「アナベル」の【週末市】~その1~チクチクしない別注ウールニット

おしゃれさんコーディネート
2020.08.29


こんにちは。週末市には初めての参加になります「annabelle(アナベル)」の伊佐と申します。今回の週末市では、特別なお品物を2つご用意いたしました。2つともこの週末市が初お披露目となる「アナベル」の特注商品です。


まずは1つめ「FACTORY(ファクトリー)」のセーターからご紹介いたします。普段から「アナベル」でお買い物をしていただいている方にとっては、とっても馴染みのあるセーターかもしれません。これは、2015年の秋冬に「FACTORY(ファクトリー)」から登場して以来ずっと、展示会に出なくなっても別注で作り続けていただいている大好きなデザインのセーターです。今年はさらに特別に、新素材の羊毛で作っていただきました。



「FACTORY(ファクトリー)」といえば、カシミア、ヤク、キャメルといった素材が中心で、今までは冬の定番ともいえるウール=羊毛がありませんでした。より滑らかな素材感を求めたことの結果だとも言えますが、今回の羊毛は気になるチクチク感はなく、インナーウェアの上から気にせずに着ていただけるレベルの滑らかさです。


デザインは、ワイドで着丈スッキリなかたち。



こちらはナチュラルグレーという原毛そのままの色。ゆったりとしたつくりで、下に一般的なシャツを重ねても素敵です。


羊毛というのは、そのほとんどがチクチク感を否めないもの。なぜこんなに滑らかなのか?
「FACTORY(ファクトリー)」の野村さんに聞いてみました。


「まずは元となるヒツジが厳しい自然環境に身を置いているということ。今回の羊毛は定番で使用するヤクと同じ地域に生息する羊の毛を使用していますが、モンゴルの奥地も奥地、首都ウランバートルからおよそ600km車を走らせ、さらに高地へ。寒暖差の激しい、厳しい環境にいるヒツジは、その毛も上質なものにしてくれるのです」


こちらはオフホワイトです。この色も原毛をそのまま使用しているのですが、原毛のホワイトというのはとても希少で、定番的にご用意できるものではないそうです。


この羊毛が滑らかな理由の2つ目は、厳しい自然環境にいる羊の上質な毛の中から、さらに良いものに限定して、1頭から刈り取れる全量の10%~15%の産毛に近い部分だけを使用していることにあるという。


しかしそれはスコットランドをはじめとするイギリスの上質な羊毛も同じなのではないかと尋ねたところ、野村さんがこう付け加えてくれました。
「最も大きな違いは気候です。雨の多い地域に育つ羊は、雨を避けるために水をはじくようなタイプの油を体内から出します。しかし乾燥した地域に育つ羊は、その逆に保湿するための油分を体内から出すのだとか。その油の成分が毛質に大きく関わっているのです。モンゴルの高山地帯は非常に乾燥した地域ですから、ヤクやカシミアをはじめ、保湿量の高いしっとりとした毛質になるわけです」


オフホワイトはゴーシュのカツラギワイドパンツに合わせて、シンプルにスタイリング。インナーはコットンシルクのキャミソールを合わせて素肌感覚で着ています。ナチュラルホワイトは、同じ品種であっても若干薄手に感じます。着た時にインナーがうっすらと透ける程度です。


定番カラーのブラックです。ブラックは、ナチュラルグレーを染色して作った色。染色した分、わずかにではありますが、さわり心地にも違いがございます。原毛よりは若干ですが硬さが出ていますが、お洗濯で馴染んでいきますよ。


ブラックはシンプルに着てももちろん素敵なのですが、サスペンダータイプのスカートに合わせて着てみました。



ブラックのいいところは、全体に締りが出るところや、ある意味脇役になってくれるところ。全体のスタイリングを引き立てたり、合わせたボトムスを引き立てたり。


こちらはなんと、原毛であるオフホワイトとナチュラルグレーを掛け合わせた色。メランジエクリュと呼ぶことにします。ミルクティーのような優しい色合いです。


やや細身のテーパードデニムに合わせてみました。


こちらは杢ブラック。ナチュラルグレーにブラックを掛け合わせた色。メランジブラックと呼ぶことにします。着てみると意外に女性らしい色であることに気が付く素敵なお色です。


今回は、ふんわりしたシルエットのコーデュロイパンツに合わせて。


着丈が程よく短いので、細身でもワイドでも、スカートでもワンピースの上から被っても、いろいろな着方が楽しめるセーターです。


さらにはこの厚みや軽さもちょうどいい。しっかりした目付の羊毛は温かいのですが、少し重かったり、場所によっては熱すぎたりしてしまいます。こちらはインナーの着方によって長い季節をお楽しみいただけます。

今回ご紹介している「FACTORY(ファクトリー)」は野村さん一家の家族経営で、15年以上も前からモンゴルの地を訪れ、遊牧民とも交流を深めてきた。彼らのブランドの前身は、現社長であるお母さまが始めた、栃木県足利市の小さなブティックでした。地元のお客様を楽しませたい一心で、気の合う仲間を集い、見たこともないヨーロッパの生地を求めて海外へ足を運んでは生地を仕入れ、ブティックの裏に建てた小屋で洋服を作ってすぐに売る。1970年代にそんなお店を展開していたそうです。そこで培った豊富な経験からくるアイデアや行動力は、現在では子ども世代に受け継がれ、2010年には世界的な新人ブランドの登竜門とも呼ばれる、コペンハーゲンのC.P.H.VISION(シーピーエイチビジョン)で彼らの活動全体が評価され、受賞につながっている。その活動とは、自分たちで原毛を買いに行くところから始まり、紡績、撚糸、編立設計、編み立て、リンキング、染色、縫製、仕上げ、配送、営業、すべてを自らの手で行うというシンプルでいて相当に困難なことを成し遂げていること。分業が当たり前なアパレル業界にあって、にわかに信じがたい偉業と言っても過言ではない。100年前、ファッションの聖地フランスのパリで、いくつものメゾンが生まれた時、まさにこのような状況だったのかもしれません。小さなブティックで販売していたお洋服が「FACTORY(ファクトリー)」というブランドとなり、今では海外にもお取り扱い店がある。ぜひ彼らの作るセーターをお試しください。




<ご購入はこちらから>
「チクチクしない別注ウールニット」
¥16,000+tax
ホワイト/ブラック/ナチュラルグレー/メランジブラック/メランジエクリュ
※サイズについては、ご購入ページよりご確認ください

※おかげさまでご予約好評につき、受付締め切りを9月6日とさせていただきます。ご検討中の方はお早めにどうぞ(9月1日追記)

お届けは10月上旬~中旬を予定しております。追加生産の予定もございますが、糸がなくなり次第終了とさせていただきます。サンプルはお店にございますので、ご試着を希望の方はお店へお越しくださいませ。

文:伊佐洋平 撮影:川本浩太 
モデル:伊佐奈々 

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annabelle(アナベル)

神奈川県横浜市青葉区美しが丘2-20-1 美しが丘アレービル104 
TEL:045-482-4026
営業時間:11:00~20:00
定休日:水曜
http://www.f6products.com
Instagram:annabelle_104 

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