歳とともに着こなしは変わっても、フリーダムなスピリットは変わらない ミュリエル・ファヴァロさん Vol.1

大人になったら、着たい服
2021.03.02

スタイルを持ったニューヨークの女性たち。“自分らしい”おしゃれや暮らし方の流儀を現地在住のコラムニスト・上野朝子さんにリポートしていただきました。

20代から黒が好き
ミニマル、エレガント、
テイラード、ユニフォーム
がおしゃれのキーワード


マンハッタンまで電車で20分。アクセスのよさで人気のハドソン川の対岸、ニュージャージー州ジャージーシティの古いロフトビルで暮らすミュリエル。玄関のドアを開けると、いきなり仕事部屋が広がるたたずまいが、ロフトらしくて格好いい。

20年近くニューヨークのファッション界でキャリアを積んできた。1990年代には「ケイト・スペード」の最初のバッグデザイナーだったことも。今はデザイン名門校で講師をしながら、フリーランスのクリエイティブディレクターとして、また自身のテキスタイルブランド「ミュリエル・ファヴァロ」を手がけている。



そんな彼女のファッション・キーワードは、ミニマル、エレガント、テイラード、ユニフォーム。好きなブランドは「ディオール」「コム デ ギャルソン」「ヨウジヤマモト」と「ユニクロ」のデザイナーコラボ。色は20代から黒が好き。

「70年代はパンクの黒を楽しんだ。今はアバンギャルドな黒に惹かれる」


人生のリスタートと
同時にシルバーヘアに
自由の象徴、
赤い口紅もお約束


眼鏡と赤い口紅、ショートのシルバーヘアは、ミュリエルのトレードマーク。

「ファッション業界で働くのに疲れて人生のリスタートを決心したのが57歳のとき。気持ちを切り替えるのにイメージチェンジがしたくて、長年信頼しているヘアデザイナーに相談したら、映画『勝手にしやがれ』のジーン・セバーグのようなベリーショートヘアにしましょう! って。同時に髪を染めるのもやめたの。気に入らなければ、また染めればいい。髪も伸ばせばいい、と思ったけれど、あれから10年、ずっとこのスタイル」


眼鏡も、ショートヘアに合わせて太いフレームに買い替えた。

口紅は、バレリーナだった子ども時代からつけ慣れていて、「口紅をしないのは裸でいるようなものよ」はお母さまの口癖だった。

「赤い口紅は、私にとってフリーダムを意味する色でもあるの」

着こなしは年齢とともに変わるけれど、自分の中にあるフリースピリットは今もずっと変わらない。


→Vol.2に続きます

photo:GION text:上野朝子

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Profile

Muriel Favaro

ミュリエル・ファヴァロ

1953年スイス生まれ。1976年にダンサーとして渡米。その後、帽子とバッグのデザインを習得して「ケイト・スペード」や「DKNY」でデザイナーとして活躍。現在は、パーソンズ・スクール・オブ・デザインの講師を務める。

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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