【後藤由紀子さん連載】声をしっかり響かせたい!「聞こえませ~ん」とはもう言わせません【前編】

後藤由紀子さん 専門家の力をお借りしちゃいます
2020.07.01

50代になった後藤由紀子さん。二人の子どもたちも社会人となり、長らく手放していた「自分の時間」が戻ってきました。家族中心の生活を送ってきましたが、これからは自分をもっと慈しみ、広げ、豊かで健やかな毎日を送りたい! そんな後藤さんの思いを実現するべく、いままで気になっていたこと、悩んでいたことについて、その道のプロにアドバイスをいただく連載を不定期でお届けしまーす!

text:鈴木麻子

後藤由紀子さんとともに学び、楽しむ連載。第一回目は「睡眠」がテーマでした。長年、眠りが浅いことに悩んでいた後藤さんと、睡眠の先生からレクチャーを受けたのですが、あれから3か月、果たしてその成果は……。

「取材の後すぐに、先生おすすめの枕に変えたのですが、本当にぐっすり眠れるようになったんです」とのお言葉。すぐに実践するところ、さすがですね。
「はい、“すぐやる課”(松戸市役所にある有名な部署名に由来)ですから!」。
素晴らしいー。せっかくいい情報や知恵を仕入れても、実生活で活かせなかったらもったいないですものね。後藤さんのその姿勢、我々も真似したいです。

そして、迎えた第二回目。今回のテーマは「声」。「鈴を転がすような」と表現する人がいるほど、かわいらしい声の持ち主の後藤さんなのに、声でお悩みなのですか?

「はい……。私、声が細くて、全然通らないというのが悩みなんです。たとえば混み合ったレストランで店員さんを呼ぶとき。自分では大きな声で『すみませーん』と言っているつもりでも、全然気づいてもらえない。PTAの役員だったころ、大勢の前で話をしていたら『聞こえませ~ん』なんて言われることもあって……」


そうでしたか……。それなら、張りのある声を出したいという後藤さんの望み、この連載で叶えてもらいましょう! さっそく向かったのはこちら。「楠瀬誠志郎 こえの学校Breavo-para(ブレイボーパラ)」です。

※現在、東京・表参道のスタジオはクローズしています。今後のレッスンスケジュールなどは「Breavo-para」のサイトでご確認ください。


迎えてくれたのは、主宰の楠瀬誠志郎さん。くすのせ、くすのせ……、楠瀬誠志郎さんって、もしかしてあのシンガーの?! 『ほっとけないよ』とか『しあわせはまだかい』の?! 興奮する我々に、「今日はようこそ」と迎えてくれたその声の素敵なこと! さあ、魅惑のレッスンの始まりです。

後藤さん(以下、) テレビで拝見していた方に直接教えていただけるなんて感激です!
楠瀬先生(以下、) 僕こそ、「雑貨の先生」である後藤さんにお越しいただけて嬉しいです。
 雑貨の先生なんて……(恐縮する後藤さん)。さっそくですが、楠瀬先生がこの学校を始められたきっかけはなんだったのでしょう?
 父が発声法を長年研究していたのですが、イタリアで学んできた発声法に衝撃を受けて帰ってきまして。それを西洋人とは声帯の大きさも違う日本人にも生かすことができないかと試行錯誤していたんです。僕はその実験台でいろいろ試されました。そして、父なりのメソッドができたのですが、僕が24歳のときに父が他界してしまったんです。「後は頼んだ」という言葉を残して。その頃はシンガーとしてデビューしたばかりだったので、40歳になったら考えようと思いました。


有言実行。楠瀬先生が40歳になったころに始めた「こえの学校」。一般的なボイストレーニングは、歌を上手に歌うことやプレゼンテーションを成功させるためなど、主に特別なシチュエーションでの声を訓練しますが、先生が目指すのは普段の声をきれいにはっきりと、ということ。そのため、プロのミュージカル俳優やミュージシャンはもちろん、「娘に、きれいな声で絵本を読み聞かせてあげたい」といって、学校に通ってくる方もいるのだとか。

 声は人間にもともと備わっている機能ですが、変えることはできるのでしょうか?
 もちろん! 声は変わらないものだと思っていらっしゃる方が多いのですが。使い方やメンテナンス次第で、劇的に変われるんですよ。まずは、どういう声になりたいかというイメージをもつこと。声が変わってから自分は何をしたいか考えてみましょう。自信を持てるとそこにビジョンが生まれます。そこから自己表現の楽しさと自由が生まれます。


 それを聞いて、よりわくわくしてきました。歳を重ねるごとに声が出にくくなっているような気もするのですけれど。声にも老化ってあるのですか?
 よくその質問されるんです。歳とともに衰えていくイメージありますよね。でもね、スバリ声には老化がありません! 正しい使い方をしていれば、命の火が消えるその瞬間まできちんと声を出せるのです。
 そうなのですね! それはびっくりです。
 はい。声について学び、声の出し方をトレーニングして、声のギフトを使い切れるように頑張りましょうね。さて、後藤さんはどんな声になりたいですか?


 私は普段、声が高めで細いので、落ち着いた感じの低い声にあこがれています。
 音は、「音色」と「音の高さ」の2つで構成されているんです。「音色」も「音の高さ」、どちらも高いと、少し幼稚に聞こえます。日本人は「音色」が低くて「音の高さ」が高いものを美しく感じる傾向にあって、たとえば風鈴などがそれにあたります。人間の声もそうで、後藤さんの高い声はとても素敵なので、それを生かしつつ、声の下のほうを取り出して、声の上にのせられたらものすごくチャーミングになるはずです。いいところを残して、しっかり声を通すイメージです。

 私の声、変わりますでしょうか?
 もちろん! 今日の1時間のレッスンでもある程度、変わりますよ。大事なのは、声を「響かせる」ということです。

ではさっそく防音設備の整った教室に移動して、レッスン開始です!


レッスンの大まかな流れは、3ステップ。まずは、「カイロボーカリゼーション」という施術を行い、体をゆるめ整えることで、声の響きやすい体をつくります。これは声のメンテナンスで、マッサージに近いもの。次に、「なりたい声」に合わせ、どう体を動かせばいいのかを考えてストレッチします。最後に、いよいよ発声という3ステップです。


レッスンに入る前に、後藤さんの今の喉の状態を先生が確認するため、とある文章を朗読します。音の響きが伝わりやすい「音声言語」のみで構成された文章です。いつもの調子で読み上げる後藤さんですが、確かに少しか細い感じはします。

朗読を聞いた楠瀬先生の感想はというと……。
「右の声帯はよく動いていらっしゃいます。ただ左のほうが、動きが遅い気がしますね。ということは、右の声帯が長く、左が短いということ。そのクセが分かれば解決できますよ」



ということで、「体をゆるめる」ステップの開始! 耳たぶから垂直におりたあたりの肩の筋肉を指圧していきます。


 リンパの通っている筋肉で、ここがゆるむと声が響きやすくなるのです。
 気持ちいいですね~。
 トークイベントなど大勢の方の前で話すときは、ここを自分で押して筋肉をゆるめてあげると声が出やすくなりますよ。温湿布で温めるのもおすすめです。


そして、首を横にゆっくり倒しながら、さきほどと同じ位置をグーッと押します。


それから、指圧は背中へ移動。「声を出すには、実はあまり喉は関係なくて、背中をゆるめることがすごく大事なんです」と、背骨と肩甲骨のカーブの交わるあたりを押します。
「普通のマッサージとは違う心地よさですね、肩まわりがゆるむ感じがします」

これでひとまず、最初のステップは終了。後編ではいよいよ、ストレッチと発声をしていきますよ~。

→後編へ続きます

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楠瀬誠志郎 こえの学校Breavo-para(ブレイボーパラ)

Profile

後藤由紀子

Yukiko Goto

静岡県・沼津で器と雑貨の店「ハル」を営む。最近は「出張hal」として日本各地で期間限定の出店も。二人の子供は社会人となり、子育てもひと段落。暮らしの工夫や気づきを綴った飾らないエッセイも好評。近著に『気持ちを伝える贈りもの』(大和書房)。
Instagram「@gotoyukikodesu

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