薬膳相談で自分に合う食事を知る vol.3

からだ修行
2020.01.03

今月の先生:瀬戸佳子さん(源保堂鍼灸院)

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そしてラストは、「⑥体力の温存を心掛ける」について。仕事が立て込んできてしまうとなかなか難しいものですが、佳子先生は「無理に料理しようと気負わないほうがいい」と、アドバイスをくださりました。

「疲れを溜め込んでしまったり、根を詰めたり、無理をしたりするのは、田中さんの場合はNGです。『疲れたな』というときは、頑張って料理することよりも、体を休めるほうを優先したほうがいいでしょう。お昼を頑張って作っているとのことですが、1品減らして味噌汁の具材を増やしたり、冷凍食品や既製品を活用したりすると、労力がぐっと減ります」

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たとえば胃腸を補う栗は「むき甘栗」、山いもはフリーズドライの粉末、コーンは缶詰を活用。血液を補うしじみは真空パック、まぐろや豚肉も缶詰を活用。質のいいオイスターソースも、効果があるのだとか。

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食欲のない朝や、時間がないときは、レトルトのお粥を。「天然のドリンク剤」とも呼ばれているすっぽんスープは、缶入りが販売されています。

なまじ料理関係の仕事もしているせいで、「料理は簡単でも手作りしなきゃ」と気負っていた部分があったのでしたが、「そっか、既製品を利用してもいいんだ……」と、何だか肩の荷が下りたような気持ちに。ライフスタイルに合わせた、実現可能なアドバイスをいただけて、ちょっとほっとしました。

「あと、寝不足は厳禁。夜寝る時間が遅かったり、夜にパソコンやスマホを使ったりすると、血液の消耗が激しくなります。仕事はできるだけ日中に行い、夜の作業は避けるようにしましょう」

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そして薬膳相談で、何より嬉しかったのはメニュー提案。私の体質と生活スタイルに合わせて、こんなレシピを提案していただきました。どれもものすご~く簡単で、明日からすぐに作れそうなものばかり。ストックできる缶詰や乾物をかしこく活用することで、気楽に作れそうです。

すっぽんと山いも、干しえびの雑炊
【材料(1人分)】
すっぽんスープ…1缶(180g)
山いも(または長いも)…3㎝
干しえび(または桜えび)…適量
炊いたごはん…茶碗1/2杯
塩、しょうゆ…各適量
【作り方】
1 山いもはさいの目に切る。
2 鍋に1、すっぽんスープ、干しえび、ごはんを入れ、加熱する。
3 火が通ったら塩、しょうゆで味を調える。好みで細ねぎや焼きのり、すりごまなどを加えてもよい。

かちゅー湯
【材料と作り方(1人分)】
1 お椀にかつお節を山盛り入れ、味噌を適量のせる。
2 お湯を注ぎ、混ぜて食べる。残りごはんを加えておじやにしたり、梅干し、乾燥ねぎなどを追加してもよい。

帆立とブロッコリー、エリンギのリゾット
【材料(1人分)】
帆立(水煮/缶詰)…1缶
ブロッコリー…1/6本
エリンギ…30g
炊いたごはん…茶碗1/2~1杯
オリーブオイル…適量
味噌…少々
塩…適量
パルメザンチーズ…少々
【作り方】
1 フライパンにオリーブオイルを熱し、食べやすく切ったブロッコリー、エリンギを炒める。
2 帆立を汁ごと加え、煮立ったらごはんを加える。水分が足りなかったら水を足す。
3 野菜に火が通ったら味噌を加え、塩で味を調える。器に盛り、パルメザンチーズをふる。

体質診断から、問題解決のアドバイス、レシピ提案まで、本当にためになることばかり。何より働く女性の気持ちをよく分かっている桂子先生ならではの、「すぐに取りかかろう!」という気分にさせてもらえる提案だったのが本当にありがたかったです。

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なお、こちらでは薬膳素材であるなつめ(胃腸を養う効果も)、クコの実(虚熱を取り、体を潤す効果も)や、薬膳ハーブティーも販売。田中も買わせていただきましたが、どれもおいしかったです。

食べ物で体質改善をしていくのは、ちょっとばかり長い道のりですが、今回伺った知恵を「毎日のごはん」に上手に組み込んでいければ、ふと気づいたときに「ずいぶんラクになったかも?」と思えるような気がします。

photo:砂原 文 text:田中のり子


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源保堂鍼灸院 薬膳部

東京都渋谷区神宮前4-17-3アークアトリウム101
TEL: 03-3401-8125
※料金や詳細は直接お問い合わせ下さい
https://genpoudou.com/

Profile

瀬戸佳子

Yoshiko Seto

国際中医薬薬膳師。登録販売者。早稲田大学理工学部卒、同大学院理工学部研究科修了。会社員を経て、北京中医薬大学・日本校・薬膳科卒業。源保堂鍼灸院・薬膳部にて、「簡単、おいしい、体によい」をモットーに、東洋医学に基づいた食養生のアドバイス、レシピ提案を行う。鍼灸院併設の薬戸金堂で漢方相談も行なっている。
ブログ「薬膳ごはん」

 

田中のり子

Noriko Tanaka

衣食住、暮らしまわりをテーマに、雑誌のライターや書籍の編集を行う。『ナチュリラ』(主婦と生活社)は創刊当初からのスタッフ。構成・執筆をした『これからの暮らし方2』(エクスナレッジ)が好評発売中。

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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