土鍋を使った、五島うどんの地獄炊きの朝ごはん
~「宙SORA」吉田美穂子さん vol.3~
目黒区碑文谷で器屋「宙SORA」を営む吉田美穂子と申します。今月、「器店主の ある日の朝ごはん」の連載を担当させていただいています。今日は3回目、どうぞよろしくお願いします。
オットと休みが合う日には、オット好物のうどんを食べることが多いです。今朝は、五島列島名物の地獄炊きです。うどんを茹でたお鍋ごと食卓に出し、生卵にダシ醤油を少し垂らして、薬味と食べるというもの。テレビ番組で見て知り、やってみたらお手軽で美味しかったので、朝に時々作るようになりました。
土鍋は内田鋼一さん。今はほとんど土鍋は作らないのですが、陶芸家として独立して早々の頃は、土鍋の賃びき(請負での製作)をしていたということを聞いていたので、かなり前のことですが、「宙」での初個展の時に出品していただきました。金属の鍋のような色合いも素敵です。
血糖値を急激に上げないために野菜ファーストを意識しているので、野菜料理も添えます。清水なお子さんのしのぎのお皿には、菜の花の塩ネギ和え。このお皿は、フチの上がりの具合がとてもよく使いやすいので、定番で店に置かせていただいています。
内田鋼一さんの、ひねったような白い小鉢には、作り置きのいり豆腐。そして内藤美弥子さんの少し角ばった小鉢には、やはり作り置きのひじきのサラダを盛りました。
刻みねぎを盛った、渋くかっこいい楕円小皿は吉井史郎さん作です。
しのぎ(表面を削る技法)のそば猪口は土井善男さん、お箸置きは鈴木稔さん、お箸は岩本忠美さん作です。
朝ごはんを食べ終わったら一旦食卓を片づけて、ヨーグルトとカフェインレスのコーヒーをいただきます。休みの日には、鈴木稔さんのポットとコーヒーサーバーを使ってコーヒーを淹れます。形もきれいですが、薪窯焼成によって釉薬が複雑な色の変化を見せてとても美しい色をしています。マグカップは、同じ鈴木稔さんのガス窯焼成によるものです。柄が入ると、ガス窯のほうが良い仕上がりになるそうですよ。
ヨーグルトには、カットしたデーツとチアシード、メープルシロップを。手前の印判(はんこで模様をつけたもの)のそばちょこが原朋子さん作で、奥の染付が萌窯さん。ヨーグルトにはそばちょこ、がわが家の定番です。
朝ごはんをはじめ、食事の時間を快適に過ごせるのは、木工作家の杉村徹さんに作っていただいたダイニングテーブルと、座り心地良いダイニングチェアーのおかげでもあります。以前から欲しかったのですが、4年前に結婚した時に思い切って注文しました。オットも気に入っていて、よく両手をテーブルの上に広げて、気持ち良いとその感触を味わっています。
今年6月24日(土)~7月2日(日)に「宙」にて杉村徹展を予定しています(火・水曜は休み)。木の器やトレーなど加えて、ダイニングテーブルとチェアーも出品していただく予定です。
土鍋はいろいろなサイズがあると、楽しく便利に使えますよ。小さめサイズは湯豆腐やちょっとした煮物を作るのにどうぞ。おかゆを作ったり、残り物を温め直しするときにも良いです。
右上の内田さん作から時計回りに、黒の蓋付片手鍋が鈴木正彦さん。黒の蓋なし片手鍋は吉井史郎さん。そして水玉の蓋も内田鋼一さん。市野雅利さんの刷毛目のものは、オーブンにいれてオニオングラタンスープにも。吉井史郎さんの唐草の蓋の土鍋は、小鍋仕立ての時によく使います。
そして朝ごはんをはじめ、食事の際にはどのお箸置を使うか選ぶのも楽しみの一つです。可愛いのがあると、つい買ってしまうのです。右上の、富士山、布袋様、寝正月! そして鶴のお箸置は井上あんぬさん。その楽しいアイデアに脱帽してしまいます。
その下が鈴木稔さん。右下は林健二さん。ガラスの右のL字型は高橋禎彦さん。その左がハシヅメミツコさん。布袋様の左の、まるで石のような箸置は木曽志真雄さん。その下の豆型は内田京子さん。左上の、ナス型に富士山の絵のと、その下の扇型は原朋子さん。
花の絵柄が施されたものなど、左下一帯は上泉秀人さん。上泉さんは、歳をとったら箸置作家になりたい! と言っているほど、お箸置を作るのが好きなので、可愛いものをざっくざっく作ってくださいます。
お気に入りに囲まれて食事ができるなんて、本当に幸せだとつくづく感謝して、毎日を過ごしています。
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毎日を楽しく、幸せにしてくれるお気に入りの器が見つかる器店。連載「ある日の朝ごはん」執筆は、店主の吉田美穂子さん。
東京都目黒区碑文谷5-5-6
TEL:03-3791-4334
営業時間:11:00~18:00
定休日:火曜、水曜(その他、夏期冬期休業あり)
http://tosora.jp
http://tosora.shop-pro.jp
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