【立ち直るおへそ】自分のほうが変わる ― フォトグラファー・砂原 文さん

暮らしのおへそ
2024.09.17

好きなこと、得意なことをする

「ああきれいだな」と写真を撮ったり
ライブに行って踊ったり。
「違う世界」に行くと、
細胞から生まれ変わることができる。


誰かの暮らしのワンシーンだったり、食卓のおいしそうなひと皿だったり。その写真からは、窓からの風や光、部屋に漂う香りまでが感じられるよう。雑誌や書籍などで活躍するフォトグラファーの砂原文さん。

ふわりと優しい印象とは裏腹に、大学では政治経済学部で国際政治を学び、「国連などで働いて、社会活動をしたいと思っていたんです。公平でないことがすごく嫌いで」と語ります。どうやら人に見せない裏側に、ピリッと強い軸をもっているよう。

3年前に都内から神奈川・葉山に引っ越し、同業の夫と11歳の娘と3人暮らし。

「落ち込みやすいところがあって、誰かと会っているときは元気なんだけれど、ひとりになるといつも悶々と考えちゃうんです。たとえば仕事だったら、あと一歩努力していれば違うステージに行けたのかもしれないとか、どうしてあのとき、あのレンズを使わなかったのかなあとか。ママ友どうしの人間関係で傷つくこともあるし、理想と違う自分に落ち込んだり」

そんな自分を知っているからこそ、落ちた穴から抜け出す方法を模索してきました。そうしてたどり着いたのが、「自分の好きなこと、得意なことをする」ということ。

葉山に引っ越してから、夫婦で好きな植物を育てることに夢中になっていると言います。ときにはカメラを取り出し、その日に咲いた花を撮って。

「植物のパワーって、人間なんて比べものにならないくらいすごいんです。そういう姿を見たり、写真に撮っていると、自分のなかにも新しいエネルギーが注入される気がしますね」

マクロレンズを使い、葉っぱの模様や、花の形をのぞいていると、「どうして神様はこんなものを作ったのだろう?」と感心するのだとか。

「宇宙と私はつながっているんだなと、壮大な気持ちになります。そして、さっきまで悶々としていたのに、ふわっと違う世界に行ける気がするんです。今自分のいるもやもやワールドではなくて、違う場所に飛んで行くことができる……。そんなスイッチがいくつかあるといいですよね」

photo:大森忠明 text:一田憲子

 

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Profile

砂原 文

Aya Sunahara

フォトグラファー。女性誌やライフスタイル誌、書籍などで、暮らしまわりの風景や料理、人物などを撮影。2021年に神奈川・葉山に移住し、夫と娘の3人暮らし。ライフワークとして、心にふれた美しい風景や植物を撮影。2017年にハワイ・モロカイ島の写真集『pili』を発表。

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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