第2回 至福の時間について

京都「本と野菜OyOy」から
2020.12.31

こんにちは。「本と野菜OyOy」の佐藤です。

うちの店の本棚は、蔵書約3,000冊くらいのとても小規模なものです。
なので取次さんからの書籍の入荷は週に1度だけ、まとめて搬入されます。
料理書はもちろん、農業の本・猫の本・吉本ばなな・サザエさん・・・と、いろんなジャンルの本がきます。

この搬入日がいちばん好きな日。
本が詰め込まれた段ボール箱を開けるとき、ちょっとにやっとしてるんじゃないかと()
補充分の本を見たら「おかえり」と安堵するし、新規の本が来たら「いい装丁やなあ」「あの本の隣におこう」と思い、うっかり中を見ようものなら、作業が止まる。

あかんあかん、開店までに段ボール箱片付けないと!でも見たいな、と葛藤を繰り返す・・・至福の時間です。

箱から出し切ったら本棚に収めていく作業、これがまた楽しいのです。

既存の本の中に新しい本を混ぜ込んでいき、本棚のマスを完成させるのは本を扱う者の醍醐味です。
この表紙は見てもらいたいから面で並べて、その隣にはこの本を組み合わせて、と試行錯誤しながら作った本棚から、お客様が本を手に取ってくださったときは、心の中でガッツポーズですよ。私がその本を仕入れた意図や並びのテーマをくみ取ってもらえたみたいで。

もちろん、お客様はそんなこと知らずに、ご自分のアンテナに引っかかったものをセレクトされていると思いますが、私が手にとってほしい本と、お客様が求めている本が合致したときは本当にうれしいです。

 

本棚の在庫は、ほぼすべて1冊ずつしか置いていません。
なので一度売れたら、次の入荷までその本はありません。
お客様には、ほんとの一期一会を楽しんでいただけたらと思います。
この前はなかった本がある、今日は違うところに並んでるなあと、いろんな発見をしてほしいです。

そう願っている私自身が、仕事をしながらいろんな発見をしてしまい、欲しい本を見つけては、さっそくごっそり買って帰るんですけどね()

今日も契約農家さんから、採れたての新鮮なお野菜がたっぷり入荷してきました。

展示販売中の「苔むす木工」(@kokemusu_mokkou)さんの作品。


さて、今年は本当に季節感なくあっという間に過ぎた一年でした。
年が明けて何もかもがすっかり好転するとは、とても思えないけれど

かばんの中にいつもお気に入りの本を持ち歩き、おいしいごはんをいただいて
すこやかにおだやかに過ごしたいです。

来年も何かのきっかけとなるようなお話をお届けしていきます。
みなさま、どうぞよいお年をお迎えください。

 

 

本と野菜OyOy

京都市中京区烏丸通姉⼩路下ル場之町586-2

京都市営地下鉄「烏丸御池」駅直結 新⾵館1階

営業時間 11:00〜23:00(ラストオーダー22:00)
※2021年1月より当面の期間 11:00〜22:00に変更

TEL 075-744-1727

 

 

佐藤由香子(さとうゆかこ)

京都「本と野菜oyoy」にて本の選書・売り場作り、運営を担当。
子供の頃から本はもちろん料理書が好きで、編集・メーカー企画販促・
カフェ・雑貨店・書店などで勤務。ずっと本と食に関する仕事に携わる。
大阪府出身で大阪と京都を行ったり来たり。
社会人と大学生の息子ふたりと三人暮らし+ねこ。

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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