【後藤由紀子さん連載】声をしっかり響かせたい!「聞こえませ~ん」とはもう言わせません【後編】
声が細くて通らないのが悩みだという後藤由紀子さん。声のトレーニングをして、遠くまで通る落ち着いた声を出したい! と、「楠瀬誠志郎 こえの学校Breavo-para」を訪ねました。今回の先生は、シンガーとしても活躍する楠瀬誠志郎さん。前編では、うっとりするようなやわらかな声でレクチャーをうけ、3ステップのうちの1つ、体をゆるめるマッサージを体験しましたが、後編ではいよいよストレッチと発声のレッスンに入ります!
text:鈴木麻子
体がしっかりゆるんだら、次のステップはストレッチ。今回は、家でも毎日続けられるストレッチを教えていただきました。
背中を伸ばすストレッチ
片方の脚を曲げて、もう片方の脚はまっすぐに伸ばして座ります。伸ばしたほうの土踏まずにタオルをかけ、ゆっくり前屈。前に倒れることが目的ではなくて、背中を伸ばすことが大事です。ゆっくり呼吸をしながら、10秒ほど数えます。これを片足ずつ3セット。
横隔膜を上げるストレッチ
四つんばいになってから両手を前に伸ばし、おでこを床につけるような姿勢に。
手を後ろに戻すようにしながら、ゆっくり起き上がります。そのとき、背中のマッサージでゆるめた背骨と肩甲骨のカーブが交わるあたりがゆるまるように意識。そこに糸がついていて、引き上げられるようなイメージで。
首のストレッチ
正座をしたら、片腕を床と平行にして手の平は壁と平行に。その姿勢でゆっくり首を回します。一周したら手をストンとおろします(耳たぶの下の肩のツボの部分をおろすイメージで)。
3種類のストレッチが終わったら、いよいよ発声です。声を前に出すのではなく下に通すイメージで、あばら骨を振動させるようにして発声します。胸に手を置いて声を出すと、その振動を感じやすいとのこと。
後 あ~~~。あ~~~。
(発声を何度も繰り返していると……)
楠 はい! いま胸が振動して「入った」状態、わかりますか? プラスとマイナスがぴったりハマった感じ。きちんと胸が振動すると、音のノイズがなくなって透き通った声になるんです。
後 鐘の音みたいです!
楠 いい表現ですね。口や喉を使うのではなく、胸を振動させて発声すると、気持ちよくしっかりした声を出せますよ。大事なのは喉に力を入れるのではなく、体をゆるめて体の中に声を響かせることです。
さあ、では、レッスンの最初に読んだ文章をもう一度朗読してみましょう。こちらの動画では、後藤さんの声のビフォア・アフターが見られますよ。
わー、後藤さんの声、すごく響いています!
「これを繰り返しやっていくと、喉に負荷をかけずにボリュームを上げていくことができますよ」と楠瀬先生。後藤さん、少しのレッスンで理想の声に近づきましたね。
後 はい、なんだか声が整った感じがします。背筋を伸ばして発声すると気持ちがいいこともわかりました。今日教わったストレッチを、家でも実践してみようと思います。そして、音を体に振動させるイメージ、大切にしていきたいです。
楠 声は一生付き合っていくものです。それが心地よく、美しく、自由であることに、大きな意味があると思いますよ。
今後、トークイベントなどのお仕事の前には、今回教わったマッサージ&ストレッチをして、遠くまで通るきれいな声でみなさんにお話をしたいと意気込む後藤さん。今までよりもさらに素敵な声でお話する後藤さんにお会いできるのは、もうすぐかもしれません~。
Profile
後藤由紀子
静岡県・沼津で器と雑貨の店「ハル」を営む。最近は「出張hal」として日本各地で期間限定の出店も。二人の子供は社会人となり、子育てもひと段落。暮らしの工夫や気づきを綴った飾らないエッセイも好評。近著に『気持ちを伝える贈りもの』(大和書房)。
Instagram「@gotoyukikodesu」
肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。