薬膳相談で自分に合う食事を知る vol.1

からだ修行
2020.01.01

今月の先生:瀬戸佳子さん(源保堂鍼灸院)

「からだは食べるものでできている」。けれど、はたして自分が日々食べているものは本当に自分の体質に合っているものなのでしょうか? 今回の「からだ修行」は、東京・表参道にある鍼灸院で行われている「薬膳相談」で、毎日の食事をチェックしていただきました。

photo:砂原 文 text:田中のり子

食べることも、料理することも好き。でも「健康のための食事」を考えると、持っているのは小学生の頃に家庭科で習った「ビタミン、たんぱく質、炭水化物をバランスよくとりましょう」という、ざっくりとした知識のみ。そんなゆるい知識の枠組みの中で、日々のごはんを何となく作っていますが、「果たしてこの食事は正解なのだろうか?」という疑問が長年ありました。そして過去に「体にいいから」と玄米食を取り入れたところ、消化力が追い付かず胃腸をこわしてしまった経験もあったため、「人に合う健康食が自分に合うとは限らない」というのも、ひしひしと感じておりました。もしかして今「いい」と思って食べている食材が、逆に症状を悪化させてしまう可能性もあるのでは……。

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そんな中、人づてに「薬膳相談を行っている鍼灸院がある」という噂を聞きました。人それぞれの体質に合った対処をする……というのは、鍼灸をはじめとした漢方の基本的な姿勢。「ここなら、私に合った食事のアドバイスをしてもらえるかもしれない!」と、お伺いしてみたのです。相談にのってくださったのが、こちらの瀬戸佳子先生。夫で鍼灸師の瀬戸郁保先生とともに、「源保堂鍼灸院」を営んでいらっしゃいます。

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「ここは鍼灸院ですので、鍼を受けにいらっしゃった患者さんたちに、『治療の一環として食事を考えられないかな?』というのが、薬膳相談をスタートしたきっかけでした。薬膳というと、クコの実や朝鮮人参などを使った料理を想像するかもしれませんが、もっとごく普通の食事でも、体調を整えていくことはできるんです」

というのも、数年前までは会社員として働いていた佳子先生も、豚肉を食べることで健康を取り戻した(!)経験があるのだとか。当時従事していたのは、勤務時間も長い、研究関係のお仕事。激務の無理がたたって、ある日メニエール病と突発性難聴を患ってしまいます。患者として「源保堂鍼灸院」に駆け込んだところ、郁保先生に鍼灸をしてもらい、「『腎』を補うために、豚肉をしっかり食べたほうがいいですよ」とアドバイスを受けたのだそう。そこで毎日豚汁を飲むようにしてみたら、何と1週間ほどで体調が戻ったのだそうです。

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「薬膳は、こんなに効果があるんだ!」と大衝撃。会社で働きながらも、休日に中医学を学ぶようになり、猛勉強の末、国際薬膳師の資格を取得。やがて郁保先生と結婚することになり、本格的に鍼灸院の手伝いをしつつ、薬膳相談もスタートすることになりました。

「今は食にまつわるいろんな健康情報がありますが、そのぶん意識が高い人ほど、かえって迷走してしまう方も多いんです。取り入れやすそうな都合のいい部分だけを自己流にかじっても、効果が表れなかったり、逆に体調を崩したりする原因になることもあります。その点こちらで行っているのは中医学に基づいた薬膳の視点から、その人その人の体質に合わせたアドバイスなので、ゆるやかでもしっかり効果が得られるのではないかと思います」

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まずは薬膳相談の流れをご紹介。3~5日間ほどの食事を写真で記録し、記入した申込み用紙と、体質チェックシート、問診票とともにメールで送付します。事前に鍼灸院を訪れ、郁保先生に顔色や舌の色などを確認していただき、「脈診」をしてもらいます。

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その際さまざまな質問も受けて(過去の病歴や便の状態に始まり、「どんな夢をよく見ますか?」などなどユニークな質問も)、総合的に田中の体質を確認していただきます。

それらの内容を佳子先生が吟味し、1週間後くらいをめどに来院し、アドバイスを受けます。今回、田中から相談を希望したのはこんな内容でした。
・とにかく疲れやすく、体力がないので、食事でアップしたい
・貧血気味と診断されるので、それを補う食事法を知りたい
・冷え症のくせに最近のぼせることが多く、それを解消する食材を知りたい

そして田中が提出した普段の食事は、こんな感じです。

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1日目 平日の家ごはん1>
●朝食
りんご1/2個、カマンベールチーズ、かぼちゃの種
●昼食
雑穀ごはん しいたけ・ごぼう・ねぎの味噌汁、ポークソテー(甘酒+しょうゆ)、万願寺とうがらし・きくらげ・みょうがのナンプラーあえ、ブロッコリーとじゃがいものポテトサラダ
●夕食
ブロッコリー・マッシュルームのペンネ、白ワイン1杯

2日目 平日の家ごはん2>
●朝食
ドライプルーン、中国茶
●昼食
雑穀ごはん、大根とわかめの味噌汁、鶏むね肉とチンゲン菜のしょうがあんかけ、アボカドとマッシュルームの柚子こしょうあえ、納豆(ねぎ、梅干し入り)、らっきょう
●夕食
昼食の残りの鶏むね肉に、豆苗を足したラーメン、柿
(間食で、芋けんぴ10本くらい)

3日目 外で仕事の日>
●朝食
ドトール(ミラノサンド、ナッツバー、カフェラテ)
●昼食
撮影で韓国ごはん カルビチム(豚スペアリブの煮込み、大根、にんじん入り)、白菜キムチ、大根と玉ねぎのナムル(えごま粉あえ)、春菊とレンコンのチヂミ
●夕食

4日目 週末ごはん1>
●朝食
雑穀がゆ(残りごはん活用、くるみとじゃこのふりかけトッピング)
●昼食
ぶりの唐揚げ、切り干し大根とおかひじきのあえもの(ごま、酢、ナンプラー)、納豆(梅肉、ねぎ)、長いもとわかめの味噌汁、雑穀ごはん、洋梨
●夕食
中華麺(青ねぎ、焼きしいたけ、ごまふりかけ)

5日目 週末ごはん2>
●朝食
クネッケ、生ハム、洋梨、チーズ
●昼食
さんまの塩焼き、大根葉の黒酢しょうゆ漬け、ブロッコリーと焼きしいたけ、みょうがのあえもの、豆腐とねぎの味噌汁、雑穀ごはん
●夕食
トマトソースのパスタ(玉ねぎ、ピーマン、生ハム、しいたけ)

 

vol.2へ続きます

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源保堂鍼灸院 薬膳部 

東京都渋谷区神宮前4-17-3アークアトリウム101
TEL: 03-3401-8125
薬膳相談5000円、脈診1000円、薬膳レシピ1000円~
https://genpoudou.com/

Profile

瀬戸佳子

Yoshiko Seto

国際中医薬薬膳師。登録販売者。早稲田大学理工学部卒、同大学院理工学部研究科修了。会社員を経て、北京中医薬大学・日本校・薬膳科卒業。源保堂鍼灸院・薬膳部にて、「簡単、おいしい、体によい」をモットーに、東洋医学に基づいた食養生のアドバイス、レシピ提案を行う。鍼灸院併設の薬戸金堂で漢方相談も行なっている。
ブログ「薬膳ごはん」

 

田中のり子

Noriko Tanaka

衣食住、暮らしまわりをテーマに、雑誌のライターや書籍の編集を行う。『ナチュリラ』(主婦と生活社)は創刊当初からのスタッフ。構成・執筆をした『これからの暮らし方2』(エクスナレッジ)が好評発売中。

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