【料理教室の季節の人気メニューから/4月】何もつけなくてもおいしい!新じゃがのスパイスコロッケ
こんにちは、料理家の柚木さとみです。
春を迎え、春キャベツや新ごぼう、新玉ねぎなど、この時期ならではのみずみずしいお野菜が出回るようになりました。今月はこれから旬を迎える新じゃがいもを使ったレシピをご紹介します。
数種のスパイスを効かせたコロッケです。味つけにはみそを使い、ソースなしでもおいしい仕上がりになっています。
スパイスコロッケ
【材料(4人分/8個)】
新じゃがいも…3個(550〜600g)
A・塩…小さじ1/2
・白こしょう…少々
合びき肉…100g
玉ねぎ…1/2個(80g)
B・塩…小さじ1/2
・きび砂糖…小さじ1/2
C・コリアンダー…小さじ1
・クミン…小さじ1/2
・カルダモン…小さじ1/2
・ナツメグ…小さじ1/4
みそ…小さじ1
サラダ油…小さじ1
【バッター液】
・卵…1個
・小麦粉…大さじ4
・水…小さじ2
パン粉…40g
揚げ油…適量
【作り方】
① 新じゃがいもは皮つきのまま鍋に入れ、たっぷりの水を加えて火にかけ、串がすっと通るまでゆでる(中火)。熱いうちに皮をむき、ボウルに入れてマッシャーでつぶし、Aで味つけする。
② 玉ねぎはみじん切りにする。フライパンに油を熱し、玉ねぎとBを入れて薄く色づくまで炒めたらひき肉を加える。ひき肉の色が変わり脂が出てくるまで炒めたら、Cを加えて1分炒め、みそで味つけする。❶のボウルに加えて混ぜ、味をみて足りなければ塩(分量外)を加え、8等分して小判形に成形する。
③ バッター液を作る。ボウルに卵を割り入れて溶き、小麦粉、水を加えてなめらかになるまで混ぜる。❷をバッター液にくぐらせ、パン粉をまぶしてラップをかけ、冷蔵室で休ませる(10分)。
④ 揚げ油を170℃に熱し、❸を静かに入れ、まわりがカリッとしたら裏返し、途中何度か返しながらきつね色になるまで2〜3分揚げて油を切る。
【メモ】
・ひき肉から出た脂(ラードと牛脂)は甘みがあっておいしいので、コロッケのたねに混ぜ込みます。
・バッター液は、卵、小麦粉、水を合わせて作るころもの生地のこと。ころもづけの手間を楽にしてくれますし、粘度があるので、さらりとしたコロッケのたねにもしっかりついてくれます。
・ころもがついていないところがあると、そこから破裂しやすくなるので、バッター液、パン粉ともにまんべんなくまぶしつけ、少し寝かせてころもをなじませます。
・揚げ油の温度が低いとベタッとするので、まずはカリッとしたころもを作ります。ころもに傷がつくと破裂しやすくなるので、裏返す際には傷つけないよう注意します。
新じゃがいもは皮が薄く、水分を多く含んでいてみずみずしいです。
愛用しているマッシャーは、無印良品の小さいサイズのもの。たくさんつぶす時も、小さいマッシャーひとつで事足りています。
1個80g前後の小ぶりなサイズです。
さて、今月は献立の組み合わせや味つけについて、私なりの考え方をご紹介します。
教室でも普段の食卓でも、献立を考える時に意識しているのは、味つけか調理法にバリエーションをつけること。例えば主菜がみそやしょうゆなどのこっくりとした味つけなら、副菜は酸味を効かせたさっぱりしたものを組み合わせたり、ぴりっと辛いものが主菜なら、甘みのある副菜を添えたりします。
または調理法で考えるなら、主菜が揚げものなら、副菜には加熱調理なしのサラダや、ゆでた野菜のおひたしや和えものを添えるなどして、油分を摂りすぎないよう、なんとなくバランスをとるようにしています。
さらにもう一品なにか、という時には、マリネやきんぴら、キャロットラペや味つけたまご、ごま和えやお漬けものなど、作り置きできる一品があると手間もかからず便利です。作り置きに関しては、私はわざわざ材料を買って作るというよりは、冷蔵庫の残りもので作ることが多いので、その分気負わず、自由に作っています。
いつもならキャベツやグリーンアスパラをおひたしにしたり、ごま和えにするところを、今日はたたき梅とマヨネーズで和えてみようとか、切り干し大根があるから戻して一緒に和えてしまおう…と、その時の気分で自由に遊んでみます。
つい似たような味つけになってしまうな…という時には、たとえばしょうゆをポン酢にして酸味を効かせてみたり、しょうがやからしを加えて辛みをつけたり、炒めものや煮ものにバターを加えて甘みとコクを足すなど、ちょっとした変化をつけると、食材の味をより引き立ててくれたり、なじみのある味つけも新鮮に変化します。
案外減らないスパイス類なども、いつもの料理に気軽に加えるだけで新しい味に出会えます。
時にはいまひとつの仕上がりになることもあるけれど、新しい味わいはちょっとした冒険心から生まれることもよくあるので、いつもの味つけや食材の組み合わせに飽きた時には、気軽に自由にちょっと外れたことをしてみると、作り慣れたレシピから様々なバリエーションが生まれるように思います。
【料理教室「さときっちん」の台所便り/3月〜ベーコンとクレソンの炊き込みごはんと、わが家のいろいろな炊飯鍋について】はこちら
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Profile
柚木さとみ
料理家・フードコーディネーター ・カフェプランナー。1973年東京生まれ。5人姉妹の5女。ご主人とサビ猫姉妹(くう、ねる)との2人+2匹暮らし。大学卒業後、吉祥寺のカフェで店長を務めたのち独立。カフェのプランニングやプロデュース、メニュー開発、料理教室講師、ドラマの料理制作など、食と食空間に関わる仕事に携わる。2012年から、築65年の古い一軒家をリノベーションしたアトリエで料理教室「さときっちん」を主宰。旬の食材を生かした暮らしになじむレシピが人気。著書に『からだがよころぶ!菌活レシピ』(幻冬舎ルネッサンス)、『美人をつくる発酵食レシピ』(じゃこめてい出版)など。
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