第10回　人とのつながりを感じる、場所づくりのお話。

こんにちは、FOOD&COMPANYの盛岡絢子です。新年を迎えてから10日、お正月も明けてだんだんと通常の生活に戻ってきたように思います。先日は東京で雪が降り、近隣の軒先には大小個性豊かな雪だるまが愛らしく並んでいたのがとても印象的でした。

10回続いてきたこの連載も今回が最後。拙文で読みづらい部分もあったかと思うのですが、最後までお読みいただけたことをとても嬉しく思います。ありがとうございます！

さて、今回は連載の最後ということで、前回に引き続きFOOD&COMPANYのことをすこし紹介しようと思います。初回でご紹介しましたが、私たちは「やさしい経済を通してリラックスした社会へ」というビジョンを掲げ、そのしくみを日常にインストールするために、グローサリーストアの枠組みをさらに広げて、他の会社や団体とパートナーシップを組んでさまざまなコンテンツの企画や取り組みを行っています。

その中の取り組みの一つが、あたらしい”マルシェ”づくり。休日などに外に出かけると、野菜や食材、工芸品や古道具、服などがずらりとならぶ、賑やかなマルシェを見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。私たちは「お店でお取り扱いさせていただいている素敵な生産者さんや作り手さんを、より多くの方に知っていただきたい！」という思いもあり、マルシェの立ち上げや運営などを行っています。

例えば、下北沢で開催している「mishmash / Holiday Food Market」。下北沢駅近隣では線路の地中化に伴い新しいまちづくりが進んでいるのですが、その場所を使ってマルシェを企画してほしいと運営会社さんからお声がけをいただき、スタートしました。新旧入り交じる下北沢の街で、どんなものも受け入れて混ぜこぜにしておいしくお料理していく、そんな器の大きいコミュニティにしたいという想いで「mishmash(=お鍋）という名前をつけました。

開始当初にまず考えたのは「どんなイベントだったら出店者さんや来場者さん、地域の方に喜んでもらえるんだろう？」ということ。通いたくなる、応援したくなるマルシェってどんなマルシェなんだろう。そもそもオンラインでのお買い物が当たり前になった時代に、わざわざ足を運んでお買い物をする意味とはなんだろう。この問いに対する答えはまだまだ模索中ですが、mishmashを続けていく中で感じたことがあります。

mishmashでは、出店者さん同士のコラボレーションメニューが名物になっています。農家さんの野菜をつかったグリルバーベキューやスープ、アーモンドバター屋さんのアーモンドバターとベーグル屋さんのベーグルセット、グラノーラ屋さんのグラノーラを使ったグラノーラチャイ、それぞれのメニューに合うワインのペアリングなどなど。毎月出店者さんたちがいろんな限定メニューを考えてきてくださり、運営スタッフも毎月とっても楽しみにしているコンテンツなのですが、これは運営側からお願いしたわけではなく、出店者さんたちが自主的に企画してくれたもの。「おいしいものがすき！」という出店者さんたちが手を取り合ってひとつになってできるこのなごやかな空気感は、来場者さんにもとても好評いただいています。

これはまさに、リアルな場だからこそできる「人とのつながりを感じる」あたたかな体験。このおかげもあり、最初の月は9店舗からスタートしたmishmashもその後15店舗、25店舗と数が増え、感染症の影響も受けながらも毎月たくさんの出店者さんにご参加いただけるようになりました。もちろん、まだまだこれから。変わりゆく下北沢で変わらない人とのつながりのあたたかさを生み出していけたら、と思います。生産者さんや作り手さんも募集中ですので、ご興味をお持ちいただけた方はぜひご連絡くださいね！

長くなりましたが、今回の連載を通して、FOOD&COMPANYがご紹介するおいしい食材のこと、そして私たちの想いや取り組みを、みなさまにすこしでもお伝えすることができていたならとても嬉しく思います。そして、これからも「私たちが考える理想の”暮らし”とはなにか」を模索しながら、みなさまと一緒に歩んでいけたらと思います。

改めまして、全10回お付き合いいただきありがとうございました。スタッフ一同お店でお待ちしておりますので、お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りくださいね。これからも、FOOD&COMPANYをどうぞ宜しくお願いいたします！

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