朝粥のすすめ
「STROLL」小椋えりかさんvol.3
こんにちは。愛媛県「STROLL」の小椋です。
9月の朝ごはん連載、3回目となりました。今回もどうぞお付き合いください。
仕事がお休みだったり、子供のお弁当作りがなかったりと、時間にゆとりのある朝にはお粥を炊きます。
我が家では炊飯器を使っておらず、ご飯は鋳物鍋で炊いていますが、お粥は土鍋で。テーブルの上に土鍋を置くだけで、朝から満ち足りた気持ちになるのです。
そしてお米から炊いたお粥の美味しいこと!
消化が良く、胃腸に優しく、デトックス効果もあり、おまけに腹持ちも良い。朝粥、おすすめです。
今回はほうじ茶を使った茶粥にしました。茶葉をお茶パックに入れてぐつぐつ炊いていくと、たちまち香ばしい香りが広がって食欲をそそられます。仕上げにひとつまみのお塩。
ほうじ茶だけでなく、煎茶や番茶を使った茶粥もまた美味しく、違った風味が味わえます。その日の気分で黒胡麻粥にしたり、白味噌を入れてみたり、中華風にしてみたりと、工夫次第でアレンジも広がります。
土鍋 増渕 篤宥 サーバー 角田 淳
美味しく炊きあがりました。
温かみと洗練された雰囲気が同居する増渕さんの土鍋。2、3杯のお粥が程よく入るサイズを使っています。角田さんのサーバーは、大鉢に盛りつけた煮物や麻婆豆腐、お鍋のときにも、我が家の食卓でかかせないアイテムです。
今日の朝ごはん。
おかずは、だし巻き卵、うるめいわしの丸干し、小松菜のだし浸し、冷奴、胡瓜と茄子と茗荷の浅漬け、デザートに無花果。
今回使った器はこちら。
小皿や豆皿、小鉢など、和食のご飯は器選びも楽しいですね。
川口 武亮 淡緑碗 川端 健夫 カレースプーン(黒漆)
灯油薪窯で焼かれた武亮さんの器。口径が大きいので汁気のあるお粥や具沢山の炊き込みご飯が見栄えよく盛りつけられます。見込み(器の内側)にはグレーや茶色、赤や緑がグラデーションを作り、その美しい景色を食後に眺めるのもまた楽しみのひとつ。食事以外でも、夏にお抹茶をいただくときの平茶碗に見立てたり、中に小さな剣山を落として山野草を飾ることも。用途をあまり限定せず、自由に楽しんでいます。
だし巻き卵は、弊店でもご案内している工房アイザワの銅製卵焼き器を使って焼いています。銅は熱伝導率が高く弱火で焼くことができるため、卵の味と栄養価を保ちながら、ふわふわの卵焼きを作ることができます。
松原 竜馬 スリップオーバル皿小
(だし巻き卵、きれいに作ろうと思って巻きすで巻いてみたのですが・・・失敗しておかしな線が入ってしまいました)
ほんのり異国的なムード漂う松原さんのスリップオーバル皿。泥状の釉薬(スリップ)をかけて装飾文様を施しています。同じ絵柄でも、描き方や釉の流れ方でひとつひとつ異なる一点もの。11月末には松原竜馬さんと奥様、角田淳さんとの二人展を予定しています。
(上) 伊藤 聡信 印判豆皿 (右)八木橋 昇 粉引片口小鉢 (左)林 拓児 貫入小鉢
渋可愛い豆皿には母手作りの梅干しを。伊藤聡信さんの印判や色絵の器は派手過ぎず、程よく食卓に花を添えてくれます。聡信さんは来月10/29(土)より展示会を予定してします。
だし浸しを入れた八木橋さんの片口小鉢は、小鉢に使ったり、ポン酢やソースを入れたり。
林さんの小鉢には冷奴。上に自家製の醤油麹と白葱をのせて。器全体に広がっている貫入は、使うほどに色濃く、骨董のような風合いに変化していきます。
(右)長戸 裕夢 輪花小鉢 (左)さこう ゆうこ 楕円のボウル小
冷蔵庫でゴロゴロしていたきゅうりやナスたちで簡単に作った浅漬け。古陶のような長戸さんの小皿は、見込みの可愛い目跡がお気に入り。さこうさんの浅いボウルは和え物や冷菓などのもりつけにもおすすめです。
最後に茶粥で使ったお茶のご紹介を。
愛媛の東に位置する新宮町で無農薬のお茶づくりを営んでいる脇製茶場のやまちゃほうじ茶。
香り高く、仄かな甘みも感じられる美味しいお茶です。愛媛でお茶、というと意外に思われるかも知れませんが、昔からこの地域は山茶が自生するほど、お茶づくりに適した場所なのだそうです。脇製茶場さんは「新宮茶」という国際銘茶品評会で金賞を受賞した高級茶が有名ですが、普段使いできるお手頃な茶葉から、和紅茶、柑橘を加えたフレーバーティーなど品ぞろえも豊富。直売所ではいろいろと試飲もさせてくださいます。四国山地が連なる広大な自然、四季折々の美しい風景も楽しみがてら、ぜひドライブに出かけてみてくださいね。
今回も長々とお付き合いくださりありがとうございました。
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