土鍋で炊いたおむすびが主役の朝ごはん

器店主の朝ごはん
2026.03.07

「pivert(ピヴェール)」中山綾子さん vol.1

熊本市西区で「pivert(ピヴェール)」という器店を営んでいる、中山綾子です。本日より4回にわたり、我が家の朝ごはんの風景を綴っていきたいと思います。


我が家の朝食は、いたって簡素。時間をかけず、手早く、それでいてきちんと栄養が摂れることを大切にしています。昼ごはんをほとんど食べない分、朝は一日の土台をつくる大切な時間です。
この日の主役は、土鍋で炊いたご飯のおむすび。遠藤素子さんの土鍋は、火にかけるだけでふっくらとしたご飯を炊き上げてくれます。正直なところ、高級な鉄釜の炊飯器より、ずっと私好みの炊き加減。毎朝の頼もしい相棒です。


有明産の海苔をまいたものと、吉川商店さんの青高菜漬けをまいたもの。それらを受け止めてくれるのは、岡野嵩平さんの器。サーモンピンクの柔らかな風合いに、灯油窯ならではの奥行ある表情が、素朴なおむすびを静かに引き立ててくれます。


我が家の食卓に欠かせない具沢山のお味噌汁は、馬渡新平さんの器で。荒々しい北海道の土の風合いが、湯気立つ汁物に力強さを添え、食卓にリズムを生み出します。


平岡仁さんの豆皿には、吉川商店さんの米麴べったら漬けを。やさしい甘みが、朝の身体にすっと染み渡ります。


伊藤満さんの猫の箸置き、坂本祐樹さんの鉄媒染で仕上げられた手掘りの丸盆。どれもが、特別なことをしない朝ごはんを、少しだけ豊かな時間へと引き上げてくれる存在です。


食後のひと息は、いただき物の和菓子と、最近すっかり気に入っている韃靼そば茶で。食卓の喧騒落ち着いたあと、湯気立つお茶を前にするこの時間が、頭と心をゆっくりと目覚めさせてくれます。
お茶を淹れるのは、橋爪香代さんの急須。昨年、惜しまれつつこの世をさられました。とても残念なことですが、手の中に納まるその形は今も変わらず、静かに日常に寄り添ってくれています。作品は使ってこそ、と教えてもらった気がして、今日も大切に湯を注ぎます。


丸いトレイはふじい製作所さんのもの。和菓子を受け止める、黒い豆皿は水谷智美さんの作品です。


湯呑みは松本美弥子さんの「お散歩カップ」。持ち運びを想定したスタッキングできる形で、銀彩との釉薬の塗り分けが、光の角度によって表情を変えます。静かな朝のひかりがよく似合う器です。
特別なことは何もないけど、器と過ごす時間があることで、朝は少しだけ深みを増す。そんな穏やかな余韻を、今日も噛みしめています。

 

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pivert(ピヴェール)

熊本県熊本市西区河内町岳1878-8
Instagram:@pivert.shop.new

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