食器棚に飾られているこのお方じゃないですか??
「正解です~。以前、異国の女性をイメージして粘土で作ったオブジェなのですが、絵になったらどうなるかなと思って、色も粘土カラーのまま描いてみました」
香菜子さんのアイデアの自由さにはいつも「へ~!ほ~!」と唸らされていますが、ますます磨きがかかっているようです。「自由に描くのって、実は難しい、でもそれが楽しい……そんな思考回路も、自分の中で久々に開かれたような感覚です」
土台のキャンバスは、一番小さいサイズのものをチョイス。始めたばかりで実験中だからというのもあるそうですが、このサイズ感、真っ白な壁にちょこんと飾ってもかわいいですね。
「子供の頃は、親が喜んでくれるのが嬉しくて絵を頑張って描いていた気がするし、仕事で依頼されたときは、意向に沿いつつ自分らしい作品を描くことに心を砕いて……と、“誰かのため”ということが多かった気がします。“自分のため”に、本当に好きだと思えることに無心に取り組む。そんな時間をもつことで、仕事や家庭の中の自分とのバランスがとれるようになったように思います。それはもちろん、新しい“学び”でなくてもよくて、旅でもスポーツでも裁縫でも何でも! それと最近、なんとなく老後のことも考えるようになったんですよね。今のうちに、素直に自分が楽しいって思えることを増やしておけば、これからの人生にワクワクできそうじゃないですか?(笑)」
Profile
香菜子
モデル、イラストレーターとして活躍する傍ら、ホテル備品をイメージしたプロダクトブランド「ホテルヴィルヘルムス」を主宰。パンツしかはいていない謎のキャラクター「おぱんつ君」の生みの親。
InstagramInstagram「@kanako.lotaproduct」「@opantsukun_lota」
肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。