〜陽射しを心地よく受け止める献立〜 茂田正和さんの食べる美容 料理教室レポートvol.14【後編】

食べる美容 料理教室
2026.08.13

←前編はこちらから

 

著書『食べる美容』で提案した美しく健やかな肌を保つための献立をきっかけに、最近はさまざまなメディアで料理を披露されている茂田正和さん。本業は化粧品開発者/「OSAJI」ブランドディレクターですが、3クール目となるこの料理教室もリピーターが絶えず、今や料理家としてのファンも多数。今回は、抗酸化成分をたっぷり含んだモロヘイヤをテーマ食材として、夏野菜をたっぷり使った紫外線対策にふさわしい料理を中東テイストで仕上げました。

後編では、中東の定番料理として知られる副菜、トマトと卵を使った“シャクシューカ”と、きゅうりとハーブをヨーグルトで和えたサラダ、2つの副菜の調理の様子を紹介します。

 

太陽の恵みトマトの“シャクシューカ”

「トマトに含まれるリコピンというポリフェノールは、非常に抗酸化作用が強いことで知られています。これはモロヘイヤに含まれるベータカロテンにも言えることなのですが、リコピンは加熱しても効果が失われないというのもメリットのひとつ。 夏場でも、オフィスワーカーの方々はエアコンに当たりっぱなしで体が冷えていたり、冷たいものばかり食べていると胃腸の消化力も下がり、どんどん冷えが蓄積して末端の血流が悪くなったりします。なので、しっかり火を入れた温かい料理を食べて、紫外線対策となる抗酸化成分も摂りたい時などにこのシャクシューカはぴったりなんです」



フライパンにオリーブオイルをひいて中火で温め、玉ねぎとニンニクのみじん切りを入れて焦がさないように5分ほど炒める。


玉ねぎが軽くあめ色になり、甘みが出たら1cm角に切ったトマトとトマトビューレを入れて全体をよくかき混ぜながら強火で水分を飛ばすように加熱。


しっかり煮詰まったらカイエンペッパー、クミン、スモークパプリカなどのスパイスパウダー、砂糖、塩、胡椒を少々入れてよくなじませる。


水分が飛んでしっかりと煮詰まった状態のトマトにくぼみをつくり、卵を1つずつ割り入れる。卵をつぶさないよう、隙間にスライスしたオリーブを配置したらアルミホイルで蓋をして弱火で10分ほど火を通す。


仕上げにパセリを全体に散らして完成。そのまま卵料理として食べるも良し、今回のようにカレーに混ぜたりスパイスご飯にかけて食べるも良し。エジプト風にひき肉を入れれば主菜にも早変わりします。

 

潤いで満たす“モロヘイヤときゅうりのヨーグルトサラダ”

「きゅうりやスイカといったウリ科の野菜に含まれるシトルリンというアミノ酸には、肌の水分を保持してくれる役割があります。 モロッコやイスラエルの砂漠地帯ではカラハリスイカというスイカがあるのですが、砂漠でも枯れずに育つんです。 なぜそんなに保水力が高いのか? と研究したところ、シトルリンというアミノ酸を豊富に含んでいるからだとわかったんです。 そんなわけで、シトルリンをしっかり摂ることは、肌の角層の水分量を高めるのにも役立ちます。夏場にきゅうり、スイカ、メロン、ゴーヤなどウリ科の野菜をたくさん食べて、紫外線ダメージによって起こる肌のインナードライを防ぐことは、秋以降の肌の乾燥対策にもなるんですよ」



きゅうりは一口大、紫玉ねぎはスライス、ニンニクはすりおろしてボウルに入れて合わせ、塩麹を加えて混ぜたら5分ほど置いて味をはなじませる。


ボウルにプレーンヨーグルト、みじん切りにしたモロヘイヤとディルを入れて全体をよく混ぜる。



器に盛り付けてからオリーブオイルを回しかけ、仕上げにミントの葉を散らしたらカイエンペッパーを軽くふりかける。水分豊富なきゅうりにヨーグルトが合わさり、清涼感を楽しみながら食物繊維と栄養を補給できる夏バテ対策に最適なサラダでした。


「日々忙しく過ごしていると、自分が本当に食べたいものをしっかり選んで食べているかどうか、という自覚が薄くなりがちですけど。休みの日とか、気持ちがフラットな時に“自分は今、何を食べたいんだろう?” と自問してみて欲しいんです。そんな風に体と対話しながら食べたいものを食べることが習慣化してくると、食事によって元気がつくられていること、肌の調子が上がることなどもぐんと実感しやすくなるんです。そうなると、紫外線が強い季節は抗酸化成分を摂りましょう! なんて僕が言うその前に、陽射しが強くなってきたら自然と、抗酸化作用の高い食材を食べたくなったりするようになると思います」

体の声に耳を澄ます感覚を大事にしながら、食事を楽しんで欲しい。この料理教室では、ドリンクを片手にリラックスした気分での調理が提案されているのも、そんな茂田さんの想いゆえ。


ドリンクは、今回も好奇心をそそられるラインナップがずらり。ノンアルコールドリンクは、中東地域でよく飲まれているミントティーのアレンジや、スパイスを効かせたアラビアアイスコーヒーなど。ミントティーのアレンジは、和ハッカとカモミールを合わせた清涼感あふれる一杯でした。アルコールは、チュニジアの珍しいビールのほか、ポリフェノールが豊富なオレンジのスパークリングワイン、赤ワイン、白ワインなど。ノンアルコールのアレンジドリンクについてはレシピを、アルコールについては醸造元のお話も聞くこともできるので、料理とドリンクのペアリングなどに興味がある方は参加した際にソムリエの村上さんに質問してみるのもおすすめです。

次回は、夏のダメージから回復しきれていない肌が直面する、急な秋の乾燥に備えるための肌養生レシピ。毎年のように、秋から冬にかけて肌のカサつきに悩まれている方にはとくに嬉しい内容となりそうです。


photo:小松原英介 text:石塚久美子

 

『食べる美容』


←このほかの「食べる美容 料理教室レポート」はこちらから

 


 

【食べる美容 料理教室 Vol.15開催概要
9月|肌の冬支度を始める献立

まだまだ暑い日が続きますが、肌の上では秋を迎えています。夏に降り注いだ紫外線は、肌の水分を蓄える「器」のような組織いダメージを与え、まるでざるのように水分が通り抜けてしまう、すかすかな状態を作ってしまいます。空気中の湿度が高い間は気づきにくいですが、今のうちにしっかりケアしておかないと、秋が深まり湿度が下がり始めた途端にカサつき、透明感が失われて小じわが目立ちやすくなります。

今回は「肌の冬支度」をテーマに、まだ残る強い紫外線への「抗酸化対策」も意識しつつ、肌の保水力を修復するための献立を、北欧イタリアンのエッセンスを加えてご提案します。

食材/サーモン

献立
・肌のうるおい力を修復する“サーモンのカルパッチョ”
・まだまだ強い陽射しのために“秋茄子のラザニア”
・透明感を引き出す“フレッシュトマトソースのサーモン・ソテー”
・飲む化粧水“冬瓜と鶏むね肉のズッパ”

開催日時
2026年9月12日(土)11時~13時30分〈10時45分開場〉
講師:OSAJIブランドディレクター / 茂田 正和
開催場所|釜浅商店(包丁売場4Fイベントスペース) 東京都台東区松が谷2丁目24−1
受講料:10,000円(税込)ドリンクご利用分は別途頂戴いたします。
定員:各回24名 
応募方法:Peatixにてお願いいたします。
※料金(材料費、講習費、実食分)の費用となります。
持ち物等:手拭き、筆記用具、エプロン
注意事項:当日は記録のため撮影が入ることがございます。4名様1組のお席で、複数人での共同作業がございます。ご同伴者がいらっしゃる場合は、ご予約の際に備考欄へその旨をご記載ください。人数によっては、お席が別々になる場合がございますことご了承くださいませ。

Profile

茂田正和

Masakazu Shigeta

音楽業界での技術職を経て、2001年より化粧品開発者の道へ。04年より曽祖父が創業したメッキ加工メーカー日東電化工業ヘルスケア事業として多数の化粧品ブランドを手がける。17年、スキンケアライフスタイルブランド「OSAJI」を創立しブランドディレクターに就任。21年、OSAJIの新店舗としてホームフレグランス調香専門店「kako-家香-」、22年にはOSAJI初となるレストラン「enso」をプロデュース。23年、日東電化工業の技術を活かしたテーブルウエアブランド「HEGE」を仕掛ける。同年10月、株式会社OSAJI 代表取締役CEOに就任。26年、茂田個人のプロジェクトである一棟貸しの宿泊施設「しらかば荘」を群馬県・猿ヶ京温泉に、OSAJIの複合型グローバルコンセプトストア「お匙 京都」を京都・御所南に開業。同年、日本固有の美意識をルーツとしたフレグランスブランド「soca」を発表。
著書に『食べる美容』(主婦と生活社)、『42歳になったらやめる美容、はじめる美容』(宝島社)があり、美容の原点である食にフォーカスした料理教室やフードイベントなども開催している。

Instagram : @masakazushigeta
https://shigetanoreizouko.com/

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『暮らしのおへそ』『大人になったら、着たい服』などのムックや書籍を制作する編集部が運営しています。

ページトップ