【料理家・栗山真由美さんのベルギー発!おいしいもの通信②】〜白菜みたいなビッグチコリ

2020.12.17

こんにちは。いよいよ年末、師走ですね。

ベルギーは、本来なら1年で1番輝く季節。ヨーロッパの醍醐味とも言える、本場のクリスマスをそこかしこで感じられる時期です。残念ながら今年は、クリスマスマーケットもイベントも中止。イルミネーションを楽しむぐらいになりそうです。

さて、今回はベルギーで見つけた便利野菜を紹介します。この野菜、なんだかわかりますか? 晩秋が旬の Groenlof、直訳すると「緑のチコリ」。チコリというと、手のひらにのる大きさを想像されると思いますが、これは白菜ぐらいの長さがあります。

        
Suikerbroodという別名も付いているのですが、ここにヒントがありました。

Suikerbroodは、「砂糖パン」の意味のオランダ語。チコリと同じ仲間の野菜でありながら、根の部分を砂糖の代用品に使うのだそうです。砂糖や甘味料はベルギー人にとって欠かせない要素ですので、むしろ根の方が重要なのだと思います。ベルギーでは大根も売ってはいますが、小さくてヒョロヒョロ。“砂糖大根”としての役割の方が大きいのです。

味はチコリとエンダイブの中間、ほのかに苦味のある葉野菜とのこと。トレビスにも似ています。砂糖パンと言いつつも、甘くはありません。

私は、ひと目見た時から試してみたいメニューがありました。ロールキャベツならぬ、ロールGroenlofです。
日本のキャベツで、普通にロールキャベツを作る時、芯を削いだり、下茹でしたりしますよね。それらが一切必要なさそう…と思ったんです。なんとも不思議なのですが、白菜のような長さがありますが、芯の部分が少なく、あっても柔らかい。葉の部分も柔らかく薄いので、包みやすくて、下茹での必要なし。洋風もいいけど、和風も合いそうだ…ということで、作ってみました。


干し椎茸・玉ねぎ・にんじん・セロリ・しょうがをみじん切りに。和風な気分だったので、鶏ひき肉と混ぜて種にしました。


肉種の周りだけきつめに包んで、あとは流れに任せて端まで巻きました。白菜の葉の様に、縦長なので、肉種少なめでも、最後まで巻くと大きな個体になります。野菜不足解消もできそうだと体感しました。


だし汁で煮て、和風にしました。鶏ひき肉なので、あっさりと仕上がり、食べ応えもあって大満足でした。もちろん、豚・合挽き肉もあり、トマトソースやクリームソースもおいしいと思います。

私にとってのはじめて野菜、Groenlof、別名Suikerbrood。ベルギーでの定番の使い方を調べてみました。が、意外とこの野菜を使った定番料理はないようで、サラダに入れたり、オムレツやキッシュの具にするのが一般的なようです。煮込みやピューレにすることもあるようですが、他の野菜でも代用できますよね。この野菜ならではの料理は、特になさそうです。

これは私の想像ですが、葉の部分も育てて食べるようになったのは、最近なのではないかと思います。健康志向の高まりと共に。低カロリーで、ビタミン、繊維質も豊富そう、何よりおいしいですし。本来の役割は、砂糖及び甘味料のための野菜だったのではないかと。追加捜査を続けたい食材です。最初の想像通り、使い勝手もとてもよく、いろいろに使いまわしてみました。例えば…


ペペロンチーノ。パスタの茹で上がりに一緒に加えたGroenlof、フワフワした食感で甘くなって美味。

焼きそばに入れてもおいしかったです。本当に微かな苦味があるのですが、加熱すると更に気にならなくなるので、相性を問わず何にでも使えると思いました。


もちろん、生食でサラダ、即席漬け、塩麹で和えたりしても。千切りにして、キャベツの代わりにとんかつに添えてもおいしかったです。


“郷に入れば郷に従え”タイプで、旅先で和食が恋しくなることは皆無だった私ですが、暮らすとなると話は別ですね。そして和食を作るのですが、日本と同じように作れる和食がどのくらいあるだろう?というぐらい、難しくなりました。

日々、葛藤もありますが、今回のGroenlofのような便利素材、お助け素材との出会いもあるのでおもしろい。そんな日々を、私なりの視点で少しずつでもお伝えできたらと思っています。

最後に、クリスマスの雰囲気をおすそ分け。


Dille& Kamille という、オランダ系の雑貨店のクリスマスグッズです。今年のクリスマスはお家で過ごすしかなさそうなので、ツリーを早めに出そうと話している人が多いベルギーです。12月中旬までロックダウンなので、準備も去年とは違ってきそうですが、楽しみたいですね。

 

*写真の無断転載はご遠慮ください*

 

【料理家・栗山真由美さんのベルギー発!おいしいもの通信①】はこちら

 

Profile

栗山真由美
Mayumi Kuriyama


料理家、栄養士。枝元なほみさんのアシスタントを経て独立。ポルトガル料理を中心とした料理教室「Amigos Deliciosos」を12年前から東京で主宰、日本ポルトガル協会の公認講師も7年間務める。2019年より、イギリス人のご主人とベルギー・アントワープに在住。著書に『ポルトガル流 驚きの素材組み合わせ術! 魔法のごはん』(エイ出版)、『「酒粕」で病気知らずになる ゆる粕レシピ』(池田書店)など。
https://ameblo.jp/castanha/   Instagram  mamicastanha

 

 

Check it out
さらに読みたい

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

ページトップ